講座77 わが子はどのタイプ?「子どもとの関係」診断テスト
2.「四つのタイプ」
3.解説【Aタイプ】
4.解説【Bタイプ】
5.解説【Cタイプ】
6.解説【Dタイプ】
7.「四つのタイプ」本当の意味
8.診断結果
9.まとめ
1.子どもには「四つのタイプ」がある
子どもには「四つのタイプ」があるってご存知ですか?
わが子がどのタイプかによって「子どもとの関係」がうまくできているかどうかがわかるのです。
お子さんがどのタイプに当てはまるかをチェックしてみてください!
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/001-1024x232.jpg)
2.「四つのタイプ」
【Aタイプ】
母親がいなくなっても一人で遊び、
戻って来ても遊びに熱中し続けるタイプ。
【Bタイプ】
母親がいなくなると不安がって遊ぶのやめるが、
母親がもどって来ると遊びを再開するタイプ。
【Cタイプ】
母親がいなくなるとひどく泣き叫び、
戻って来てもなかなか自分の遊びには戻ろうとしないタイプ。
【Dタイプ】
他のどのタイプにも合わない。
そっぽを向いたまま近づいて来るなど不思議な行動をとるタイプ。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
さあ、A、B、C、Dのどれに当てはまりそうですか?
「タイプ」ですから、お子さんの性格から考えてもいいでしょう。
一つを決めたら続きを読んでみてください。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
3.解説【Aタイプ】
Aタイプの子は、普段の生活の中でもお母さんに甘えることが少なく、
我慢強いというか、偉いというか、手がかからないというか、
一人で遊んでいてくれるので、忙しい時には助かるタイプのお子さんです。
でも、このタイプ別の診断テストを開発したエインズワースは、
こうしたタイプの子でも、お母さんがいなくなった時には心拍数が上昇する
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/rusuban_girl.png)
ということを突き止めました。
つまり、本当は不安なのです。
お母さんがいなくなって、ドキッとして心細くなっているのですが、それでも我慢して遊んでいるのです。
淋しいことをおくびにも出さず、無関心なふりをするタイプと分析されています。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
4.解説【Bタイプ】
Bタイプの子は、普段の生活の中で感情を素直に表し、泣いたり、甘えたりします。
でも、少しすれば落ち着いて、一人で遊ぶこともできます。
エインズワースはアフリカのウガンダに行った時に、このタイプの子どもたちを多く見たと報告しています。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/jungle_jim_kids.png)
ウガンダの子どもたちは危険が迫ると母親のもとへ逃げ込み、危険が去ると、再び母親から離れて自分たちの活動をする
という報告です。
お猿さんみたいですね。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
5.解説【Cタイプ】
Cタイプの子は、普段の生活の中でも不安定で感情的です。
お母さんがいなくなると、いなくなったことに腹を立てたり、叩いたり、
せっかく戻って来たのに抱っこをしようとしても拒否したりします。
また、抱き上げようとすると泣き、下そうとすると怒ってしがみつくとか、
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/20190624101604.png)
お母さんを探して泣き出すくせに、自分からは近寄ろうとしないとか、
お母さんから近づいてあげても、抵抗を示すとか…。
「いったいどっちなんだ!?」
というタイプのお子さんです。
心理学用語では「アンビバレンス」といいます。
「好きと嫌い」が両方存在するというような意味です。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
6.解説【Dタイプ】
Dタイプの子は不思議な行動を取ります。
例えば、お母さんに顔をそむけて接近するとか、
近づて来るけど抱っこは求めないとか、
静かにしていたかと思うと突然泣き出したりとか、
突然、凍りつくように固まったりとかします。
大切なのは次のことです。
これらの行動は「一瞬」しか現れないことが多い。
一瞬なので見落とされることも多く、親が気づかないケースは少なくありません。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/spnegu.jpg)
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
7.「四つのタイプ」本当の意味
ご存知の方もいると思いますが、この「四つのタイプ」は、実は「子どものタイプ」を診断するものではなくて、母親の「子育てのタイプ」を診断するためのテストです。
ストレジ・シチュエーション法(SSP法)と言います。
そして、このテストで対象になるのは「満1歳」の子どもです。
「四つのタイプ」に出て来た子は、本当は「満1歳児」なのです。
でも、大切なのは次の点です。
母親の「子育てのタイプ」を知るためのテストであるということ
0歳~満1歳までの子育ての仕方(子どもへの接し方)というのは、
その後もほぼ変わらずに続けられている可能性が高いはずです。
したがって、「自分の子育てのタイプ」を知るためには役立つはずです。
さあ、ここからが本番です。
あなたの「子育てのタイプ」に名前を付けて行きますよ。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
8.診断結果
【Aタイプ】
母親がいなくなっても一人で遊び、
戻って来ても遊びに熱中し続けるタイプ。
こういうタイプの「子」は回避型と呼ばれます。
子どもが回避型になる「育て方」には、次の2種類があります。
A① 拒否・無関心タイプ
A② 過保護・過干渉タイプ
A①は、子どもが泣いて悲しんでいても、母親は、拒否したり、見ないふりをしたり、自分の殻に閉じこもったりするタイプの子育てです。
子どもの側は、求めても応えてもらえない経験を何度もしているので、あきらめてしまうのです。
この「あきらめ」は「我慢」と紙一重です。
「泣かないから扱いやすい子どもだ」と思うことは、
実は、「拒否や無関心の結果」というケースもあるわけです。
A②は、子どものニーズに関係なく、親が決めたり、親が指図したりするタイプの子育てです。
このタイプも、子どもがあきらめてしまいます。
この「あきらめ」は「親の言うこと聞く」の結果です。
成長してからの「主体性」「自立性」に大きく関わってきます。
【Bタイプ】
母親がいなくなると不安がって遊ぶのやめるが、
母親がもどって来ると遊びを再開するタイプ。
こういうタイプの「子」は安定型と呼ばれます。
子どもが安定型になる「育て方」は一つです。
B 安全基地タイプ
子どもが泣き出すと、すぐに抱っこして優しくなぐさめるけれど、子どもが求める以上に抱き続けることはせず、子どものニーズに合わせて対応を臨機応変に変えることができる、そういう育て方です。
ポイントを細かく分類するとこうなります。
①子どもの欲求や状態変化に敏感
②過剰あるいは無理な働きかけは少ない
③遊びや身体的接触を楽しむ
日本の子育てはこの「安全基地タイプ」が多いと言われています。
【Cタイプ】
母親がいなくなるとひどく泣き叫び、
戻って来てもなかなか自分の遊びには戻ろうとしないタイプ。
こういうタイプの「子」は抵抗型と呼ばれます。
子どもが抵抗型になる「育て方」には共通していることがあります。
C 鈍感・気まぐれ・一貫性なし
子どもの求めに過剰なまでに応じたかと思えば、他のことに気を取られてまったく応じなかったりする。
あるいは、子どもに応じようとはするものの、子どもが期待しているニーズに応えられずに的外れな対応をしてしまう。
共通しているのは「安定しない」ということです。
気をつけなければならないのは次の場合です。
①親が発達障害を抱えている場合
②きょうだいができた場合
①の場合は、自分の特性と照らし合わせて、一貫性を心がけることです。
一貫性を保つポイントは「子どもの反応を見る」です。
子どもの反応を見て自分の対応をフィードバック(軌道修正)させれば大丈夫です。
②の場合もポイントは「一貫性」です。
それまで優しく敏感に対応していたのに急変されると上の子は不安定になります。
初期の赤ちゃんは「不快」で泣きます。上の子は「気持ち」で揺れ動きます。
対応の基本は「上の子への言葉がけ」です。
【Dタイプ】
他のどのタイプにも合わない。
そっぽを向いたまま近づいて来るなど不思議な行動をとるタイプ。
こういうタイプの「子」は無秩序型と呼ばれます。
子どもが無秩序型になる「育て方」には二つのケースがあります。
①母親に抑うつ傾向が見られる場合
②虐待が見られる場合
この二つのケースは、愛着形成(絆づくり)が出来ていないということです。
第三者の助けが必要です。
第三者から見た時に、一瞬現れる子どもの不可解な行動がそのシグナルになる場合があります。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/6874c97317f44aa8712f2c0c77d4d218-1.jpg)
9.まとめ
「四つの子どものタイプ」=「四つの育て方」について紹介しました。
念のために言いますが、「母親のタイプ」ではなく「育て方のタイプ」です。
「育て方」、つまり、「やり方」「方法」です。
「方」は変えられるということを確認しておきます。
そして、子どもは母親が大好きです。
虐待を受けても、それでも、母親のことを想います。
その上で、まとめます。
望ましいのはもちろん「B」(安定型の子=安全基地タイプの育て方)です。
安定型の子は、成長したあとも「幸せ」になる確率が高いと言われています。
その幸せというのは「お金」だけではありません。
人生の受け止め方がポジティブで豊かになる
つまり、
「心」や「考え方」といった精神的な幸せを財産にできる
というのです。
その「育て方」のコツを最後にまとめておきましょう。
よくふれあい、
積極的にかかわり、
敏感に反応するけど、
自立をうながす。
日本の子育てには、これをもっと短くした言葉があります。
しっかり抱いて、下におろして、歩かせる。
![](https://win3.work/wp-content/uploads/2021/02/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-5-1024x450.jpg)
これを「子育ての順序」と言います。
そして、最後に、母親以外の方に書きます。
母親が安定するためには、「母親自身が愛されている」という環境がベストです。
その意味で、子育ては「ひとり」ではありません。
子育てをしている人への理解や協力や愛情が必要です。
周囲の皆様は、このことを理解してあげてください。
1件の返信
[…] これについては、講座77「わが子はどのタイプ?・子どもとの関係診断テスト」で解説しています。 […]