講座565 「ひながな」が書けるようになるまで

今回は「鉛筆の持ち方」や「ひらがな」に関する内容です。
このブログの検索窓で「鉛筆」を検索するとトップ2に次の記事がヒットします。
「ひらがな」で検索すると次の4つが出て来ます。
講座388 76年経っても「ひらがな」の教え方さえ確立されていない(前編)
講座421 76年経っても「ひらがな」の教え方さえ確立されていない(後編)
どれも「鉛筆の持ち方」や「ひらがなの学習方法」について書いたものですが、
今回は、
うちの孫にこれらの方法を使って教えたらどうなったか!
という報告を書きます!
2.読み先習
3.環境設定
4.教材と補助具

1.孫で検証
結果から報告します。
(1)鉛筆の持ち方は3歳9カ月頃には、ほぼ正しく「三点持ち」ができるようになった。
(2)3歳11か月の時に〈自発的に〉文字(ひらがな)を書いた。
どちらも〈強制〉ではありません。〈自然に〉です。
ですから、〈自然にこうなるんだなあ~〉ということが検証できたと思います。
講座158で「鉛筆の持ち方は4歳半で決まる!」と書きましたが、このことが実証できた形になります。
日本人が筆記用具を使って文字を書き始めたのは飛鳥時代のひとつ前である「古墳時代(西暦300年代)」と言われています。
ですから、私たち日本人が文字を書き始めてまだ1700年くらいしか経っていません。
経験が遺伝子に刻まれるには2万年以上かかると言われていますから、
私たちは本能的に鉛筆を正しく持つことはできないわけです。
誰かに教えてもらう必要があります。
それを義務教育が担ってくれれば一番いいのですが、「鉛筆の持ち方は4歳半で決まる!」となれば、学校に入る前に教えなければなりません。
つまり、親の役割です。
ただし、だからと言って〈無理やり〉は駄目です。
自然に、楽しくです。
冒頭で紹介した記事を書いたのは2021年頃です。
孫はその後に生まれました。
情報はそろっていましたので、「検証」が始まりました。

2.読み先習
〈書く〉と〈読む〉では、〈読む〉が先です。
これを「読み先習」と言います。
日本の教育史上では、教育学者の澤柳政太郎氏と石井式漢字指導で有名な石井勲氏が提唱した学習手順です。
どうして〈読む学習〉が先なのかを説明すると長くなるので今回は省略します。
簡単に言いますと、ホモサピエンスの赤ちゃんは推論力を持って生まれるからです。
声に出して読んでいるうちに、「あ!文字には意味があるんだ!」と自分から気づく瞬間があるということです。
ヘレンケラーが「ものには名前がある」ということに気づいたのと同じです。
詳しくは、講座437「語彙爆発の秘密①~③」をお読みください。
というわけで、うちの孫の生活環境には0歳の時から〈読む〉がたくさんありました。
その中心は「読み聞かせ」です。
赤ちゃんはお腹にいる時から聴力が発達していますから、音・声が聴こえます。
ですから、「読み聞かせ」は生まれた瞬間から可能です。
うちの孫が読んでいたのは有名な「Sassyシリーズ」です。
母親は他にもたくさんの絵本を読んであげていました。
絵本の好き好きは赤ちゃんによって違いますから、いろんな種類の絵本を読んであげることが必要です。
赤ちゃんの「注視」が長いと「好き」ってことだと思います。
孫は「読み聞かせ」をたくさんしてもらって育ったので、部類の本好きになりました。


3.環境設定
〈書く〉という動作は意外と難しいものです。
それは人類のDNAに刻まれていない動作だからです。
ですから、〈鉛筆を持つ〉という動作は〝不自然〟な動作なのです。
〈自然に〉できるようにするためには〈工夫〉が必要です。
その〈工夫〉の中心は〈環境〉でしょう。
遊びの中で〈書く〉という動作が生まれるようにしました。
つまり、紙と鉛筆ですね。
この二つが常に身近な場所にあること!
そのための工夫と言えば、これです。
簡単に言うと、〈リビングの一角にお絵描きスペースを作る〉という工夫です。

こんな感じです。
身長に合った〈机〉と〈椅子〉を用意しています。
この写真は3歳11か月時点ですので、かなり〈勉強部屋〉っぽくなっています(妹が侵入して来ないようにするための仕切りがある!)。
初めの頃はもっとシンプルでした。
でも、痕跡は残っています。
孫の後ろに〈かご〉と〈紙〉が置いてあります。
自分ですぐに紙を使える環境です。
今は机の上にあるプラスチック製の小さな棚の引き出しの中にも〈紙〉が入っていて、自分で取り出して使えるようになっています。
〈鉛筆〉も目の前にありますね。
〈紙〉と〈鉛筆〉で最初に書くのはグジャグジャの線です。

この写真の子の鉛筆の持ち方は、「回内握り」の段階です。
こんな〈お絵描き〉から、マルが描けるようになり、アンパンマンらしき人物が描けるようになり、棒人間みたいなのが描けるようになったりと、徐々に変化していくわけですね。

4.教材と補助具

「回内握り」「回外握り」から「静的三点持ち」ができるようになった時点で、いよいよ〈ひらがなの練習〉が始まります。
今回使った教材は「ベビスタ!魔法のドリル」です。
この教材には溝があるので、〈なぞり書き〉がしやすいのです。
しかも、専用のペンは「約1時間で書いた文字がスゥーっと自然に消える」という性質を持っています。
①お手本が左横にある。
②溝があるので、お手本通りに〈なぞり書き〉ができる!
③自分の力で、上手に、書くことが出来るので、「書けた!」という喜びを得られる!
④自然に消えるので、何度も繰り返し練習できる!
⑤急には消えないので、自分が書いた字は自分の目で確認することができる!
こうした特長があるのでこの教材を選びました。
あとは〈持ち方〉です。
今回使った補助具は「鉛筆 持ち方 矯正グリップ 5点セット」と「wumio 鉛筆 持ち方矯正 グリップ 」です。
鉛筆には「wumio」のグリップ、「魔法のドリル」の専用ペンには「イルカ型」をセットして練習をしました。
机の上を拡大して見てみましょう。
ちなみに、写真の中で使っているタブレットは「天神」の幼児版です。
タブレットに慣れておくことも必要な時代ですので、〈じいじ〉が買ってあげました!
その結果でしょうか、孫から素敵なプレゼントが届きました。

孫が〈何もない状況(お手本がない中)〉で〈自発的に〉に書いた〈ひらがな〉です(のばす棒は母親が助言)。
これはスゴイことです!
自発的に書いたということは、頭の中に文字の形が記憶されていて、その文字を書くことができるということです。
孫が3歳11か月の出来事でした。
これは〈遊び〉の中でやったようなものです。
だからこそ価値があります。
これが〈自然に習得した〉ということです。
そのために親がしたことの中心は「読み聞かせ」と「環境設定」です。
私はその補助をしました。
孫はもうすぐ4歳になります。








