講座411 通知表よりも「算数のノート」

一学期が終わって通知表をご覧になりましたか?

二期制の学校だと最初の通知表は9月の末でしょうか。

いずれにしても学校の通知表は「励まし」です。

先生は児童の「よい所」を書こうとします(私もそうでした)。

どんなに成績が振るわなかった児童に対しても「絶対によい所を見つけて書くんだ!」と思っていました。

そうしないと家庭でほめてもらえませんからね。

「頑張って欲しい所」があったとしても、最後に少しだけ「二学期はここを頑張ろう」なんて書いていました。

そもそも頑張らなければならないのは児童ではなく先生なんですけどね。

通知表は指導の結果ですからね。

でも、通知表は子ども自身、保護者が見るものですから、できるだけ「良い風に」書きます。

そういうものですから家庭でもほめたり、励ましたりしてあげましょう。

絶対に叱ったり、暗い顔を見せたりしてはいけません。

親として何か一言アドバイスをしなければ!

なんて考えてはいけません。

「がんばったね!」とか、

「ここスゴイね!」とか、

笑顔で喜んであげてください。

そして、もし、本当の学力を知りたい時は、

こっそり算数のノートを開いてみてください。

そこに我が子の本当の学力が書かれています。

今回はそんな時の「算数のノート」チェックポイントを6つ、実物ノートをもとに解説します。

チェックポイント① ノートの冊数

4、5、6、7月と4ヵ月経っていますから、算数のノートは2~3冊使っていると思います。

2年生など一学期に筆算を習った学年では、もっと使っているかも知れません。

冊数を調べるときに、「あれ?何冊目なんだろ?」となりますよね。

そうならないようにノートに冊数を書いてくださる先生は「意識している先生」です。

もし、書かれていなかったら、お子さんに自分で書くようにアドバイスしてあげてください。

算数のノートに冊数を書く子は学力が伸びます

間違いありません。

教職経験34年の私が自信を持ってお伝えします。

こういう小さな、しかし具体的なことが大切なのです。

チェックポイント② ていねいに書かれているか

算数のノートを開いてみて、我が子が丁寧に書いているようならお祝いをしましょう。

回転寿司に連れて行って好きなものを注文させてもいいくらいにおめでたい出来事です。

ノートの字が丁寧だということは、先生が丁寧に書かせているからです。

先生が言わなくても初めから丁寧に書く子は女子を中心にクラスの2割くらいです。

残りの8割は男女問わず、先生の指導のおかげで丁寧なのです。

先生が意識して丁寧に書かせているのです。

もっと言うと、その先生は、丁寧に書くことの価値と難しさを知っているのです。

丁寧に書くことの「価値」と「難しさ」

丁寧さは人生の財産になります。

盗まれない財産です。

漢字を正しく書くことができます。

計算ミスが減ります。

すべてのテストで点数が上がります。

名前を丁寧に書くことで得することがあります。

手紙や書類(高校受験の願書や履歴書)などを読まれた時にも一目置かれます。

その後の人生にいい事がいっぱいあります(損することは何もありません)。

でも、丁寧さを身につけさせるのは簡単ではありません。

経験のある教師なら、その難しさを知っているはずです。

一年かけても身につけられないでしょう。

学校の先生方が意識して指導をし、数年かけて身につけさせるものです。

では、どんなノートが丁寧なのでしょう。

このノートを例にしてポイントを解説します。

①間を空けている
②直線は定規を使っている
③数字は大きく書く
④濃い鉛筆を使う

⑤マルはまるく書く

この5つのポイントはやろうと思えば誰でもできることです。

そこがポイントです。

誤解されている方が多いと思うのですが、丁寧さというのは特別な技能ではないのです。

実は、誰にでもできることなのです。

使う鉛筆の濃さ、使いやすいミニ定規、字は大きく書けばいい、あとは間を空けて書く。

マルつけの時はゆっくりと閉じるように円を書く。

上のノートに使われている技能はこれだけです。

再度書きますが、やろうと思えば誰でも可能です。

字が下手な子であっても、上のノートと同じような見映えになります。

上のノートは「図」「式」「筆算」「答え」の四つで構成されています。

どうですか?

四つで構成されているのが分かりますよね。

だからマルも四つ付いているわけです。

このようなノートを「一目で分かるノート」と言います。

①~⑤のポイントを守っていれば「一目で分かるノート」になります。

それが丁寧さの秘密であり価値です。

ただし、①~⑤の技能は一朝一夕には身に付かないので、指導する側に高い意識と根気強い指導が求められるというわけです。

チェックポイント③ 補助計算を使っているか

計算問題を解く時に、メインの問題の脇に書くのが補助計算です。

上のノートを例にしますと、80×75がメインの問題で、その計算を解くために補助的に使っているのが右側の二つの筆算です。

補助計算は二年生で習う筆算から始まって、その学年で習う四則計算を解くたびに活躍します。

子どもたちの中には、「そんなの使わなくたってできるや!」と言う子もいます。

「ウサギとカメ」のお話で言えばウサギさんですね。

ウサギさんは計算問題の最終目的に気づいていないのです。

計算は、どんなに早くても答えが間違っていればバツです。

計算の命は「正確さ」です。

その「正確さ」と一体になっているのが「丁寧さ」なのです。

これは大人の仕事にも通じることです。

「正確さ」が求められる場面では、一つ一つの過程で手を抜かずに丁寧に進めることが肝腎です。

上のノートも、よく見ると、「問題」「補助計算①」「補助計算②」の三つで構成されているのが分かると思います。

ですから、マルも三つ並んでいます。

問題と補助計算の間も空いていますね。

①~⑤の計算技能が使われているわけです。

チェックポイント④ 消しゴムを使わない

消しゴムを使い過ぎるとノートはグチャグチャになりがちです。

ですから消しゴムはなるべく使わせない方がいいのです。

「だったら間違ったらどうするの?」と言われそうですが、

間違った時はバツを書けばよいのです。

このノートをよく見ると鉛筆でバツが書かれています。

これは、商を立てる時の補助計算が違ったのでバツを自分で書いた「跡」です。

違った時はこうやってバツを書いて「跡」を残すことで「次」に進めます。

消しゴムを使うと「跡」も残らず、消すのに時間がかかり、ノートも汚くなります。

何もいいことはありません。

「消しゴムを使わない」というのも丁寧さの一要素となるわけです。

ただし、全く使わないというのも不便です。

「跡」を残すためには使わないのがいいのですが、ちょっとした書き間違いを直すためには使った方がいい場合もあります。

そのことは指導の中で学年に合わせて説明すればよいことです。

こうした「使い分け」も技能です。

チェックポイント⑤ ミニ定規を使う

これは一年生の算数で定規を使い方を練習させた時の写真です。

算数の授業で使う定規は10cm~15cm程度の短い定規が便利です。

こうした定規を「ミニ定規」と呼んでいます。

なぜ短い方がいいかと言いますと、机の上というのは意外と狭く、定規を回しづらいのです。

授業の中で定規を自由に使えるようになるためには道具も大切です。

そして、それは早い時期から使い慣れていた方が得なのです。

学年が上がると、こうした表や図形なども定規を使います。

ミニ定規は6年間活躍しますのでいいものを使わせてあげてください。

チェックポイント⑥ 教科書の練習問題がすべて書かれている

最後です。

一学期に習った算数の教科書の練習問題がすべてノートに書かれているかどうかをチェックします。

宿題ではダメです。

授業中にすべて書かれているかです。

計算の練習問題でしたら、①②③…というようにいくつかの練習問題があります。

また、単元の終わりには「まとめ」の問題や「復習」「発展」などの問題もあります。

そうした問題をすべてやり終えているかということです。

ごくたまにですが、そうした問題を飛ばしてしまう先生がいます。

そんな時は、夏休みを利用して、家庭学習として教科書の問題をやらせてあげてください。

教科の中でも算数の教科書は特別に重要です。

算数は「積み重ね」による学習だからです。

その学年で習った内容は、基本的にその学年で終わりです。

特に、計算技能は、その時に身につけておかなければ次の段階で苦労します。

そのことを把握しておくことは我が子のためにとても大切なことです。

7.まとめ

通知表には通知表の見方があります。

しかし、学期末にはもう一つ大切なことがあります。

それが「我が子の算数のノートを見る」ということです。

今回はそのチェックポイントを6つ紹介しました。

チェックポイント① ノートの冊数
チェックポイント② 丁寧に書かれているか
チェックポイント③ 補助計算を使っているか
チェックポイント④ 消しゴムを使わない
チェックポイント⑤ ミニ定規を使う
チェックポイント⑥ 教科書の練習問題がすべて書かれている

関係動画もありますのでよかったらご視聴ください。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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