12~18歳(思春期) 父親学

講座135 思春期「5つの特徴」

投稿日:2021年7月31日 更新日:

「思春期」っていつから?

専門的には4段階あるらしいんですけど、要するに「体の変化」が起き始める時期ですね。

学年で言えば、小学校高学年~高校生くらいと覚えておけばいいでしょう。

高校卒業後は思春期って感じがしませんが、専門的にはそれも思春期に入るそうです。

前頭前野の完成が20代後半なので、それまでは「心より体が先行している」という点で思春期です。

心より体が先行する時期

この考え方で言えば、20代後半からが「大人」ってことですね。

そして、この思春期には5つの特徴があります。

今回はこの5つについて解説していきます。

 目 次
1.価値観が変わる
2.アンバランスになる
3.挫折を経験する
4.素直になれない
5.「心の港」を必要とする
6.まとめ

2.価値観が変わる

➀親や家族が大切でべったりしていたのが、友だち優先に変わる

②友だちと言えば同性同士が多かったのに、異性に興味を持ち始める

③今までとは違う価値観を持ち始める。自分の夢とか憧れ、社会や生き方に関心を持ち始める。

親としては寂しいかもしれませんし、手がかからなくていいのかもしれません。

それは人それぞれでしょう。

ここで大切なのは「そういう時期なんだ」という心構えですね。

2.アンバランスになる

せっかく「人間脳」が発達して来たのに、思春期でそれが崩れます。

性ホルモンの分泌で「動物脳」が活発化します。

体の変化だけじゃなく、妙にハイテンションになったり、挑戦的になったりします。

「俺は何でもできるぜ」「世の中を変えてやるぜ」みたいな根拠のない自信を持ったりします。

社会的に有名になった人たちは思春期に大きな夢を抱いて努力をした人が多いですよね。

この時期にギターにのめり込んで歌を作ったり、「東京に出たい」とか「日の本を変えるんだに」とか。

脳の中でアンバランスが起こり、気持ちが先行しがちになります。

親にとってはこれもまた「そういう時期なんだ」という感じですね。

3.挫折を経験する

挫折の多くは「恋愛」「友人関係」「勉強や受験」です。

何しろ気持ちが先行してますからね。

そりゃあ挫折も経験するでしょう。

多くの場合は「母親がそっと見守る」というパターンでしょうけども、

中には世間的に大事件を起こす場合もあります。

警察のお世話になったりするケースですね。

そういう時は「父親の出番」です。

大事件ですから話も長くなるでしょう。

説教をしたくもなるでしょう。

でも、怒鳴ったり、説教したりするのは効果的ではありません。

我が子は挫折してシュンとなっているのですから。

そういう場合は向山先生の「持ち時間5分の法則」です。

父親「そうか…。裏切っちゃったか」

息子「大事な約束を忘れちゃったんだ」

父親「約束…、忘れちゃったんだな」

こうした話し合いで、子どもは自分で解決方法を見つけていくのです。
1時間話し合ったら、父親の持ち時間は「5分間」と思った方がいいのです。

4.素直になれない

これもしょうがないですね。そういう時期ですから。

特に父親って嫌われやすいですよね。

母親は小さい時から信頼関係を築いて来たのであんまり嫌われないような気がします。

父親って子どもの対応がヘタクソな人が多いので(私がそうでした)気をつけてください!

ただし、ここでも「大事件の時は父親の出番」であることは変わりありません。

万引きして捕まった時の謝罪には父親が子どもより一歩前に出て、「父親が謝罪する背中」を見せることも大切です。

少年院に入っている多くの子どもたちは、自分が悪いことをした時は「父親に叱って欲しかった」とも言っています。

また、彼らに共通するのは「親にほめられたことは一度もない」という告白です。

考えさせられます。

5.「心の港」を必要とする

思春期は親や家庭と触れ合う時間が少なくなります。

部活動や習い事で生活時間が家族とずれることも要因ですが、

気持ち的にも、親や家族と距離を置きたくなるものです。

一緒に買い物をするのに抵抗を感じたりするのもよくあることです。

だからここでも基本は「そういう時期なんだ」です。

ただし、挫折もありますし、「相談しようかな…」と思う場合もあるでしょう。

そういう時に、「いつでも帰れる場所」があることが大切です。

それが「心の港」です。

普段通りの家庭・家族の雰囲気です。

「そういう時期なんだ」と思いつつ、
「いつでも帰れる場所」 を用意しておく。

これが思春期対応のベースになります。

6.まとめ

講座23「愛のゆくえ」で森口佑介氏の考え紹介しました。

この考え方に関連付けて言えば、思春期時の価値観が「今」になっているか「未来」になっているかというのが人生を左右することになります。

「今を生きる子」を否定するわけではないのですが、格差という視点で言えば表のようになるという考え方です。

思春期を考える上で、この視点も持っていて損はないと思います。

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