講座161 「大人」ってなあに?
「子育て」のゴールについて考えました。
簡単です。
子どもを育てることが「子育て」ですから、
子どもが「大人」になったら「子育て」は終了です。
つまり、
「子育て」とは、子どもを大人にすること
です。
ね。シンプルですよね。
そこで今回は、じゃあ、その「大人」って何なのということについて考えてみました。
参考にさせていただいたのは精神科医のkagshunさんのボイシー放送《169回》の放送です。
2.大人の社会的定義
3.精神的意味での大人(1)
4.精神的意味での大人(2)
5.大人でいる時間は短い
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/09/aisatsu_kodomo_otona.png)
1. 大人の法的定義
まずは、法律上の定義です。
法律上では「成年」と言います。
では、「成年」とはどういう意味でしょう。
単独で法律行為が行えるようになる年齢のこと(Wikipedia)
それが「20歳」ということです。
民法第4条 「年齢二十歳をもって、成年とする。」
でも、これ、もうすぐ変わります。
来年2022年の4月1日から「満18歳」が成年になります。
ですから「子育て」は18歳まででしょうかね?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/09/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
2.大人の社会的定義
でも、20歳になる前にいろいろな場面で子どもが大人扱いされる法律やルールもあります。
いくつか見てみましょう。
・選挙権(18歳以上)
・アダルトサイトや性風俗(18歳以上)
・自動車の免許(18歳以上)
・児童福祉法の対象外(18歳以上)
・刑法(14歳以上の者について責任能力を有するものとして規定)
・公共交通機関の運賃(13歳前後で「大人」と「小人」を線引き)
つまり、20歳になる前に様々な場面で「大人」として扱われることが、
世の中にはある、ということです。
これは子ども自身も知っておくべきことですよね。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/09/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
3.精神的意味での大人(1)
でも、「子育て」のゴールって、年齢で決められるものなのでしょうか?
なんか違うような気がしますよね。
精神科医のkagshunさんは次のような考えを提示してくれました。
(1)自分で決断ができて、自分で責任がとれること
そういう人格的な面が、かなりの割合であるのではないかということです。
そうですよね。
単純に年齢で決められるわけではないし、
もちろん身体的な発達(第二次性徴)で決められるものでもないでしょう。
この定義は多くの人が納得するところだと思います。
私のブログでも、この定義に基づいた記事がかなりあります。
たとえば、
・小学校1年生になったら10のうち1つくらいは自分で決めさせるとか
・子どものうちは「失敗してもいいから!」が大切とか
このような視点は、ある年齢で突然大人になるのではなく、
大人に向けた子育てが必要ですよということだと思っています。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/09/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
4.精神的意味での大人(2)
kagshunさんは、この他にもいくつかの視点を提示してくれました。
(2)社会的な常識を知っていること
(3)自分で自分のご機嫌をとれること
(4)寛容になれること・許してあげられること
(5)親になること
どれも「なるほど」ですよね。
こうしたゴールは「子育て」や「教育」の視点になりますよね。
つまり、
・大人になる前に「社会的常識」を身につけさせよう、だとか
・自分の感情を「コントロール」できるように育てていこう、だとか、
・人に対する「思いやりの心」を育てていこう、だとか
そういう子育てを心がけていこうと思いますよね。
そうしたことを「ゴール」だと考えれば、子育てがだいぶシンプルになりませんか?
私はそんな感じがしました。
で、(4)の「親になること」が私には衝撃的でした。
子どもが出来て親になったら、そりゃあもう「子ども」じゃないですよね。
言われてみれば、親は「大人」です。
でも、kagshunさんの解説を聞いて納得しました。
kagshunさんは次のように説明されたのです。
親になるってことは、自分以外の人の人生に責任を持つということ
自分の人生に責任を持つのは大人としての最低条件ですが、
親になると、自分以外、つまり「我が子の人生」にも責任を持つことになる、
というわけです。
確かにそうですよね。
「我が子」はまだ「子ども」ですからね。
まだ、自分で自分の責任を負えません。
親が我が子を「大人」に育ててあげるのですよね。
私は、教育基本法・第10条を思い出しました。
第十条(家庭教育)
父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/09/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
5.大人でいる時間は短い
私はkagshunさんのボイシーをほぼ毎晩聴いています。
その時間が私の「夜の学び」になっています。
今回の放送もおもしろかったですねえ。
放送の最後にkagshunさんはこう言ったんです。
大人でいられる時期って短いんです。
子どもは大人になりますよね。
大人は次に「お年寄り」になります。
kagshunさんは認知症の患者さんと日々接しているので、
お年寄りが、いわゆる「子どもに帰って行く」様子を目の当たりにされています。
だから、人生の時間を感じ取れるのだと思います。
人の一生はあっという間です。
私自身、振り返ってみても「大人」であった時間って、あっという間でした。
今思うと、「大人であるうちに子どもを育てる」というサイクルなんだなと実感できます。
これは、我が子の子育てだけに限らず、
若者を育てる。
バトンタッチする。
そういう意味でも「大人」の時間は貴重だと思うのです。
これまで私は、
「子育てなんて早く卒業したい!」
というお母さん方の気持ちに寄り添うことを大切にして来ました。
もちろんこれからも大切にしたいです。
でも、「卒業」という言葉をゴールにするだけではなくて、
「時間と責任」という言葉を大切にした上で、ということを
そこにプラスして広げたいなと思いました。
kagshunさん、素敵な放送をありがとうございました。
1件の返信
[…] 講座161 「大人」ってなあに? […]