講座158 鉛筆の持ち方は4歳半で決まる!
この写真を見て何か気づきますか?
何か変な持ち方だな?と思いますか?
シロウトの人はそう思うかもしれません。
これは全然変じゃありません。
ちゃんと発達しているんです。
今回は鉛筆の持ち方について解説します。
2.持ち方の敏感期
3.正しい鉛筆の持ち方
4.様々な生活経験
5.スプーンの持ち方の発達順序
1.持ち方の発達段階は三つ
【第一段階】握り持ち
握って持つ段階です。
「回内握り」と「回外握り」の2パターンがあります。
1歳~4歳までに見られます。
2歳前後を中心に1歳~4歳まで見られます。(参考:『写真でみる乳幼児健診の神経学的チェック法』)
最初の写真の子は「回内握り」ですね。
親指が下になってます。
ちょっと考えると不自然に見えますが、
「握る」という動作をした結果、「回内」か「回外」になってしまうのです。
握ったからにはそのまま書かなきゃ目的を果たせませんからね。
【第二段階】静的三点持ち
「握る」から「持つ」に変わりました。
まだ完璧ではないのですが、なんとなく「3本の指」で持っている感じです。
2歳~5歳までの子に見られます。
【第三段階】動的三点持ち
さっきとどこが違うか分かりましたか?
①指先で持ってます
②親指と人差し指の間に空間ができています。
こうなると、手首を動かさずに鉛筆の先を動かせます。
完成形です。
4歳~6歳の子に多く見られます。
2.持ち方の敏感期
鉛筆の持ち方はいつまでに完成すればよいのでしょうか?
私は小学校1年生を何度も担任してきましたが、
正直に言います。
1年生では直すのがかなり難しいです。
補助器具を使ってみたり、
トランポリンで体幹を鍛えたり、
様々なことを試しました。
でも、私の力では直すことができませんでした。
兵庫県立リハビリテーションセンターの先生に相談したこともあります。
その時に先生から指導していただいたのが「4歳半が敏感期」という教えです。
動的三点持ちは 4歳~6歳の子に多く見られると書きましたが、
この「見られる」という子どもたちは、ちゃんと持てるようになったということです。
その陰には、4~6歳になっても正しく持てないたくさんの子がいます。
そして、私の経験では、6歳を超えて治すのはかなり難しいということです。
だから、現在は次のようにアドバイスしています。
4歳半までに「動的三点持ち」をめざしましょう!
3.正しい鉛筆の持ち方
結果から言えば「正しい持ち方」には次の4ポイントがあります。
①利き手で「天使の輪」をつくる
②三つの指で「3点持ち」をする
③鉛筆の角度は60度
④小指球を紙にくっつける
でも、これは「結果」なのです。
これができていない子は、いくら①~④を言っても、
4ポイントを守るのが難しいのです。
ですから、私が提唱したいのは、
4歳半までに、
【握り】→【静的三点持ち】→【動的三点持ち】というステップで発達できるように仕向けましょう。
ということです。
4.様々な生活経験
そのためには「様々な経験」が必要になります。
普段の生活の中にあるこうした経験が実は「正しい鉛筆の持ち方」に結果としてつながるのです。
その中でも「鉛筆の持ち方」に直結するのが「スプーンの持ち方」です。
スプーンの持ち方も、 【握り】から【持つ】 という順序で発達するからです。
次は「スプーン」について解説していきましょう。
5.スプーンの持ち方の発達順序
①は「握り」ですね。
②は「握り」と「指で持つ」の中間くらい。
③は、「持つ」ですね。
そして、この③の持ち方になるにも「経験」が必要です。
それは「スプーンでかき混ぜる」という経験です。
このことについては、私の尊敬する「持ち方伝道師」の前田昌彦先生の動画をご覧ください。
前田先生は「児童書き方研究所」の師範です。
「持ち方」のスペシャリストです。
ぜひ、他の動画も合わせて参考にしてみてください。
最後に参考書籍の紹介です。
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