講座174 ゲームはフロー体験か?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/game_friends_keitai_boy.png)
2.フロー体験・その②
3.フロー体験・その③
4.ゲームはフロー体験に成り得るか?
5.チクセントミハイのフロー理論
6.まとめ
1.「フロー体験」って何?
「フロー体験」というのは「熱中体験」「没頭体験」という良い意味です。
ではゲームはどうなんでしょう?
子どもたちにとって「良い体験」に成り得るのでしょうか?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-5.jpg)
これはミカンの皮むきに熱中しているところです。
没頭しているのがわかりますよね。
こういうのが「幼少期のフロー体験」です。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/10/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
2.フロー体験・その②
まだありますよ。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/839d79565b72b38fff0c963efb9452da.jpg)
これは工作に熱中しているところです。
出来上がった作品がこれです。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-6.jpg)
この作品は「10万円」くらいの価値がありますよ!
そう思えませんか?
幼児期のフロー体験が脳の発達を促し、人生の土台となることがわかっています。
将来への投資です。
そう考えれば「10万円以上」の価値があるかも知れませんよね。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/10/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
3.フロー体験・その③
これはどうですか?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/ios__________-1024x998.jpg)
散らかしているのではありません。
目的の絵本が見つかるまで本を出しまくったのです。
そして、その本が見つかりました!
こういう体験が、叱られるか?見守られるか?
そこが人生の分かれ道です。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/10/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
4.ゲームはフロー体験に成り得るか?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-1024x296.jpg)
フロー体験のゴールは「満足観」「やり切った感」です。
仕事だって勉強だって遊びだって、やり切ったら気持ちいいですよね。
では、ゲームはどうでしょう?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/game_friends_keitai_boy.png)
ゲームって熱中しますよね。
時間を忘れてやってしまうほど熱中します。
ゲームはフロー体験(人生の財産)になるか?
これが今回のテーマです。
文化人類学者のチクセントミハイは「ゲームがなぜ楽しいか」を次のように分析しています。
「最高の気分」を味わえるから
自分の能力を精一杯使って「何とかやれそうな活動」に取り組んで成功を手にすることができる。
それがゲームだということです。
簡単に言うと「ギリギリでやり遂げた時って最高に楽しい」ということです。
そう考えるとゲームもフロー体験になるような気がしますよね。
どんどんやらせれば「人生への投資」になるのでしょうか?
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/10/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
5.チクセントミハイのフロー理論
ゲームはフロー体験に成り得るか?
このことが気になってチクセントミハイのフロー理論を勉強し直しました。
すると、次の図に出会えました。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/5e4896966c9944fcf00890f4502605bf-1024x710.png)
この図は次の3つのことを表しています。
(1)熱中体験はゴールすると挑戦意欲へと変わる
人間って同じことをしていたら飽きてくるじゃないですか。
ですから次の課題へと向かう。
そのことによって集中力が持続し、スキルが上がって行く。
熱中→挑戦→熱中→挑戦のくり返し。
これはまさにゲームの仕組みと同じですよね。
新しいキャラクターが出て来たり、次のステージに向かったり、次々と新しい刺激が来ますよね。
(2)熱中するためには安心できる環境が必要である
その「熱中→挑戦」は安心の中で発生します。
叱られるからこっそりゲームしよう!などといった不安の中では真の熱中体験は生まれません。
後ろめたさが残り、脳の発達にとってマイナスです。
(3)積極的に熱中する必要がある
「退屈だからやる」という態度はネガティブな活動になります。
これも真の熱中体験ではありません。
社会で成功したインフルエンサーの中にも「ゲーム好きの大人」はたくさんいます。
そうした「成功した大人」は積極的にゲームをしています。
「仕事が終わったらゲームをやりまくるぜ!」と公言して生活しています。
ゲームを積極的に楽しんでいるのです。
退屈だからやるのではなく、やりたくてやりたくてたまんないのです。
見落とされがちですが、これも大事な条件です。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/10/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218.jpg)
6.まとめ
子育て講座などで質問されることがあります。
うちの子どもはゲームばかりやっていて心配なんです。
そういう相談にはこう答えます。
やらせ方が大事です!
(1)安心してやらせる(コソコソさせない)
(2)積極的にやらせる(退屈だからゲームという生活になっていることの方が問題)
(3)質のよい睡眠をとらせる
「安心」が大切なのは分かりましたよね。
「安心」がなければフロー体験にならないからです。
積極性が必要なのは、実は、ゲームをやることではなく、その他の生活が問題なのです。
外で遊んだり、宿題をしたり、習い事をしたり、運動をしたり…。
そういう充実した日常の中にゲームも存在していることが大切です。
そして、最後に睡眠ですね。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/cbf5b9f60da99bf791c0aa12a770f429-1024x283.jpg)
「充実した一日」の最後には「質のよい睡眠」が不可欠です。
フロー体験は、睡眠中に脳の中で整理されます。
「質のよい睡眠」とは、レム睡眠とノンレム睡眠がバランスよく保たれる睡眠です。
そのバランスは「早寝早起き」によって保たれます。
夜遅くまでゲームをするのは脳の発達にマイナスということです。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/11/29d3bc99193cb0b837fb8cc53f050ae5-1-1024x477.png)
というわけで、
「やり方次第」なんです。
ゲームをする時に必ずルールが必要なのではなく、
「安心して」「積極的に」「質のよい睡眠」を保つことが大切だからルールが必要になるのです。
そして、忘れてはいけないことがあります。
それは、ゲームだけがフロー体験ではないということです。
最初の写真にあったように、様々な体験が幼児期には可能なのです。
ゲームに時間を割くことは、他にもある様々な体験の機会を失うことでもあります。
様々な体験は日常と非日常の中にたくさんあります。
そのこともどうか忘れないでください。
3件のフィードバック
[…] ゲームについては、講座174「ゲームはフロー体験か?」で書きましたが、 […]
[…] だきます。今後の社会ではゲーム経験も仕事や学習に役立つものとなるはずです。依存せずに利用できる大人に育てることが大切かと思います。参照:講座174「ゲームはフロー体験か?」 […]
[…] 講座174 ゲームはフロー体験か? […]