講座275 産後の迷信・本当の意味
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産後には水仕事をさせるな!
産後に水仕事をさせると目が悪くなる!
これって迷信だって知ってました?
私は信じて妻の代わりにお皿を洗っていました!
今回はこうした「迷信」の本当の意味に迫ってみたいと思います。
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1.迷信は脅し
「水仕事をさせると産後の肥立ちが悪く」というのは迷信だそうです。(「Mama’s Life」産後の肥立ち(ひだち)とは?症状や期間、気を付けることを解説【助産師監修】)
科学的根拠がないってことですね。
でも、問題なのは「どうしてそんな迷信が生まれたのか」ということです。
そこにはちゃんとした意味があるのです。
それは「脅す(おどす)ため」です。
「おへそを出していたら雷様に取られるよ」というのと同じです。
雷って大気の状態が不安定な時に発生しますよね。
冷たい空気が必要です。
雨が降って急に寒くなったりします。
そんな時に薄着でお腹を出していたら子どもがお腹をこわす、風邪をひく。
それを防ぐための迷信なんじゃないかなというのが私の推測です。
迷信って科学的根拠うんぬんというよりも「先人の知恵」という意味が強いと思うのです。
「先人の知恵」って意味があると思うのです。
それまでの経験の蓄積ですからね。
経験法則と言ってもいいかも知れません。
「水仕事をさせると産後の肥立ちが悪く」というのも同じです。
昔の家事は冷たい水を使うのが当たり前ですよね。
今みたいに蛇口から温水が出るはずありません。
産後の家事は体を冷やす。
ダメな理由はこれですね。
「冷え」です。
それを手っ取り早く伝えるために迷信が使われたのだと思います。
でも、迷信の価値はそれだけではないようなのです。
その時代の社会的な背景が大きく関係していたので、
「迷信」自体に価値があったというのです。
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2.迷信でなければならなかった理由
「床上げ(とこあげ)」という言葉を知ってますか?
産後の安静を解除する時期を昔の人は「床上げ」と呼んでいました。
今で言う「産褥期(さんじょくき)」です。
出産してからの一か月前後の期間です。
この「床上げ」には深い意味があるのです。
・その間は布団を敷きっぱなしにしていてよい。
・産婦はできるだけ横になって身体を休めていてよい。
・家事を休み、上膳据膳で産室にこもっていてよい。
布団を1ヵ月間、敷きっぱなしにして、
それが解除される時期を「床上げ」と呼んだわけです。
問題はその時代背景です。
昔の家制度って男が偉かったじゃないですか。
武士の家だったらなおさらですよね。
でも、出産後に亡くなる女性もたくさんいました。
産後の女性は大切にしなければならないことは経験上わかっていたのです。
そこで、どうしたか。
産後の身体は「不浄」。
けがれが取れるまでの約1カ月間は産室から出ることを禁じるべき。
そういう迷信が生まれたわけです。
これだと堂々と休ませることができますよね。
迷信ってこういう風に使っていたのですね。
マイナビニュースから抜粋します。
昔の人は経験上、産婦には十分な養生が必要という認識があったものの、「表立って嫁を休ませるわけにはいかないから」ということで、けがれという理由をつけて産室に引きこもらせ、養生を促したのではないかと推測されます。それが近代になるにつれ、裏にある産後ケアへの配慮を省き、「けがれなんてないから大丈夫」という認識に変わったように思われます。(マイナビニュース「24時間助産師がサポート! 産後ケア施設で4泊5日過ごして体感できたこと」)
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3.現代の「産後ケア」はどうあるべきか
こうした昔の人の知恵って現代においても必要なように思います。
学校教育では「恋愛」や「結婚」や「性」や「子育ての仕方」を教えてもらえません。
家庭教育と社会教育にもそういう仕組みはないですよね。
昔はあったんです。
「娘組」とか「若者組」という組織があって、先輩から後輩に教えられていたのです。
今はそういう「生きるためのスキル」「世間を渡るためのスキル」が教えられずに大人になります。
SNSやYouTubeで情報を得るしかありませんよね。
ですから新しい形の「産後ケア」を創り出す必要があると思っています。
①病院や助産院以外の施設で
②リラクゼーションをメインとして
③1泊6000円以内で休める空間
そういう産後ケア施設があったらいいなと思い描いています。
なるほどです。たしか、月経の時に籠もる小屋があったとも聞いた事があります。男尊女卑だと揶揄するような内容でしたが、産後や月経中は体がしんどいから休みなさい、ということなんですね。女性は穢れているなんて差別的とも取れますが、休む理由だったとは、、、本当は女性を大切にしていたのだと感じました。
そうなんですよね。
なんでも一面的にとらえちゃいけないなと思いました。
昔の人の知恵ですね。
現代はテクノロジーが発達しているので、もっと工夫しなきゃいけないなと思っています。