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講座119 衝撃!算数の教科書を使わせない教師たち

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 目 次
1.アンケート結果
2.「残り約7割」の実態
3.教科書の構造を知らない教師たち
4.子どもの気持ちに寄り添っていない(冷た過ぎる・意地悪過ぎる)教師たち
5.激論3・算数の教科書を使わせない教師たち
6.補足・法令上の問題

1.アンケート結果

算数の授業の実態です。

1番上が「教科書を開いた状態で授業に入る」です。

これ、普通ですよね。当たり前です。

ところが、この「当たり前」が27%しかいないのです(都道府県バラバラのアンケートです)。

ということは、「残り約7割」は「教科書を開かないで授業に入る」と「その時による」ということです。

これ!実は、衝撃的な事実なんです。

保護者の方には伝わりにくいと思いますので解説します。

2.「残り約7割」の実態

まず、グラフの2番目から行きましょう!

この「教科書を開かないで授業に入る」という先生の中には次のような先生がいるのです。

①教科書は授業中に見ちゃダメ
②教科書を机の上に置かせない
③見ないように先生が預かっておく
④持って来させないように家に置かせる

多分、探せばもっとひどい先生はいると思います。

「開かないようにテープでぐるぐる巻きにさせる」なんてあるかも知れませんよ。

こういった先生に共通しているのは次のことです。

算数の教科書には答えが書いてあるから

「開いたら見ちゃうでしょ」「考えなくなっちゃうでしょ」

っていうんです。

私は開いた口がふさがりません。

口がふさがらない理由は2つです。

①教科書の構造を知らな過ぎるから

②子どもの気持ちに寄り添っていない(冷た過ぎる・意地悪過ぎる)から

3.教科書の構造を知らない教師たち

まず、①から行きましょう。

算数の教科書は「例題」「類題」「練習問題」という構造になっています。

当たり前ですが、「例題」には説明があります。

解き方や考え方の説明です。

「答えが書いてある」と思っている先生は、この説明の中に「答え」が出ているから教科書を使わせないのだと思います。

そんなの当たり前です。例題ですから「解・説」です。

説明するために「答え」が書いてあるのです。例題ですから。

いいですか?例題は練習問題ではありませんよ。

解き方や考え方の説明です。

その説明を読みとって、やり方を理解するためにあるのです。

「答え」を出すために例題があるのではない。

例題でやり方がわかって、類題で試してみて、少し自信をつけて練習問題にチャレンジする。

算数の教科書はそういう構造になっています。

「答えが書いてある」「子どもが見ちゃう」と思っている先生は間違っています。

見ていいんです。

むしろ、見なきゃダメです。

解き方を考えさせるのですから。

そして、ここが重要なのですが、

5割以上の子は解説を見ただけでは理解できていない。

例題は「説明」ですよね。

説明って理解するのが難しいんです。

例題には文字や絵や図や式が組み合わされて示されています。

その意味するところをテキストだけから読解するのは大人でも難しいものです。

それに加えて、教師が下手に口で説明を加えると、大抵の場合もっと難しくなります。

教師の説明は子どもの頭上をむなしく通過するだけです。

子どもたちの頭の中は「早くチャイム鳴らないかなあ」「今日の給食なにかなあ」といった状態です。

説明してはいけない。

説明なしで例題を理解させる。

そこが教師の腕の見せ所です。

先生が説明しなくても、子どもが自分から「わかった!」「気がついた!」と喜ぶ。

早く類題をやってみたくなる。

嬉々として練習問題に取り組む。

授業の最後に計算スキルで100点をとり、「オレ算数得意!」と思う。

それが「教科書を使った算数の授業」です。

4.子どもの気持ちに寄り添っていない(冷た過ぎる・意地悪過ぎる)教師たち

教科書を使った算数の授業は、わかった!→できた!→できた!→好きになった!という流れです。

それをしないで(教科書をしまわせて)、自分で考えてみよう!・友だちの意見を聞いてみよう!・やり方を話し合ってみよう!などとやるのは、私からすると意地悪です。

問題だけを見て最初から「自分で考えられる」のは一部の子だけです。

友だちの意見という「音声情報を理解する」というのも難しいことです。

話し合いの土台がそういった「頭の中の情報」ですから、「やり方を話し合う」もレベルが高い。

教科書を使わない授業はこうした「空中戦」です。

教科書の説明を見たって難しいのに、

更に教科書をしまわされて、空中戦で授業を進められては、かないません。

勉強が苦手な子にとっては、ピダハン語で会話が飛び交っているようなものです。

はっきり言いますよ。

すべての子は、勉強ができるようになりたいのです。

自分で考えられるようになりたいとか、話し合いを上手になりたいといった次元ではなく、

「わかった!」「できた!」「もっとやりたい!」といった気分になりたいのです。

簡単に言うと、自分の力で100点を取れるようになりたいんです!

教科書をしまわせる先生が、子どもの気持ちに寄り添っていない(冷た過ぎる・意地悪過ぎる)というのはそういうことです。

5.激論3・算数の教科書を使わせない教師たち

以上のことをYouTubeで「激論」しました。

よかったらこちらの動画も見て下さい!

6.補足・法令上の問題

最後に、法律上はどうなっているかについて情報を付け加えておきます。

関心のある方は活用してください。

結論から言うと、教員は教科書を使わなければなりません。

「そんな判決は知らなかった」という先生がいた場合、先生個人の責任というより、校長や教育委員会、教員養成大学にあります。

最高裁(第一小法廷)平成02年01月18日判決
〔行政立法-文部省告示・学習指導要領の「法規」性〕
いわゆる「伝習館高校事件」判決

第四 教科書使用義務
普通教育においてはその機会均等の確保と一定水準の維持という目的があり、(中略・水野)これを使用することは、右目的に対して有効なものというべきであり、更に、教授技術上も教科書を使用して授業をすることは、教師及び生徒の双方にとつて極めて有効である。

教科書使用義務を認めるのは、前記のように教育の一定水準の維持等という目的と教授技術上の有効性にあるのであるから、教科書のあるべき使用形態としては、授業に教科書を持参させ、原則としてその内容の全部について教科書に対応して授業することをいうものと解するのが相当である。

通常の教科書の内容と本件学習指導要領に定められた授業時間を見ると、右教科書を使用しての授業でその教科、科目の授業時間の大半を要するものと認められるので、教科書の使用形態を前記のとおり解する限り、教科書を主たる教材として使用する義務があることになる。

そして、右教科書を使用しての授業において、教科書の棒読みの如きは教授技術上相当でないことは勿論であり、教師においてその方法に創意工夫の求められることはいうまでもない。

このように、教科書を使用するとは、原則としてその内容の全部について授業することをいうものであるが、このことをなした上、その間に、教師において、適宜、本件学習指導要領の教科、科目の目標及び内容に従つて、教科書を直接使用することなく、学問的見地に立つた反対説や他の教材を用いての授業をすることも許されると解するのが相当である。

ここから私は次の四つを読み取った。
仮に「教科書使用義務四原則」と名付けてみる。

教科書使用義務四原則
(一)持参の原則:使用形態として授業に教科書を持参させる。
(二)全部対応の原則:その内容の全部について教科書に対応して授業する。
(三)主たる教材の原則:教科書使用がその教科、科目の授業時間の大半を要する。
(四)間接使用の原則:他の教材を用いての授業する場合は教科書内容を全部授業した上で許される。

伝習館高校事件の判決から言える四原則を再掲しよう。

(一)持参の原則
(二)全部対応の原則
(三)主たる教材の原則
(四)間接使用の原則

(一)から言えるのは「授業で使う」ということだ。
机の中にしまっておいたり、ロッカーに入れたままにするのが「持参」とは思えない。授業のために持参するのだから「使う」のが自然だ。
(二)は内容について全部に対応させなければならないということだ。
全部をその通りとは言っていないが、全部に対応させて扱うのだ。
(三)は先程書いたように「時間」だ。内容ではない。
(四)は、違うことをやるなら教科書内容を全部授業した上で許されるということである。前提にあるのが教科書内容の全部ということである。

以上が最高裁判決に対する私の解釈である。

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