講座491 思春期は見守るだけ!

1.思春期の特徴は次の5つ

ここまで全部「そういう時期なんだ」でオッケーです!

ただし、

思春期には挫折がつきものです。

恋愛や進学や友達関係のことなどで悩んだ時に、「親に相談しようかな…」と思う場合もあるでしょう。

そういった時に「いつでも帰ることができる場所」があることが大切です。

それを「心の港」と言います。

船が傷ついた時、嵐の時などに、また戻って来られる港という意味です。

つまり、いつ戻って来てもいいような《普段通りの家庭・家族の雰囲気》が「心の港」です。

1.価値観が変わる
2.アンバランスになる
3.挫折を経験する
4.素直になれない
5.「心の港」を必要とする

この5つが「思春期らしさ」です。

そして、この「思春期らしさ」への対応の基本は次の通りです。

「そういう時期なんだ」と思いつつ、
「いつでも帰れる場所」 を用意しておく。

そう考えると親が実際に対応することはほとんどありません。

思春期は「思春期らしさ」を《理解すること》が子育ての中心になります。

2.反抗期はあった方がいい?

スライドを見てください。

理想的な子育てはAとBです。

Aは、家族環境が良くて子どもに自信がある場合に見られます。

この場合、反抗期はありません。

悪いことをしないので、それだけで社会的に自信が保てます。

「自分は悪いことをしていない」と思ってますから周囲から認められます。

社会からはみ出さないわけです。

親もそのことを理解し、誇りに思っています。

私は4人の子を育てましたが、全員反抗期はありませんでした。

多分、Aタイプなのだと思います。

Bは、道徳や教科書や家庭という枠に収まらないタイプです。

反骨精神があり、挑戦的、社会的です。

思春期にそういう「強さ」を持った子です。

そういう子には反抗期が表れます。

このAとBに共通していることがあります。

AとBは、乳児期、幼児期、児童期の課題をクリアしている場合に見られる。

つまり、「赤ちゃんらしさ」を大切にしてもらい、

「幼児らしさ」を使い切り、

「子どもらしさ」を十分に発揮した子に訪れる思春期がAとBです。

そして、残念ながらそうならなかったケースがCとDです。

BもDも反抗期はありますが、Bの反抗期はやがて消えます。

父親の仕事を知ったとか、母親の手紙を読んだとか、

ある日の出来事がきっかけで反抗期が終わる場合があるのです。

しかし、それぞれの年齢の発達課題を乗り越えられなかった場合は、反抗期が長引きます。

攻撃的、逃避的な行動に出ることが多く、非行や犯罪に巻き込まれやすくなります。

以上が反抗期に対する《理解の仕方》です。

3.「子育て四訓」

青年期の課題は自尊心を持つです。

自尊心とは「いい所も悪い所も含めてそれが自分」と認めることができる境地です。

自信を持って「これが自分!」と言えることです。

エリクソンはそれを「アイデンティティ(自我)の確立」と呼びました。

それが「青年期まで(24歳まで)」の課題です。

思春期(12~18歳)は青年期の一部です。

18歳になるまでは自我の確立はできなくて構いません。

課題の達成はその後でもいいのです。

しかし、18歳以降に自我を確立し、正真正銘の「大人」となるためには思春期の過ごし方が大切です。

それをひとことで言うと、次のようになります。

反抗期も含め、思春期の特徴を親に理解してもらうこと(見守ってもらうこと)

「子育て四訓」を思い出してください。

乳児はしっかり肌を離すな。

幼児は肌を離せ、手を離すな。

少年は手を離せ、目を離すな。

青年は目を離せ、心を離すな。

思春期に大切なことは「見守ること」です。

淡々と当たり前のことをし続ける。

「食事を作ってあげる」「洗濯をしてあげる」「送り迎えをしてあげる」…。

直接的なコミュニケーションは少なるかもしれませんが、思春期にはこうした「当たり前のこと」が親の愛情になります。

そして、18歳で成人ですから子育ては18歳で終了です。

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講座279 不登校問題・学校教育は義務なのか?

講座310 就学時健康診断の落とし穴

■思春期届(WORD)

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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