講座276 0~3歳児が生きる将来の日本

今回は、今、0歳~3歳くらいの子どもたちの未来について解説します。

最初に断っておきますが、日本の子どもたちの未来はかなり大変です。

これを読むと、私たち大人は「いい時代に生まれて良かったな!」って思ってしまいます。

それくらい日本の未来はブラックです。

でも、だからこそ、その未来に備えて、今からやれることをやっていくべきです。

それが私たち大人の責任だと思っています。

 目 次
1.日本から「家庭」が消える?
2.日本は「豊か」であり続けるのか?
3.「2040年問題」とは?
4.復習・「生存権」って何?
5.「2040年問題」の本質
6.まとめ

1.日本から「家庭」が消える?

あなたのお子さんは将来、結婚すると思いますか?

2020年の国勢調査では生涯未婚率が「男性25.7%、女性16.4%」となりました。

生涯未婚率というのは「45歳~54歳の人の未婚率」です。

ざっくり言うと「50歳くらいで結婚していない人」ですね。

それが男性では約「4人に1人」、女性では約「6人に1人」という割合です。

これ、多いと思いますか?

そんなもんかと思いますか?

グラフで見てみましょう。

どう考えても、この先も増えそうですよね。

今から18年後の2040年には、男性の30%、女性の20%が生涯未婚率になると予測されています。

つまり、みなさんのお子さんが成人する頃には、男性の3人に1人、女性の5人の1人が生涯未婚である可能性が高いわけです。

男の子なら「3人に1人」は結婚しないわけですね。

お孫さんも生まれないことでしょう。

家庭を持たないで生涯を終えることになります。

それがいいか悪いかは別として、統計上ほぼ間違いなくそういう社会が来るわけです。

2040年には離別死別含む独身者が5割の国に日本はなる(15歳以上人口)。

家庭とか家族という環境が普通ではなくなるわけです。

その社会に住んでみないとわかりませんが、今とはかなり価値観が違っていると思います。

2.日本は「豊か」であり続けるのか?

日本のGDP(国内総生産)って世界で何番目か知っていますか?

2010年に中国に抜かれましたが、世界第3位を維持しています。

でも、この「GDP」というのは、その名の通り「国内総生産」ですから、

人口が多い国ほどGDPが大きくなります。

本当にその国が豊かかどうかは、

「1人あたりのGDP」や「GDPの成長率」を見た方が適切です。

まずは「1人あたりのGDP」を見てみましょう。

日本も中国もだいぶ低くなりますね。

次は「GDPの成長率」を見てみましょう。

MONOist 「ファクトから考える中小製造業の生きる道(2)

先進国と呼ばれる国は、どの国も成長しています(2020年のデータが反映された国ではコロナ禍の影響で成長率が下がっている)。

中国と韓国は急成長している国です。

そうした中にあって日本だけが停滞しています。

1990年あたりからずっとです。

この先に急激な成長があると思いますか?

厳しいですよね。

その理由を次に解説します。

3.「2040年問題」とは?

「2040年問題」って覚えてますか?

数年前に話題になりましたが忘れた方も多いと思います。

高齢者(=65歳以上)の人口が過去最大になるのが「2040年問題」です。

ちなみに日本は、

1970年に「高齢社会(高齢者が7%以上の国)」を迎え、

1994年に「高齢社会(14%以上)」に突入し、

2007年に「超高齢社会(21%以上)」に入っています。

2021年には29.1%です。

2025年には30%、2060年には40%を超えるだろうと予測されていますが早まりそうな勢いです。

この予測は外れることはないと思われます。

そして、このような状況から生まれるのは労働人口の減少です。

既にこの25年間(1995年~2020年)で労働人口は1000万人減少したと言われます。

この先は15年間(2025年~2040年)で更に1000万人が減少すると予測されています。

4.復習・「生存権」って何?

労働人口が減ると、働き手が少なくなります。

「これ、就職しやすくなるんじゃねえ?」と言ってる場合ではありません。

「支える側」と「支えられる側」のアンバランス

少ない労働人口で多数の高齢者を支えなければならない社会になるということです。

1960年(昭和35年)には「11.2人で高齢者1人」を支えていました(胴上げ型社会)。

2014年(平成26年)には「2.4人で1人」(騎馬戦型社会)。

今後は「1.2~1.3人で1人」を支える「肩車型社会」です。

「支える」って何?

ところで、この「支える」の中身って何なのでしょう?

給与明細から見てみましょう。

この「控除(こうじょ)」の部分が給料から引かれるお金です。

(1)保険料(社会保険料)

20歳~59歳の労働者が給料から出すお金。

①健康保険料:病気や怪我をした時のリスクを社会全体で支えるためのお金
②介護保険料:介護が必要になった時のリスクを社会全体で支えるためのお金
(40歳から引かれる)
③厚生年金:老後の生活を社会全体で支えるためのお金

この三つは正規労働者の義務です。

関係しているのは、有名な憲法第25条(生存権)です。

【日本国憲法】第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

(2)税金

給料から引かれる税金は所得税や住民税などですね。

この「保険料」と「税金」を使って「支えて」いるわけですね。

「病院」「介護」「年金」ですから、

その対象は主に高齢者と言っていいでしょう。

これが「支える」の中身です。

そして、支えるために必要なお金はどんどん増えています。

高齢者が増えているので必然です。

ですから給料から控除されるお金も上がっていくわけですが、

そこはあからさまに上げることができないので目立たないように上がっている感じです。

「国民負担率」という指標もありますが、これを見ても実感は薄いので、

年収の中でどのくらい支えているのかを見てみましょう。

日本全体の平均年収は450万円くらいですので、

年収450万円の場合で調べてみます。

そうすると、税金で年20万円くらい、社会保険料で年50万円くらいが控除されています。(Yahoo!ニュース「世帯年収別に見た消費税、所得税、社会保険料負担の実態(2019年)」

450万円のうちの70万円ですから約15%ですね。

社会の仕組みがどうなるかにもよりますが、将来はこれをもっと増やさないと支えていけない状況になっているということです。

だからといって、高所得者の負担を増やすと批判されたり、日本から出て行ってしまったりします。

その一方で、正規労働者は損だからといって非正規で働き続けると生活不安定者が増えます。

未来の若者を幸せにするにはどうすればいいのでしょうか?

5.「2040年問題」の本質

「いやいや、65歳以上でもまだ働けるじゃん!」と考える人もいます。

しかし、ここにも問題があります。

長寿=認知症が増える

2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人。

高齢者の「6人に1人」が認知症です。

そして、当然この割合は増えます。

2025年には「5人に1人」、2040年には「4人に1人」です。

MCI(軽度認知障害)も含めるともっと多くなります。

もう一度「2040年問題」のグラフを見てみましょう。

ひとくちに高齢者と言っても「65~74歳」と「75歳以上」に分かれます。

そしてこれからは「75歳以上」の人口が増えるのです。

つまり、ひとくちに「高齢者」と言っても、

その中には「認知症」の方もいれば、「75歳以上」の方もいる。

簡単に「65歳以上でもまだ働けるじゃん!」というわけにはいかないのです。

明らかに、「支える人」が減り、「支えられる人」が増えるのです。

そして、この構造の中で人口全体も減ります。

日本は今、毎年約150万人が亡くなり、出生人口は毎年約80万人です。

これは何を意味しているかというと、

「1人」の価値が高まっている。

全体の人口が減る中で、「支える人」が減り、「支えられる人」が増えるわけですから、

これまで以上に一人一人が頑張らなければ世の中を維持できないということです。

簡単に言うと、

これからの社会を生きる子どもたちは、

私たち以上に頑張らななければ、今のような世の中を維持できないということです。
(ポジティブに言うと「一人一人が期待されている」ということです)

6.まとめ

では、どうしたらよいのか?

このブログは「子育て」のブログですから、

どんな子育てをしたらよいのかということで話をまとめます。

それはズバリ、「メンタルやられない子育て」です。

冒頭で解説しましたが、これからは生涯未婚者も増えます。

一人で「支える側」であり続けるケースが増えるわけです。

未来予想図は「今より困難」です。

困難な時代ですから「困難にやられない子(大人)」に育てたいと思います。

「困難に打ち勝てる人」「困難を乗り越えられる人」と言ってもいいでしょう。

そのための子育ての仕方は既にブログの中で何度も紹介してきました。

1.乳児期は「愛着形成」を大事にする。

2.幼児期は「言葉にしてあげる」「めいっぱい遊ばせる」「様々な体験・様々な学習をさせる」。

3.児童期は「自信を育てつつ、小さな失敗を乗り越えさせる」

この順序で育った子には次の力が身につきます。

レジリエンス(困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力)

この講座は「幸せの子育てシュエアリング講座」と名付けていますが、

ここでいう「幸せ」というのは、ウェルビーイング(Well-being)のことです。

ウェルビーイングというのはWHOが定義した「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた健康」のことです。

①体の健康
②心の健康
③生き甲斐としての健康

私は、この三つが持続可能な状態を「幸せ」だと考えます。

そして、この定義こそ、近未来を生きる子どもたちにとっての幸せだと考えています。

ですから私たち大人は、この「幸せ」を積極的に取りに行かねばならないと思います。

この「幸せ」を取りに行って子どもたちに与える。

それが「幸せの子育て」だと考えています。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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7件のフィードバック

  1. まき より:

    大変な未来が待っていますね。
    私の周りでも未婚は多いです。
    子育ての大変さの方が際立っているからなのか、自分ひとりの時間を優先できる時代になっているからなのか…。

    将来、子ども達が幸せをつかむために、子育ての在り方はとても重要だということが分かりました。
    5歳と1歳の子に様々な体験をさせてあげるよう心がけています。
    畑仕事、料理、読書、様々なイベント参加など、親も一緒に楽しんでいます。
    親が幸せな時間を子どもと一緒に作ることが大切かなと思います。

  2. タミー より:

    児童期に自分で決めて失敗するお話。
    とても印象に残っています。
    愛着形成が根底にあるように思います。

    • 水野 正司 より:

      「さかなクン」のお母さんは自分で決めさせてたくさん失敗をさせたの知ってますか?

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