理想の学校・ブラックな学校

講座155 コロナ禍に必要な学校の配慮

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現在、新型コロナウイルスによって「学級閉鎖」や「出席停止」が増加しています。

医療危機に次いで、教育危機も始まったという声さえあります。

他人事ではありません。

教育に携わって来た者として発信しておきたいことがありました。

それでYouTube動画をアップしました。

今日はその時の動画を一目でわかるように短く解説します。

 目 次
1.学力低位の子をどう救うか?
2.「紙爆弾」に頼らない学びの保障は?
3.勉強が苦手な子への自己肯定感のフォローをどうするか?
4.家庭内感染があった子への配慮はどうあるべきか?

1.学力低位の子をどう救うか?

何が問題かと言いますと、

授業のスピードが早くなっている

ということです。

学級閉鎖や出席停止が出始めて、先生方は授業の「進度」を気にしています。

だって、これからまたいつ「休み」になったり「休む子」が出るか心配ですから。

このような背景があるので、授業の進め方がスピードアップする現象が見られます。

こうなると「勉強が苦手な子」はつない目に遭います。

ただでさえ理解するのに苦しんでいるわけですから、進め方が早くなるとついて行けなくなる可能性があります。

そういうお子さんが全国的に増えているのではないかと心配なわけです。

そこで、ベテラン教師として私たちは次のことを提言しました。

宿題に頼らず、授業時間の中で「練習時間」を確保する。

この「練習時間」というのが大事です。

漢字なら漢字、音読なら音読、計算なら計算の練習時間です。

それを授業中に保障するということです。

たとえば算数ですと、例題→類題→練習問題と進みます。

早く進めたいからといって次のようなことをする先生はいませんか?

説明や話し合いが大事だからといって、練習問題は「おうちで」と進める。

これをやると勉強が苦手な子は落ちます。

勉強が苦手な子は、家で一人で勉強するのが苦手なんです。

みんなが勉強している環境が必要なのです。

学校の授業時間は貴重な時間です。

家では再現できません。

そして、大事なのは「話を聞いている時間」ではなく、

自分で解いている時間なのです。

勉強が苦手な子にとっては、説明を聞くのもつらいものなのです。

先生ならわかりますよね。

ですから、コロナ禍で重要なことはこのことなんです。

宿題に頼らず、授業時間の中で「練習時間」を確保する。

2.「紙爆弾」に頼らない学びの保障は?

コロナによる一斉休校の時に大量の宿題が出されるという現象が各地で起こりました。

「紙爆弾」とも言われています。

もうわかりますよね。

勉強が苦手な子は宿題が苦手なのです。

ここをどうするかです。

動画の中で福井の吉田高志先生は「アプリの活用」を提言されました。

一人一台の時代になってタブレットを持ち帰るようになった地域が増えています。

そのタブレットを宿題に活用するわけです。

「アプリ宿題」の何がいいかと言いますと、

反応がすぐに返ってくる

これが大事なんです。

勉強が苦手な子に対して、よく「集中力がない」と言いますが、

それは違います。

集中力がないのではなくて、空白が耐えられないのです。

早く結果を知りたい、反応が欲しいのです。

だから、アプリは適しているのです。

では、タブレットやアプリ以外にどうするか?

この場合も原理は同じです。

反応がすぐに返ってくるようにしてあげればよいのです。

答えを見てもいい

答え付きの宿題を出し、「見てもいい」ということを確実に伝えることです。

「わからなかったら答えを見る」というのは大事な学習方法です。

独学の基本です。

答えを見たら、それをノートなどに写しますよね。

その「写す」というのが学習方法の基本なのです。

ウンウン唸って考える時間は無駄です。

それよりも手を動かす。

そういう宿題なら大丈夫です。

マル付けも自分でするわけですから保護者も先生も楽です。

これからの時代の宿題のあり方をまとめます。

①子どもや保護者が家庭で過ごす時間を奪わないこと
②教師の時間外労働も無くすこと
③学校でやるべきことを宿題にしないこと
④苦手な子を中心に配慮すること

タブレットであろうと紙であろうとこれは同じです。

3.勉強が苦手な子への自己肯定感のフォローをどうするか?

ここでは、動画の中で話せなかった私の主張を書かせていただきます。

図工・音楽・体育・家庭科・書写などの教科で成功体験を味わわせる。

コロナ禍によって様々な体験が狭められています。

学校にいる時間が貴重なものになっています。

その中で何を大切にするべきかと言いますと、

一つは「読み・書き・計算」などの学力の基礎を保障することでしょう。

もう一つは「体験」ですね。

技芸教科とも言いますが、図工や音楽や体育や家庭科や書写です。

こうした授業は嫌々受けるのではなく、

民間の体験教室のようなイメージで、楽しい時間にすべきだと思います。

体験の中でも成功体験があるといいですね。

みなさん、習字は得意ですか?

小学校時代、どうでしたか?

苦手な人もいたと思いますが、失敗したり、下手だったりすると嫌いになりますよね。

でも、うまく書けたら嬉しいじゃないですか。

上手な指導者は苦手な子にも満足させる技を持っています。

「自分でやれ!」とか「頑張って書け!」とか放置するのではなく、

苦手な子をも満足させる指導

が求められる時代になっていると思うのです。

これはある先生の指導の結果です。

普通はヘタクソな字が貼られているものですが、それがありませんよね。

この掲示を見てどう思われますか?

【A】全員同じで気持ち悪い
【B】どうやって書かせたんだろう

どちらの気持ちが強いですか?

私は【B】です。

だって全員にうまく書かせたいですからね。

下手な字を貼り出される子の気持ちを考えると【B】になりますよね。

「下手でもいいんだ!」「個性があってよろしい!」なんていうのは指導者が口にする言葉ではありません。

必要なのは成功体験です。

4.家庭内感染があった子への配慮はどうあるべきか?

長くなりました。

これは動画でということで終わりにします。

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