0~1歳半(乳児期) 産後ケア 父親学

講座274 産後ケアが遅れている日本!

投稿日:2022年6月2日 更新日:

日本一の産後ケアホテルと言えば神奈川県の葉山にある「マームガーデン葉山」だと思います。

今回はその事業責任者をしている斉藤睦美さんのブログをもとに、

今、この社会が必要としている産後ケアシステムについて考えます。

ブルーになっているみなさん!

あなたは何も悪くありません!

世の中の仕組みがまだ整っていないせいなのです!

 目 次
1.空白の3ヵ月
2.先進国との格差
3.日本の現状
4.産み育てることに対する不安

1.空白の3ヵ月

保育園は最短で生後3カ月から通えますが、出産してから保育園に預けるまで、育児のことを誰にも相談できなかったというママの声が、本当に多かったのです。(斉藤睦美)

働いているから?働きたいから?

育児をしたくない?

そんなことは関係ありません。

システムと事実の話です。

3カ月間「育児のことを誰にも相談できなかった」という状況を想像できますか?

最初の1ヵ月間はほとんどの母親が寝不足です。

夜中に何度も(1時間おき2時間おきに)授乳。かといって日中に眠れるわけでもありません。

まとまった睡眠がとれません。

加えて、ホルモンバランスが崩れる産褥期(さんじょくき)が6~6週間続きます。

昨日、産後ケア事業をされている助産師さんとお話をしたのですが、

その方にも「マタニティーブルー」があったと言います。

私:「えっ!助産師さんでもブルーになるんですか?」

Mさん:「そりゃなりますよ!体の変化ですから!」

育児のことを勉強してきた私でさえ、気づくことができませんでした。

ブルーになるのは誰のせいでもないのです。

コミュニケーションがあって初めて知ったことです。

私がたまたま知らなかっただけかも知れませんが、

育児に関する「そういうコト」って他にもたくさんあると思うのです。

3カ月間「育児のことを誰にも相談できなかった」

この国にはそういうお母さんがたくさんいるような気がするのです。

2.先進国との格差

「産後ケア」に興味が湧いた私は、早速産後ケア体制が進んでいる韓国と台湾へ視察に向かいました。
現地で見たのは、産後間もないママたちの笑顔。施設は、食事に力を入れていたり、夫が一緒に泊まれたりと、それぞれ特徴があり、選択肢が豊富。産院の退院後は、5割以上のママが自分に合った施設で2週間~1カ月ほど過ごしていました。「日本にもこんな施設がもっとたくさんあれば良いのに」そう思わずにはいられませんでした。
(斉藤睦美)

退院後の「5割以上」の母親が「2週間~1ヵ月」過ごしている!

「日本にもこんな施設がもっとたくさんあれば良いのに」

そりゃ思います!

後から知りましたが、女優の小雪さんは韓国に行って産後ケアを受けたそうです。

日本に無いからなんでしょうね。

こんな声もあります。

里帰り出産も本来は、産後に産婦の身体を家事などの負担から守り、休ませる手段として、実家で産んで世話をしてもらうというものなのですが、なかなかそれができないのが現状です。最近の祖父母世代はまだ現役としてフルタイムで働いていて、産後の娘の面倒まで見られないという声も聞きます。マイナイビニュース

・旦那は仕事で帰りが遅い

・実家に行っても両親は働いている

・保育園は3ヵ月先

・行政の産後ケアは手続きが面倒だし、レッテルを貼られる

3カ月間「育児のことを誰にも相談できなかった」

そりゃ、そうなりますよ。

でも、普通の人は韓国や台湾には行けません。

3.日本の現状

ここまでのことを斉藤睦美さんは次のようにまとめてくださっています。

日本では、まだ産後ケアの認知度が低く、施設自体も足りていないのが実情です。行政が行っている出産後の親へのサポートは、DVシェルターや産後うつのケアなど、緊急避難的なものに限られています。産後は保健師が訪問してくれますが、基本的には退院した日から自分だけの育児が始まります。自ら赤ちゃんを連れて0歳児教室に行ったり、誰かにアドバイスを求めない限り、育児の不安を解消する手立てがありません。(斉藤睦美)

そうなんですよね。

自分から求めなくてはならないのです。

でも、それって出来ますか?

1時間おきに抱っこや授乳やオムツの取り換えなどをして、

眠っている隙に食事の用意や洗濯をしなければならない日常において、

「自分から求める行動」を起こせますか?

そんな余裕がありますか?

ないですよね。

それなのに社会はこう言います。

仕組みはあります。求めないのは自己責任です。

これが日本の現状です。

4.産み育てることに対する不安

日本の義務教育では「子育ての仕方」を学校で習いません。

高校の授業でも扱いません。

家庭科の教科書に「保育」として、幼児の特徴や幼稚園児との交流があるくらいです。

その設定はあくまでも「他人の子」や「人間一般」です。

自分の子を育てる時のノウハウではありません。

日本では、ある日突然、「子ども」が「親」になるのです。

「でも、病院とかで赤ちゃんの育て方を教えてもらえるんじゃないの?」

この疑問に斉藤さんは次のように書かれています。

通常分娩の場合、多くの病院では出産後4日で退院になります。(中略)病院では沐浴や授乳の仕方を一度教わるだけで、退院後は全て自分で行わなくてはいけません。「母乳が足りているのか」「うんちは正常なのか」「どうして泣いているのか」分からないことが次から次に出てきたと姉から聞くと、「やっぱり大変なんだな」と、ネガティブに感じてしまいました。(斉藤睦美)

そりゃそうですよね。

病院は病気の人を治療する施設ですから「産後ケア」とは性質が異なります。

子育てに関することすべてを病院に任せることはできません。

別な仕組みが必要です。

そこで斉藤さんは自ら立ち上がりました。

本来、子どもが生まれることはとても素晴らしいこと。でも現状は、産後のママを支えるサポート体制が足りていません。韓国や台湾のように、自分に合ったサービスを選べるほど、産後ケア施設が充実していれば、生むことにもっと安心感を与えられるはず。そんな思いから、私は日本初の母子滞在リゾート型施設「マームガーデン」を立ち上げることにしたのです。(斉藤睦美)

私はもう共感しかありません。

私も自分の地域で斉藤さんのような活動をしてみたい!

そう思ってしまいました。

出典:「産後ケアホテル」の力で育児をもっとポジティブに(斉藤睦美)


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-0~1歳半(乳児期), 産後ケア, 父親学

執筆者:


  1. 畠山文 より:

    少し話がそれるかもしれませんが、妊娠中から産後まで、支援があれば、中絶や虐待も減るのかなと思いました。

    妊娠、出産はコントロールできる場合もあるかもしれませんが、そうではないことも多く、望まない場合も、赤ちゃんとお母さんを支える仕組みがあったらなと思います。

    • 水野 正司 より:

      まったくその通りです!
      誤解を恐れずに書きますと、虐待だって、虐待してしまった人だけの責任ではないと思います。
      社会の仕組みが時代に追いついてない!

  2. つむちゃんのお母さん より:

    出産後1ヶ月は、国が面倒を見る!くらいどどーーーんと政策だして欲しいくらいです!
    各市ごとにそういう施設があって、産んだらそこにいく!
    そこでは子育ての勉強もできる!

    最高でしょうねぇ。
    夢のまた夢ですが……

  3. ゆきちゃんママ より:

    いつも楽しみに読ませていただいています。
    最近の記事を見ていて、お世話になった産婦人科に、貴メルマガの紹介のビラを置かせていただきたいと思いました。(ありますか?)

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