講座162 望まれない妊娠
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10月7日の下野新聞から抜粋します。
茨城県警は7日、自宅敷地内のトイレで出産したばかりの女児の首を絞めて殺害したとして、殺人の疑いで、県立高校3年の女子生徒(18)を再逮捕した。県警によると「生まれてきた赤ちゃんの扱いに困り、手で首を絞めた」などと話している。女子生徒は産婦人科を受診しておらず、家族は妊娠を把握していなかったといい、県警は詳しい経緯を調べている。
「オギャー」と叫んだのでしょう。
その首を絞める。
どんな気持ちだったのでしょう。
一生ついて回る出来事だと思います。
そして、このような事件は全国各地で度々報道されます。
報道されるのは氷山の一角。
様々な背景をもって「望まれない妊娠」は起きています。
2.性について苦しませたくない
3.【性教育YouTuber】シオリーヌさん
4.どの「大人」が教えるのか
5.「男の授業」誕生秘話
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1.望まれない妊娠
私は妻に堕胎をさせてしまいました。
まだ学生だった時です。
当時の私たちにはどうしようもない選択でした。
今も時々考えます。
当時の妻が、その時、どんな気持ちだったかを。
生まれ出た赤ちゃんの首を絞める辛さと同じなのではないかと思うのです。
女性が抱える辛さと同じものを私が抱えることはできないでしょう。
せめて、このことを忘れてはならないと思ってこれまで生きてきました。
性教育は、教師になった私の使命でした。
新卒からずっと勉強を続けました。
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2.性について苦しませたくない
新卒当時は絵本やプリントを使って授業をしていました。
相手は小学生です。限界があります。
しかし、根本は変わりません。
ヒトと他の動物とでは、性生活に違いがあるというところが根本です。
いかに人間らしく性を理解するか。
性について苦しませない。
それが教師としての私の課題でした。
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3.【性教育YouTuber】シオリーヌさん
時代は変わり、絵本やプリントに頼らなくても、
様々な手段で「人間らしい性」を伝えることが可能になりました。
中でも注目したいのはYouTube動画です。
学校教育という組織を通さなくても、直接子どもたちに届けることができるようになりました。
ひとりの大人が、社会教育として、子どもたちに性を伝えることができる時代です。
今、私が伝えたいのは、助産師で思春期保健相談士の大貫詩織 (シオリーヌ) さんの動画です。
動画で、しかもドラマで伝えることができるなんて、
30年前には考えられなかったことです。
この動画を多くの中高生に視聴させてあげたいです。
子育て中の保護者の方にも、思春期になれば通る道を共有しておきたいです。
紹介させていただきます。
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4.どの「大人」が教えるのか
10月9日の文春オンラインには次のような記事が載りました。
娘の妊娠に気づかない加害者家族の意外な“共通点”とは 「まさか、娘があんなことをしたなんて…」
(文春オンライン)
事件が起きた家庭に共通することは「性の話は家庭でタブー」という点です。
シオリーヌさんの動画の家庭も「キスシーンになったらチャンネルを変える母親」が登場しています。
日本にはまだまだこうした家庭が多いのでしょう。
だからと言って、学校が教えてくれるかというと、
現行の学習指導要領には「歯止め規定」があり、
学習指導要領に書かれてあること以外は「ほぼ出来ない」仕組みになっています。
(詳しくは、講座145「中高生の性教育」)
その一方で、海外に目を向けると、
同じ10月9日には次のような記事が出ています。
【AFP=時事】米カリフォルニア州は7日、性交中に口頭による同意なくコンドームを外す 「ステルシング」と呼ばれる行為を違法とした。望まない妊娠や性感染症のリスクを伴う「ステルシング」を法律で明確に禁止するのは米国初。(Yahoo!ニュース)
日本の学校で「ステルシング」 が教えられることはないでしょう。
家庭でも教えられないとしたら、問題意識を持った大人が教えなければなりません。
こうやって学校教育のコンテンツは現実社会とかけ離れて行くわけです。
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5.「男の授業」誕生秘話
今年の6月。20年ぶりに教え子に会いました。
「私の授業で忘れられないものがある」と言われ、
出て来た言葉が、教室でこっそりやった「男だけの授業」でした。
中身はマスターベーションの仕方です。
それを今でも覚えているというのです。
まだまだ中途半端な授業だったのですが、
こういう授業が「求められている」のだなと実感したのが今年の大きな出来事です。
ちゃんと完成させなきゃと思って作ったのが先日アップした「男の授業」です。
全11時間の中から9時間目の「避妊」をここに載せておきます。
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男の授業、見ました。先生の情熱を感じました。月経について触れているのが、良いと思いました。性的同意についても触れているといいと、個人的には思いました。
私には、息子はいませんが、もしいたら、さりげなく教えたいと思いました。
こんなコメントしづらい記事にコメントしてくださりありがとうございます。勇気をもらいました。ありがとうございます。