講座447 「子どもが欲しくない20代」が増える!

出典はBIGLOBEが実施した「子育てに関するZ世代の意識調査」です。

こちらの方の調査結果をもとに解説していきます。

 目 次
1.子どもがほしくないZ世代
2.現代の親の養育能力は40以下?
3.学校と母親に頼り過ぎ!
4.子育て世帯が働きやすい仕組みとは

1.子どもがほしくないZ世代

「将来、子どもがほしくない」Z世代の約5割

びっくりしたのは「結婚もしたくないし子どももほしくない」が36.1%という結果です。

日本では、戦後に「個人主義」が流行し、令和の時代は「多様性」が流行しています。

ですから自由なんですけど、その理由が気になります。

理由は2つです。

「お金の問題」と「お金以外の問題」です。

「お金」についてはわかります。

Z世代の人たちはデフレの中で育って来たので「お金」に敏感なのでしょう。

ここではその理由は置いておきます。

焦点を「お金以外の問題」に当てましょう。

こっちが42.1%あるわけです。

ほら、来ました。

トップは「育てる自信がないから」です。

私の主張と重なります。

《子育ての仕方は学校で習わない》という問題です。

2.現代の親の養育能力は40以下?

これは昭和初期の「親の養育能力」を100とした時のグラフです。

戦後はアメリカの占領政策によって家族制度が解体し、核家族化がすすめられました。

三世代同居が激減したことによって《子育ての様子》を身近に見る機会が減りました。

このことによって「親の養育能力」は80に低下しました。

その後、平成の時代に入って「核家族」で育った子どもたちが親になりました。

これが「核家族二巡目」です。

核家族(養育能力80)で育った子どもたちが親になったわけですから二巡目は60と推定されています。

そして、現在の日本の家庭は「核家族三巡目」です。

60で育った子が親になっているので養育能力は推定40です。

ここに「スマホの影響」が加わります。

ですから常葉大学の柴田俊一教授は40以下に下がっているのではないかと懸念しています。

このような時代の歴史があるわけですから、「育てる自信がないから」は当然でしょう。

では、誰が彼らに自信をつけさせるのか。

家庭に任せるだけでは現状は変わりません。

環境は更に厳しくなっています。

であれば、国がその仕組みを作らなければいけません。

ですから私は《すべての高校で子育ての仕方を教えること》を提案しています。

そうすれば、ほとんどの国民が高校に入学しているわけですから、ほとんどの人が《最低限の子育ての仕方》を習うわけです。

すべての人が結婚して子どもを産むという現実はあり得ません。

結婚しない人も、子どもをもうけない人も、子育ての仕方を知っていて損はありません。

知っている人が周囲に増えることで社会的な理解が進みます。

これこそ支援です。

現に、私が高校生に授業をするとこんな感想も出る。

私は子どもを産むつもりはないけど、すべての人が知っておくべきだ。

つまり、多様性と子育ての仕方を知ることは別なのです。

3.学校と母親に頼り過ぎ!

私は子育て中のお母さん方にこの記事の感想を聞いてみました。

【感想A】
なんだか、うまく言葉で言えないのですが、
子どものすべてを親が把握し、管理しなければならない
そんな呪縛って、シンドいなぁと思います。

今でもありますね。

というか、現実そうなっていますね。

《子育ては母親の自己責任》みたいな風潮です。

この風潮を消すには、言葉や考え方を変えるだけでは無理です。

社会の仕組みを変えなければ駄目なのです。

社会全体で子どもを預かる仕組みです。

今は《学校》と《母親》に偏り過ぎています。

学校は一日8時間(中学校は10時間)も子どもを預かっています。

ですから私はここも変えたいと思っています。

詳しくは「人材育成の全体構造図」をご覧ください。

【感想B】
仕事と育児の両立は大変で、良くも悪くも男女平等ではないなぁと思います。
私は、育休から復帰して、定時で変える時に、
「すみません。お先に失礼します。」と毎日言っていました。

これも仕組みを変えなければ駄目ですね。

詳しくは「講座306 育児休業法が改正されました!」をご覧ください。

4.子育て世帯が働きやすい仕組みとは

【感想C】
親戚が近くにいるから子育てしやすいとかあまり関係ないと思います。
逆に目が気になってしづらいかもしれません。
お金を出せば託児の方が来てくれます。
そういった方を上手にお願いできるお金とメンタル、スキルが必要だと思います。

「産後ドゥーラ」のような訪問型支援が利用できる仕組みですね。

こういったサービスに自治体からの補助金が付けば支援を受けやすくなりますね。

ですからお金をバラまくだけではなく、支援事業が受けやすくなる仕組みも大切です。

もう一つは手続きの面倒さですね。

厚生労働省は「一時預かり事業」を展開していますが、手続きの仕方が面倒なのです。

たとえば、「いつでも利用できます」と書かれているのですが、よく見たらこんな具合です。

必要な書類等を添付して、実施施設へお申込みください。なお、お申し込みの際には、保健センターで受診した直
近の乳幼児健診の結果、またはお子さまの健康状態が確認できる資料をご提示ください。
(1) 一時預かり申込書、一時預かり児童家庭調査表
(2) 就労の場合・・・就労証明書
(3) 出産の場合・・・母子手帳の写し
(4) 傷病、看護等の場合・・・医師の診断書(入院、通院期間を明記したもの)
※(2)~(4)については、非定型的預かりもしくは緊急預かりで利用する場合に提出が必要です。

子育て中のお母さん方は、この段階でリタイアされる方が多いのではないでしょうか。

ですから、「初回は手続き要りません」みたいなシステムがあればだいぶ違うはずです。

行政のシステムにはまだまだ改善の余地があると思います。

【感想D】
うちの夫の会社も、男性で育休をとる人はほぼおらず、子どもが産まれても働き方は全く変わりません。家事や育児は全て私(と、あと同居している義母)です。共働き家庭が多くても、なかなか男女平等ではないなというのは感じています。

これからは絶対に女性の労働力が今より必要になります。

ですから、子育てと仕事を両立しやすい環境づくりが不可欠です。

そのためには男性の育休取得は最低限の仕組みですね。

その最低限が出来ていないことには話になりません。

これからはそれ以上に子育て世帯が働きやすい仕組みを作る必要がありますね。

【感想E】
20代から30代は、仕事を覚えてアクセルを踏んでいく時期なのに、出産をするとなると女性は最低でも産前産後休むことになる、生まれてすぐ保育園に預けたとしても夫婦で協力したとしても子どもを産む前とは同じようには仕事できない。仕事が好きな人もそうでない人も、時間的・金銭的に余裕がないと子どもを持ちたいと思えないのかもしれません。
子を持ちたいという思いより、大変そうであることが上回ってしまうのだと思います。

「両立」というのは、《ギリギリなんとかできる》ということではダメなんですよね。

「仕事を覚えてアクセル踏める」と「子育てもできる」が出来て初めて「両立」なんですよね。

社会はそこを保障しなくちゃいけない。

最後にFさんの感想。

【感想F】
幸せと感じることが変わってきているかもしれないですね。
苦労しても感じる幸せの経験がないのかもしれませんね。

Z世代の中身ですね。

彼らを育てたのは私の世代の教師です。

成功体験が少なかったのかも知れません。

あるいは、親切に教え過ぎていたのかも知れません。

親も教師も、その子らしさに合った《ちょうどいい負荷》をかけて来なかったのでしょうか。

レジリエンスは意図的・計画的に育てなけらばならないというのが今の私の実感です。

参考:新時代の子育て(レジリエンスマップ)

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    苦労して幸せを得る成功体験、レジリエンス、大事だと改めて思いました。

  1. 2024年2月28日

    […] 講座447 「子どもが欲しくない20代」が増える! […]

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