講座115 【密着】学校の先生は休み時間に何をしているか?
2.解説
3.なぜ教室に残るのか
4.何が起こるか分からない
5.コミュニケーションづくり
6.なぜ職員室に戻るのか
7.日課表
1.密着動画
ではさっそく動画を見てみましょう。
2.解説
この先生がやっていたことは大きく2つです。
(1)教室に残って子どもたちの様子を見る
(2)職員室に戻って仕事をする
中休みが20分間だとしたら、
教室に10分間、職員室に10分間といった感じです。
これが通常というか基本です。
私も、特別な用事がない限り、そのようにしていました。
そうするのがいいと今も思います。
どうして、そうするのがいいのかを次に「深掘り」します。
3.なぜ教室に残るのか
大きな理由は、「子どもたちの様子をみるため」です。
それでわざわざ教室の後ろの席に腰かけたわけですね。
しかし、目的はそれだけではありません。
後ろの席に腰かけていると、二人の女の子が近づいて来ました。
「先生、算数のノート終わりました」
と言って、先生に算数のノートを渡しました。
① 先生に用事がある子のために残っている
よく考えるとそうですよね。
授業中は先生に用事があっても、個人的な事で声をかけるわけにはいきません。
声をかけるとしたら休み時間が好都合です。
そういう子のために残っているわけです。
「用事があるなら職員室に来なさい」ではなく、
残ってあげて、声をかけやすくしているわけです。
これは、ちっちゃなことですが、とても重要です。
子どもとのコミュニケーションの時間を、こうやって教師から確保しているのです。
4.何が起こるか分からない
その後、一人の女の子が先生の横にやって来ました。
ちょっと様子が変です。
「おなかが痛いです」
遠慮がちにそう言いました。
先生はその子の話を聴いて、対応してあげていました。
こういうこともあるわけですね。
再度言いますが、ちっちゃなことですが、とても重要です。
この子は、直接保健室に行ったのではなく、担任の先生とコミュニケーションをとりました。
直接保健室に行った場合と、どこが違うでしょうか?
直接の場合:この子と保健室の先生だけのコミュニケーション
今の場合:この子と担任と保健室の先生とのコミュニケーション
「担任抜き」の場合と「担任が知っている」場合。
この違いは、子どもとの信頼関係の在り方に微妙に影響するのです。
5.コミュニケーションづくり
その後、前の方に移動して自分の机に座りました。
すると、別な女の子が二人、先生に話しかけました。
係り活動か何かの相談があったようです。
たった10分教室に残るだけで、こんなにもいろんなことが起こるわけです。
6.なぜ職員室に戻るのか
そして、残りの10分は職員室に戻ります。
これにも大切な意味があります。
職員間の連絡や情報交換のため
毎朝、先生方が教室に向かったあと(1~2時間目の間)の職員室には様々な会話が飛び交います。
どうでもいい話もありますが、大事な話もあります。
「今朝、3年生のA君が登校途中に転んでいたけど大丈夫かな?」とか、
「今日はBさんのお母さんは一緒じゃなかったね」とか、
子どもに関する情報も出て来ます。
学校では、そういった情報交換ができる時間は、休み時間しかありません。
子どもたちが下校するまでの間、先生方はほとんど教室にいます。
顔を合わせる機会が少ないのです。
しかし、休み時間であればそのチャンスがあります。
一日中教室に行きっ放しだと、こうした小さな(しかし意味のある)情報が入りません。
だから休み時間の後半は職員室に戻るのです。
7.日課表
世の中には「働き方」についての様々な意見がありますが、
具体的には、休み時間を「中休み30分間」「昼休み30分間」にするのが第一だと思います。
先生も助かりますし、何より子どもたちが喜びます。
現在、学校で友だちと過ごす時間はとても貴重です。
お金を払っても手に入れることはできません。
これは私が勤務していた学校の日課表です。
「中休み・中遊び」30分、「昼休み・昼遊び」30分と書かれています。
子どもたちの「遊ぶ時間」という考え方が基本です。
もっと言うと「子どもの遊ぶ時間を確保する・奪ってはならない」という考え方です。
みなさんのお子さんの学校は休み時間が何分間ですか?ご存知ですか?
ぜひ、確認してみて下さい。