講座197 「よい子」の育て方 ③
今回は「よい子」の問題点の最後です。
別の講座で何度か取り上げたのですけど、わかりますか?
2.まとめ
1.「よい子」の問題点③
「よい子」の親のタイプを思い出してください。2つありました。
C 過干渉タイプ(子:「親が言うので…」)
D 過心配タイプ(子:「親が心配するので…」)
「親が言うので」という子は、親の言うことを聞く素直な子です。
だから「よい子」なのです。
「親が心配するので…」という子は、親思いの優しい子です。
だから「よい子」なのです。
「よい子」は、ずっとよい子なら理想的です。
でも、現実はそうじゃないんです。
過干渉や過心配タイプの親のもとで言うことを聞くのはシングルエイジ(9歳まで)の間です。
10歳を超えると次の時期が待っています。
思 春 期
思春期には「5つの特徴」があるということを講座135で書きました。
3.挫折を経験する
挫折の中身も紹介しました。
どんな挫折か覚えてますか?
大きなのは次の3つです。
(1)友達関係
(2)恋愛関係
(3)勉強・受験関係
親よちも「友達」を大事にする時期です。
そこでの失敗は本人にとっては「大きな挫折」となります。
恋愛にも目覚めます。
失恋もまた「大きな挫折」です。
勉強・受験。
中学校になると勉強内容が途端に難しくなります。
しかも、中学校の先生は小学校の先生と違います。
小学校の先生は子どもが勉強でつまずくと「先生の教え方が悪かった」と思います。
中学校の先生は生徒がつまずと「ちゃんと勉強しろ」と突き放します。
これは文化の違いなのです。
中学校には「生徒を子ども扱いしない」という文化があります。
義務教育の最後。社会に送り出す責任。
そういう立場があるので「自主自立」を重視します。
何でも先生が助けてくれるわけではないのです。
でも(だから)、そこで挫折する生徒も出てきます。
(1)友達関係
(2)恋愛関係
(3)勉強・受験関係
人生で恐らく初めての「大きな挫折」。
それを知った「よい子」の心の中は次のように動きます。
自分は、これまでずっと、親の言うことを聞いて来た。
親が言うから、親が心配するかた、ずっとその通りやって来た。
なのに、
こうなった。
この結論がこうなります。
親が悪い。
非行に走ったり、家の中で包丁を持って暴れたりするわけですね。
このようなことが問題の③です。
2.まとめ
講座189 「悪い子」の育て方①
講座190 「悪い子」の育て方②
講座193 「よい子」の育て方①
講座196 「よい子」の育て方②
この講座 「よい子」の育て方③
ここまでをまとめます。
どうしてそうなるのか?
脳の働き方も復習しましょう。
スライドの上下関係をひっくり返します。
人間の脳は単純化すると「二階建て」です。
「叱り過ぎ」も「放置し過ぎ」も動物脳(感情・本能)を刺激します。
それは「生きるため・自分を守るため」の仕組みです。
「干渉し過ぎ」「心配し過ぎ」も同じです。
「親に守られたい」も子どもの本能です。
言ってみれば、子どものうちはみんな「よい子」なのです。
問題は「過ぎること」です。
AもBもCもDも、
「過ぎること」は、人間脳が発達する機会を減少させます。
ですから「過ぎないこと」が大切です。
別な言葉で、これを「普通」と言います。
「普通」とは、脳が安心安全状態であることを意味します。
「普通」に育てると、脳は発達します。
なぜなら、子どもは皆、自分で発達するように出来ているからです。
これを「その子らしさ」とか「子どもの可能性」などと表現することもあります。
ですから、
「普通」に育てれば、個性は発揮されます。
その逆が「個性をつぶす」です。
「普通」に育てれば、可能性は発揮されます。
その逆が「可能性をつぶす」です。
我が子を立派に育てあげた人に対して、
「どんな子育てをされたんですか?」と聞くと、
「いやあ、なんにもしてないんですけどねえ」などと答える場合がありますよね。
その親は「普通」に育てたんですけどねえと言ってるわけです。
ということで、
これ以外は普通に育ちますよ、というのがまとめです。
そして、その「普通」の子育てをまとめたのが、「幸せの子育てマップ」です。
ぜひ、冷蔵庫の横やトイレの壁などに貼って、時々思い出してください。