講座451 低学年での学級崩壊体験

忘れもしません!

この時、私は4回目の一年生担任だったのです。

もうベテランですよね。

入学式に保護者の前で、「任せてください!4回目ですから!」って言っちゃったんです。

そしたら次の日から崩壊です。

一週間もしないうちに不登校の子も出しました。

学校に行きたくないと言って泣いている姿を目の当たりにしました。

情けなかったですね。

その時の経験をふまえ、子育てに役立ついくつかのことを解説いたします。

 目 次
1.自由保育のせいじゃない?
2.有名幼稚園を参観する
3.再び参観へ
4.子どものせいにしない

1.自由保育のせいじゃない?

まだ何もしていないわけですからね。

きちんと話を聞けないのは「その前の教育」のせいだ!

って考える先生もいると思います。

でも、それを言っちゃあおしまいだよ! と思っていたので、

それは思いませんでしたね。

ただですね。

当時は「自由保育」と言って、

厳しいしつけはしない。のびのび自由に育てる。

という幼児教育が全国的に流行していて、

その是非をめぐってニュースなどでも話題になっていたんです。

これって自由保育のせいじゃない?

という思いは心の片隅にありましたね。

2.有名幼稚園を参観する

世間には自由保育賛成派と伝統的保育賛成派があって、

伝統的保育をしている幼稚園では「きちんとした子ども」が育っていたんです。

その幼稚園を出た子どもたちは小学校に行っても荒れないわけです。

そういう情報があったので、私は自分の目で確かめてみることにしました。

埼玉県飯能市にある白鳥幼稚園の公開研究会です。

衝撃的でしたね。

子どもらしく「のびのび」しているのに、「きちんと」できる。

一言で言えば「やる時はやる」って感じ。

先生のお話を聞く時は聞くし、集中も持続する。

その一方で、遊びや創造性といった能力も高い。

その時、私は一年生の自分のクラスを担任していたわけですからびっくりしました。

子どもが違うからだ。

なんて微塵も思いませんでした。

園の先生方の指導力がすごいのです。

石間戸園長の言葉が忘れられません。

どの先生も同じレベルの指導力を身につけています。
ですから、どの先生が担任しても大丈夫です。

衝撃的でしたね。

学校世界との違いに愕然としました。

そして、「伝達可能な指導力」というものが存在し、身につけることができるという事実を確信できました。

これが一回目の参観の収穫です。

3.再び参観へ

その一週間後に私は再び埼玉へ飛びました。

今度は研究会ではなく、お願いして普段の一日を個人的に参観させていただきました。

ビデオ撮影も許されたのでカメラで撮りまくりました。

園の先生方の指導スキルを自分も身につけたいと思ったのです。

帰ってから映像を分析し、自分のクラスにも様々な形で取り入れました。

そのひとつに「しつけ三原則」があります。

挨拶は自分から先にしよう。
返事は「はい」とはっきり言おう。
はきものはそろえ、椅子は入れよう。

森信三の「しつけ三原則」です。

「腰骨を立てる」という姿勢の指導も取り入れました。

三学期には嘘のように落ち着いた時間が教室に生まれるようになりました。

4.子どものせいにしない

でも、その一年を振り返ってみると、最大の契機は「指示に子どもの名前を付ける」という技術ですね。

たったこれだけのことで授業が激変しましたから。

指導技術というのはある!

そして、それは伝達できる。学ぶことができる。身につけることができる。

そのことを実感しました。

今まで何をしていたんだろう!と思いましたね。

教師11年目のことです。

この「 指示に子どもの名前を付ける」という技術 には思想があります。

悪いのは子どもじゃない。
子どものせいにしない。

という思想です。

学級全体に話しても通じないという現象は、

子どもの脳の発達に関係するという視点が私にはなかったのです。

できなくて当然

というスタート地点に立てなかったのです。

技術も持ち合わせていなかった。

それが年度当初の私でした。

しかし、 「指示に子どもの名前を付ける」 という技術を持ったことによって、

子どもの変わる姿を目の当たりにし、

その裏にある考え方もできるようになりました。

すぐれた実践にはすぐれた思想がある。

このことをクールに実感しました。

より詳しく知りたい方はこちらの動画もご覧ください。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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