講座489 「言葉」と「遊び」が幼児のミッション!

もうそれだけで十分です!

1.語彙爆発

子どもの語彙数(言葉数)は、1歳だと3語程度ですが、1歳8ヵ月あたりから急激に増え始め、2歳を過ぎると100倍の300語くらいになります。(参考: 「言語獲得における認知的基盤」小椋たみ子2006)

この急激に増える現象を「語彙爆発」と言います。

語彙爆発が不思議なのは《急に起きる》ということです。

どうして急に増えるのか? ご存知ですか?

理由① 愛着形成の時に言葉をかけてあげていたから

オムツを取り替える時に黙って取り替えるのではなく、話しかけたりしますよね。それです!

取り替えた後に「こちょこちょこちょ~」なんて言って、かまってあげたりしますよね。それもです!

最近の研究では、特に「オノマトペ」の重要性が指摘されています。(今井むつみ『言語の本質』2023)

生活の中にはオノマトペがたくさんあります。

私は孫とお散歩に行く時は「あんよ、あんよ」と言っていました。

ごみを捨てる時には「ポイして来て」、

シールを貼る時には「ペタンして」、

触って欲しくない物がある時は「だいじ、だいじ」と言っています。

これ、全部オノマトペです。

「ポイ(POI)」は音ですが、この音を聞いただけで、物を放り投げる感じ(意味)が伝わります。

「ダムダム(DAMDAM)」という音は、ボールを床に突く動作(意味)を感じてしまいます。

このようにオノマトペは《音》と同時に《動作》とか《状態》までも伝える働きを持っているわけです。

もしも、赤ちゃんに対して、「これゴミ箱に捨てて来て」と言ったら言葉の意味が伝わるでしょうか?

伝わる子もいるでしょうが、初めてその言葉を言われたら伝わりませんよね。

でも、「これポイして来て」と言われるうちに、「ポイ」の意味を理解し始め、

ある日、「これゴミ箱に捨て来て」と言った時に、ちゃんと伝わるようになるはずです。

説明しなくても伝わる

それがオノマトペの力です。

理由② 0歳の時から読み聞かせをしていたから

写真は、まだ話せなさそうな赤ちゃんに、お父さんが絵本を読み聞かせています。

読み聞かせは、愛着形成にもなりますし、言葉もたくさん覚えますし、オノマトペもたくさん出て来るので最高の時間です。

理由③ 「指さし」を大切にしてきたから

大きく分けると「指さし」には2種類あります。

「親による指さし」と「子ども自身による指さし」です。

①親による指さし:指さし理解
②子ども自身による指さし:要求・確認・質問

写真の左が①の「指さし理解」です。

お母さんが指をさしていますよね。

この時、赤ちゃんは《お母さんの指》ではなく《指さしている方向》を見ます。

これはスゴイことなんです。

手を見ないで方向を見る赤ちゃんは、

「あ!お母さんはぼくに何かを見せようとして指をさしているんだな!」

と思っているわけです。

大袈裟に言えば、お母さんの心の中を読み取っているわけです。

これが「指さし理解」です。

およそ生後8ヶ月くらいで出来るようになります。

写真の右側が「一人指さし」です。

興味があるものを見つけた時に、(あ!ワンワンだ!)などと思って(まだ話せませんが)指をさします。

これも8~9ヵ月頃に起こります。

この「一人指さし」の時に、子どもは無言であっても、

「あ、ワンワンいたね!」などと言ってあげると、子どもは成功体験を獲得します。

指をさしたことによってお母さんが反応してくれたわけですから大成功です。

理由① 愛着形成の時に言葉をかけてあげていたから
理由② 0歳の時から読み聞かせをしていたから
理由③ 「指さし」を大切にしてきたから

乳児期からこのようなことをしていると、1歳8ヵ月くらいの時期に子どもは「あること」に気づきます。

それはヘレンケラーが体験した「気づき」と同じです。

①ものには名前があるんだ!

②お母さんやお父さんが言ってたことは言葉だったんだ!

赤ちゃん時代に経験したことが、すべてつながる瞬間です。

「そうか!そういうことか!」

このコツをつかむことによって、言葉の数は急激に増えます。

これが語彙爆発です。

2.遊び

幼児のミッションのもう一つは「遊び」です。

ポイントは2つです。

①めいっぱい遊ぶ(熱中体験・フロー体験)
②様々な種類の遊びと体験(6歳までに1000の体験)

これはスライドで解説します。

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講座345 SLAM DUNK × FAMILY

講座2 日本一「見守ってあげる」お母さん(前編)

■6歳までに1000の体験

『子育て写真集・6歳までに1000の体験!』全3巻

3.補足①

幼児は言葉を話せるようになっただけで、まだうまく言葉にすることができません。

大人の助けが必要です。

つまり、《言葉にしてあげる》という助けです。

4.補足②

愛着形成 → 言葉と遊び

ここまで完成すると「3つの力」が備わります。

①コントロールする力
②理解する力
③助け合う力

幼児は、この「3つの力」を身につけて小学校へとあがって行きます。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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