講座88 我が子の担任が「新卒」だったら
2.知っておいてください!・その②
3.知っておいてください!・その③
4.我が子の担任が「新卒」だったら?
5.「教え方」は大丈夫なのか?
1.知っておいてください!・その①
大学では「授業の仕方」「指導の仕方」を習いません。
教員免許は車の免許より不安定です。
車の免許なら車を運転できるようになりますよね。
教員免許は授業ができるようにならなくても発行されます。
だから、大学を出たばかりの「新卒教師」は子どもたちの前に立つのが不安なのです。
丸腰で戦場に投げ出されるような感じです。
2.知っておいてください!・その②
準備は「4月1日」から始まります。
何年生の担任になるのかが、わからないまま「4月1日」を迎える新卒もいます。
今年は4月1日が木曜日、2日が金曜日。
教室の設営や打合せなどでバタバタしながら終わります。
自分の時間はほとんどありません。
教師はこの「自分の時間」で授業の準備をするのですが、その時間の最後になってしまいます。
「働き過ぎてはイケナイ」という風潮がある中、「自分の時間」を確保するためには土日も働かなければ間に合いません。
何しろ月曜日に出勤する時は「4月5日」になっていますから。
新年度の準備期間が短い。
新卒というのは、準備と言われても、見通しが持てません。
目隠しをされたまま、突然「明日」が来るような感じです。
3.知っておいてください!・その③
学級担任は一人です。
大学を出たばかりといっても、担任は一人です。
子どもたちの前に立つのは「自分一人」なんです。
隣のクラスがベテランの先生であっても、教室は別々です。
担任は自分のクラスに行かねばなりません。
ベテランであろうと、新卒であろうと担任は一人。
教室に入る時は「一人」なのです。
4.我が子の担任が「新卒」だったら?
さあ、ここまでのことを知って、我が子の担任が「新卒」だとしたら、
親としてのあなたはどんなことを思いますか?
(1)我が子が心配だから、担任のやり方に注意しておこう!
(2)我が子が心配だけど、担任の先生を応援してあげよう!
(3)我が子が心配だから、担任の先生を応援してあげよう!
(1)は普通の保護者。
そりゃあ、心配になりますよね。相手は教師としての初心者なんですから。
これは親として普通に出て来る気持ちです。
(2)は、どうでしょう。
こんな保護者は、なかなかいませんけど、実在するんです。
「うちの子は放っておいても大丈夫だけど、先生が心配!」
そう言って、陰で表で、他の保護者も巻き込んで応援して下さる方がいます。
こんなに有り難いことはありません。
教師人生において一生の励みになります。
(3)は、どうでしょう。
(3)我が子が心配だから、担任の先生を応援してあげよう!
これは私がオススメする考え方です。
我が子のことを思うなら、ぜひ、新卒の先生を応援してあげてください!
一番ダメなのは、子どもの前で先生の悪口を言うことです。
これは「我が子」が損をします。
子どもは学校の中で様々なことを学びます。
その学びは、教師との信頼関係を土台にして成立するのです。
信頼のできない大人から毎日勉強を教えられたくないですよね。
もしも、親としてその教師を信頼できないとしても、
百歩譲って、子どもの前で、その先生の悪口を言わないでください。
子どもが損をします。
(3)は、それと逆です。
子どもの「前」でも、「陰」でも、先生を応援してあげるのです。
そうすると、いい事が起こります。
先生が自信を持つのです。
子どもにとって大切なのは、担任の先生が「明るく元気」なことです。
新卒の先生は「明るく元気」が武器です。
これは子どもたちを明るくします。
子どもの成長に「明るさ」は絶対必要です。
植物に太陽が必要なのと似ています。
だから応援してあげてください。
玄関で会った時に、「いつもありがとうございます」くらいでいいのです。
「先生!がんばってくださいね!」でもいいです。
その一言が、どんなに励みになることか!
そのことを知っておいてください。
5.「教え方」は大丈夫なのか?
じゃあ、親は心配しなくていいのか?
応援するだけで我が子は大丈夫なのか?
大学では「授業の仕方」「指導の仕方」を習いません。
って言ってたじゃないか!
そうなりますよね。
現状、日本の制度では不十分です。
ですから、学校現場では先輩の先生方が新卒教師を支えています。
私も「先輩」の一人ですので、持っているスキルを新卒の先生方に提供したいと思っています。
次の講座では、そのことについて書きたいと思います。
新卒の現状を変えてあげたいです。
1年は補助担任として、教室での担任の仕事を見せるという時間をとってあげてほしい。