I 理想の学校・ブラックな学校

講座98 あなたのお子さんは「端末」を家に持ち帰っていますか?

投稿日:

 目 次
1.「端末」が家にやって来た!
2.そもそも「端末」って何?
3.パソコンとタブレットってどう違うの?
4.「持ち帰り」について(格差の実態)
5.「量」も「スピード」も話にならない

1.「端末」が家にやって来た!

「99%の自治体で3月までに小中学校の端末整備は進む」(令和3年1月21日ヤフーニュース

実際に端末を持ち帰ったH君のお母さんの声を紹介します。(写真はH君のお母さんが撮影したもの)

【H君のお母さんの感想】

「とりあえず重いです。
軽いランドセル選んだ意味ないくらい重い。」

  • 軽いと評判の池田屋のランドセルにしたのに荷物重い!
  • 池田屋のランドセルには「タブレットスペース」があるにもかかわらず、学校から渡されたバッグに入れることになっている。
  • 重さを計ったら1.4㎏(牛乳パック7個分)もあった。
  • 家で充電するんかい!

他の学校の端末を調べてみましたが、だいたい1.2〜1.4kgでした。どこも結構重いんですね。

しかし、H君の学校では次のように工夫してくれました。

国語と算数以外は「置き勉」を認める。

「置き勉」というのは、教科書などを学校に置きっ放しにしていいということです。

2.そもそも「端末」って何?

パソコンやタブレットやスマホなどの

 本体のことを端末と言います。

端末を持ち帰ったということは、

本体を持ち帰ったということです。

3.パソコンとタブレットってどう違うの?

パソコンとタブレットの違いを説明します。

まず、大きさが違います。

  • パソコンは、11インチ以上あります。
  • タブレットは、7インチと10インチが主流です。
  • スマホは、4~5インチです。

キーボードの有無でも分かれます。

  • パソコンは、キーボード付き
  • タブレットは、キーボードが着脱可能
  • スマホは、キーボードがありません。

今回学校で配付されているのはパソコンかタブレットです。

4.「持ち帰り」について(格差の実態)

文部科学省は端末の「持ち帰り」を推奨しています。(令和3年3月12日通知「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について」)

持ち帰るメリットは大きく2つです。

(1)非常時に使うため(休校になった時など)
(2)情報通信技術(ICTの活用能力)が高まるから

家で使うための「ルール作り」も行われています。

奈良県生駒市では教育委員会が次のようなルールを定めています。(「端末家庭活用ガイドライン」)

①接続に関しては家庭でやってください。
②端末の近くでは飲食禁止です。
③ユーザーIDとパスワードは他人に教えないこと。
④破損・紛失・盗難に注意すること。
⑤修理は個人でしない。
⑥USBなど外部装置への接続は禁止。
⑦学習に関係のないサイトへの接続は禁止。
⑧写真・動画の配信は禁止。
⑨ハッキング行為、他人への誹謗中傷の禁止

まあ、当たり前の情報モラルですね。

しかし、「持ち帰り」の実態は自治体によって様々です。

次は、ある学校の実態です。

A市は持ち帰りできません。鍵がついた箱に入れて、充電しています。日中、その鍵がほとんどあいて、使いまくってるクラスもあれば、この一か月で1回も使っていないクラスもあります。私は専科なので、いざ使おうと思った時に、サクサク使えるクラスと、使い方を教えることで終わってしまうクラスとがあって、こんなにも違うんだなぁと、痛感します。

これが「格差」です。

学校内でもこのような格差が生じているのですから、持ち帰りのある・なしによって更に格差は広がるでしょう。

A 学校で頻繁に使う+持ち帰りあり
B 学校で頻繁に使う+持ち帰りはなし
C 学校であまり使わない+持ち帰りあり
D 学校であまり使わない+持ち帰りなし

AとDとの格差を想像すると「こんなに違っていいの?」と思ってしまいます。

「学校内のクラス(担任)による格差」「市町村による持ち帰り有無の格差」はそのまま「子どもたちの格差」となるわけです。

しかも、世界と比べるともっと大変なことになります。

国別に見ると日本は最下位です。

これじゃあいけない!ということで、今回の「一人一台」になったわけですが、

持ち帰りができなかったり、鍵が付いた箱に眠ったままだったりで、最下位中の最下位になっている子どもたちもいるということです。(涙)

5.「量」も「スピード」も話にならない

私は 講座87 で次のようなことを主張しました。

これからは「教科書1冊」を1ヵ月で終わらせるくらいのスピードが求められる!

「テストの答え」はすべてインターネット上にある

「選抜テスト」とか「偏差値」とか「学歴」なんかはもう関係ない!

学校の勉強が身についているかどうかを見るためにテストをしますよね。

でも、テストの答えのほとんどはネット上に既にあって、検索すればすぐに出て来ます。

なぜ、それをわざわざ覚えなければならないのでしょう。

検索すればわかることをわざわざ勉強する必要ってあるの?

言われてみると答えるのが難しくありませんか?

ここは「発想の転換」が必要なのかも知れません。

明治・大正期は、学校に行かなければ「新しい情報」が手に入りませんでした。

しかし、昭和後期・平成期になると、学校の勉強は「親も知っていること」でした。

学校で習う教育内容(コンテンツ)に魅力がなくなって来たとも言えます。

そして「今」です。

インターネットによって世界中の情報が国境を越えて手に入るようになりました。

そして、その情報は刻々と変化しています。

教科書などの紙の媒体では、その「量」と、その「スピード」に対応しきれません。

いつまでも「紙媒体」に頼っていると、学校教育は崩壊するかも知れません。

教科書の内容を頭で覚えるとか、

ペーパーテストで学力を測るなどということ、

それが「勉強」だという考え方は、

もはや「幻想」なのかも知れません。

念のために書きますが、

これは「勉強なんかしなくていい!」ということではありません。

むしろ、逆です。

学校の勉強だけでは、少な過ぎるし、遅過ぎます。

学校にいる時だけの勉強では「量」も「スピード」も話にならないのです。

自分に合った、あらゆることを、絶えず、検索しなければ世界に追いつけません。

社会はこうした力を必要としています。

「令和の日本型学校教育」もこうした力をすべての子に身につけさせようとしています。

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して

だから「持ち帰り」なのです。

しかし、格差が行く手を阻んでいます。

この記事に書いたように、「一人一台」にも格差があるのです。

各学校のこれからの取り組みに注目していきましょう。

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-I 理想の学校・ブラックな学校

執筆者:


  1. 小松成子(山形県) より:

    水野先生、こんにちは。配信いつも楽しみにしています。
    今回の動画NO.98「密着解説 学校の先生の新しい日常」&ブログ「あなたのお子さんは端末を家に持ち帰っていますか?」は,自分のやっていることと比較して考えさせられました。私の勤務校では,持ち帰りは行っていません。ですが、校内での格差は自分も含めて大きく開いてしまっていると感じています。ITC担当の学年、学級では朝の処連絡は、端末を使っている,休み時間は自由に使っているのですが、3年生以下はまだまだ使えていません。「ついていけるかな?」と正直不安です。・・・本日、校内研修で端末の操作を教わりました。苦手だから、、、と言っている先生に受け持たれたら子どもがかわいそうですね。 

     

    • 水野 正司 より:

      教師間の格差が1番難しいかもしれないね。でもそこが子供に与える影響が大きいんだよね。

  2. まき より:

    せっかく一人一台導入されても、教師がタブレットを使いこなせなければ、宝の持ち腐れになってしまいますね。
    教師間格差を無くすために、自分自身も学ぶ必要がありますし、教師が皆使いこなせるよう制度として整えていく必要も感じます。

    • 水野 正司 より:

      「壊れるほど使って価値のあるもの」という認識はもっともっと必要ですね。大事にし過ぎてますね。

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