講座184 学校の先生って「免許」あるの?

あります!

でも「ペーパードライバー」の免許です。

今日はこのことについて解説します。

 目 次
1.教員にも免許更新がある(あった)
2.私が転職して実感したこと
3.先生方に教える先生がいない問題
4.私の提案
5.まとめ

1.教員にも免許更新がある(あった)

車の免許って、5年おきに更新するじゃないですか。

あれと同じように、教員免許は10年おきに更新していました。

でも、それが廃止されることになりました。

「教員免許更新制、23年度にも廃止 指導力の向上なお課題」(日本経済新聞 2021年8月23日 )

私も更新したことがありますが、制度が活かされているとは感じることが出来ませんでした。

理由は2つです。

(1)現役の先生方は忙し過ぎるから

(2)先生方に「教える先生」がいないから

まずは(1)から解説していきます。

2.私が転職して実感したこと

私は今、教員を辞めて、非正規でプールの監視員をしています。

働き方が学校とはまったく違う!

世の中では常識なのでしょうが、私は30年以上学校だけで働いていたので、

「働く」ということに対する感覚が麻痺していたことに気づきました。

当たり前ですが、今の職場では定時で退勤します。

ごくまれに30分くらいの残業がありますが、その場合は給与に加算されます。

私は、この当たり前を、今はじめて体験しています。

学校での定時退勤は「特別」なんです。

職場の中で定時退勤するには勇気が必要です。

だって多くの皆さんが残っていますから。

中学校なら尚更です。部活がありますから生徒が残っています。

それなにに定時で帰宅するなんて非情じゃないですか。

相当な勇気が要りますね。

この「勇気が必要」という点だけを見てもおかしいですよね。

今の職場では定時退勤が「当たり前」なんです。

だって「時給」で働いていますから。

タイムカードもありますしね。

しかし、学校にはこの「時給感覚」がありません。

あるのは「ボランティア感覚」「正義感」「責任観」「教育公務員としての自覚」などです。

しかし、そのような「意識」をテーマに取り上げるとキリがないのでやめます。

そういう意識を取り払って考えてます。

それでも「定時退勤」は無理です。

定時で帰ってしまうと「明日の授業の準備」ができなくなるからです。

大雑把な話、教員が「明日の授業の準備」を始められるのは16時とか17時くらいからです。

退勤間際か、退勤時間が過ぎてから「明日の準備」が始まるのです。

中学校なら確実に退勤後です。

だって、部活が終わるのが18時半とかですから、職員室に戻ったら19時ですよ。

晩ご飯、いつ食べるんですか?って話です。

これが常態ですから、子どもたちには申し訳ないのですが、授業の準備にはあまり力を入れられません。

教師だって人間です。お腹がすきます。

食べたら眠たくなりすしね。職場でのコミュニケーションだって必要ですしね。

日経の記事は「指導力の向上なお課題」と書いていますが、課題はそれ以前にあるのです。

それは、

学校の先生は「日常が多忙」だ

ということです。

そこへ持ってきて「研修があります」と言われても、積極的には受け入れられません。

なぜなら、やりたい仕事を残して、学校の外へ出かけなければならないからです。

3.先生方に教える先生がいない問題

免許更新制度が活かされていないと感じた理由の2つめ、

先生方に「教える先生」がいない

とはどういうことか。

先生相手に研修をするのですから、教える人は先生以上の専門家じゃなきゃダメですよね。

そうなると、先生に教える人は限られます。

①大学の先生

②異業種の人

そんなところです。

でも、大学の先生の多くは小中学生に授業をしたことがありません。

ですから、授業とは別の、自分の専門的な分野の話をします。

先生方の日常に直接関係する話ではない場合がほとんどです。

②もそうですね。異業種ですから。

つまり、①や②の研修では、

「教える」ということはシロウトである人物が、

「教える」を本務としている先生方に研修をしているわけです。

ざっくり言うと、

あまり役に立たない研修

ということですね。

そりゃあ、廃止になりますよね。

課題が残るのもわかります。

4.私の提案

では、そうしたら先生方の指導力は向上するのか?

私の意見はシンプルです。

(1)学校は午前中で終わる(給食を食べたら下校

(2)教員養成大学を6年制にする

平日の午後から授業の準備ができるようにすることです。

昼食が終わった13時くらいから退勤までの間に3時間くらいは欲しいですね。

そのくらい減らさないと、定時退勤はできないでしょう。

もう一つは、教員養成大学の6年制です。

医学部のようにするわけです。

人の命を預かるお医者さんが6年制なら、

子どもの人生を預かる教師も6年制であって欲しいと考えます。

医師って、大学5年とか6年の時に現場で実習をするじゃないですか。

その時に、内科や外科から精神科、婦人科まで、すべての診療科目で一通り実習しますよね。

同様に教師も、教員になる前に小学校や中学校や幼稚園、高校、特別支援学校などで、

一通り実習してから自分の働き先を決めるべきだと思います。

中には「自分は教師に向かないな」という選択をする学生もいるでしょう。

そうすれば適材適所化が進み、自殺する人も減ると思います。

現状、今の免許制度はペーパーテストです。

高校入試や大学入試と同じように知識の評価が中心です。

指導力を向上させるには、大学の後半で現場を経験する仕組みが必要だと考えます。

5.まとめ

このブログの読者の多くは保護者の方ですので、

お子さんが学校と関わる時は、

「学校の先生ってこんなに大変なんだ」

と思っていただければ幸いです。

大学の先生で「授業のつくり方」を知っている方は数える程しかいないと思います。

ですから私はYouTubeでこんなことも配信しています。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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