講座130 漢字の宿題
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「教育放置3部作」が完成しました!
第1部【算数の教科書の放置】→講座119 衝撃!算数の教科書を使わせない教師たち
第2部【音読指導の放置】→講座129 お子さんは教科書スラスラ読めてますか?
そして、今回!
第3部【漢字指導の放置】漢字の宿題
2.放置の具体
3.漢字指導の原則
4.「一度に4字前後」の意味
5.「テストする」の意味
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1.新出漢字の数
小学校の6年間で習う漢字は1026字あります。
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一番多いのは3年生、4年生で、年間200字です。
3年生、4年生の一年間の授業時数は年間245時間です。
1時間に1字扱えば、年間で200字は達成できそうですが、そんなわけにはいきません。
テストの時間や作文の時間や様々な時間がありますから「1時間1字」は無理です。
私の経験で言えば「一度に4字前後」新しい漢字を扱わなけれ年度末までには終わりません。
一年生は例外ですけどね。
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2.放置の具体
この「一度に4字前後」の意味を知っている方は相当なレベルです!
漢字の指導というのは「一回やって覚えろ!」というわけにはいかないのです。
月曜日に新しい漢字4つ、火曜日に4つ、水曜日に4つ…。
とやっていたら、週末には月・火・水にやった12個を忘れてしまいます。
これは脳の仕組みから言って当然なんです。
「一回で覚える」は無理なんです。
ところが、ひどい学校は、
【A】授業時間にちょっとやって、
【B】あとは家で練習しなさい!
などとやります。
もっとひどい学校は、
【C】授業時間には扱わないで全部宿題
なんてこともあるかも知れません。
さらにひどい学校は、
【D】保護者からお金を集めて買った『漢字スキル』などを宿題として使う
なんてこともあります。
【A】~【D】のような学校は漢字指導を「放置」していると言えます。
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3.漢字指導の原則
じゃあ、どういう漢字指導が理想的なのか。
原則1:新しい漢字は授業時間中に扱う
原則2:一回の指導で終わらせない(くり返し指導する)
原則3:宿題にはせず、自主的な練習を推奨する
三つとも当たり前のことなんですが、みなさんの学校はどうですか?
この三つを守ろうとすると、「一度に4字前後」というやり方に行き着くのです。
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4.「一度に4字前後」の意味
月曜日に「詩・習・商・物」を練習したとします。
火曜日には次の四つ「語・符・族・葉」。
このくらいのペースでなければ年間200字は保証できません。
しかし、月曜日にやった4つをそのまま終わらせたら「放置」です。
そこで水曜日は「詩・習・商・物」と「語・符・族・葉」の復習をします。
二回目の復習ですから8つでも大丈夫なのです。
そして木曜日にテストです。この「8つ」を基準にテストするわけです。
ずうっと昔の小学校ではこうした「漢字テスト」の時に意地悪をする先生がいました。
何を出すかわからないからちゃんと練習しなさいよ。
テストに出る漢字を教えてくれなかったのです。
50年くらい前の小学校ではよくあるケースでした。
今は見られませんね。
ですから「木曜日」のテストに出る漢字は事前に家で練習できるのです。
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5.「テストする」の意味
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木曜日のテストで使うのは上の太枠の段だけです。ここに書きます。
そして、隣と交換して「マル付け」をします。
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こんな感じですね。この子は1つだけ間違えて90点でした。
このように「マル付け」が終わったら隣からテストが戻って来ます。
戻って来たら、やりたくなることがありますよね!
書けなかった1問をなんとかしたいと思うはず。
ですから、テストの裏に「まだ覚え切っていない問題だけ」を練習します。
ここ、重要です。
テストというのは「いい点数」を取るためだけにあるものではありません。
あくまでも自分のためのテストです。
何ができて、何ができていないかを確認するのがテストです。
(テストは「力試し」であって本番ではないからテストです)
ですから一回目のテストで「まだ覚え切っていない漢字」がわかります。
わかったら即、練習ですよね。
その練習も授業時間内に保障します。
そして金曜日に「二回目のテスト」です。
そのために下の段が設けられているわけです。
この「二回目のテスト」は、間違えた漢字だけをテストします。
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この時、50年くらい前までは「昨日できた漢字も書かせる」という先生がよくいました。
マルだった漢字をまた書くなんて「テスト」の意味を無視してますよね。
そんなことをしたらストレスです。頭が悪くなります。
ですから「二回目のテスト」は、間違えた漢字だけをテストします。
すぐ終わります。また隣の子に○を付けてもらいます。
この金曜日は1分くらいで終わってしまいますので、終わったら「次の新出漢字4字」の練習に入ります。
つまり、今週の月曜日みたいに新しい漢字を4つ練習するのです。
このくらいのペースで時間を使っていけば、総復習の時間も含めて200字は余裕です。
学級の平均点は一回目で90点以上になります。
大事なことは、それが授業時間内に保証できるという点です。
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