講座434 うちの子は大丈夫でしょうか?

以前、子育て講座のQ&Aで「うちの子は大丈夫でしょうか?」という質問を受けました。

もっとハッキリ言うと、

我が子が《ちゃんと育っているかどうか》を確かめる方法はありますか?

という質問です。

私は即座に「あります」と答えました。

今回はその「確かめる方法」をご紹介します。

※これはお金をいただいてお話ししている内容ですので後日有料記事にさせていただきます。

 目 次
1.我が子の診断基準・その①「学力の基礎」
2.我が子の診断基準・その②「学び方」と「学習意欲」
3.まとめ

1.我が子の診断基準・その①「学力の基礎」

《ちゃんと育っているかどうか》の内容は、大きく分ければ「学力」と「人格」です。

学力は学校教育で身に付けるものですから学校の責任です。

このことは法律に書いてあります。

学校教育法】第三十条の2
(小学校における教育は)生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

幸せを維持するためには《生涯において学ぶこと》が必要なのです。

そのためにどうするかという話です。

(1)基礎的な知識及び技能を習得させる

「習得させる」というのは《身につけさせる》ということです。

この「させる」が大事です。

誰が「させる」のか?

学校教育法ですから「学校」ですよね。

この「基礎的な知識及び技能」という解釈は色々ありますが、間違いなく必要なのは《読み・書き・計算》です。

教師の間ではこれを「学力の基礎」と言います(「基礎学力」ではありません)。

学力を身につけるために必要な能力です。

命名は亡くなられた岸本裕史先生です。

図にするとこんな感じですね。

で、「学力の基礎」が《読み・書き・計算》です。

この考え方は日本だけではありません。

世界共通です(第四次産業革命の恩恵を受けている国々)。

では《読み・書き・計算》の中身は何か?

これには二つの考え方があります。

一つは《音読・漢字・四則計算》という考え方です。

どうですか?

我が子は教科書をスラスラ読めますか?

漢字のテストで90点以上をとっていますか?

算数のノートに筆算がていねいにたくさん書かれていますか?

「うちの子は大丈夫でしょうか?」

という質問に対する《確認の仕方》は今の三点です。

そして、それらをできるようにするのは学校の責任です。

もちろん、一人残らず、すべての子にです。

「習得させる」というのはそういう意味です。

もう一つの《読み・書き・計算》の考え方は《小学校4年生程度の基礎的な学力》です。

これは私の師匠の向山洋一先生の主張です。

計算だと、基本的な四則計算(足し算・引き算・かけ算・わり算)を習い終わるのが4年生です。

4年生では2桁のわり算の筆算が出来ているかどうか?

それが目安になります。

音読で言えば、4年生の教科書に出てくるような文章をスラスラ読めるかどうか?

4年生までに習う漢字を書けるかどうか?

こういったことが《確認の目安》になります。

ちなみに4年生までに習う漢字の数は640字です。

これくらいが読めれば新聞を読んだり、本を読んだりできます。

手紙や公的な手続きをするのにも苦労せずに済むでしょう。

「え?小学校4年生程度の学力でいいの?」

と考えてしまう方も多いと思いますが、

世の中にはそれすら身についていない人が大勢いるのが現状です。

申し訳ないのですが、それは学校の責任です。

ですから、小学校教育で言えば、

小学校を卒業する6年間の中で《小学校4年生程度の基礎的な学力》を保証する

という視点も必要です。

その上で中学校に接続するということです。

2.我が子の診断基準・その②「学び方」と「学習意欲」

次に、学校教育法・第三十条の後半にある部分を簡単に説明します。

「これら」というのは「基礎的な知識及び技能」のことです。

これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

ここで大事なのは「はぐくみ」と「養う」です。

「基礎的な知識及び技能」は「習得させる」でした。

ここは「はぐくみ」と「養う」ですから《絶対に身につけさせる》という表現ではありません。

【はぐくむ(育む)】大切に育てること
【養う】自分で出来るように育てること

つまり、こうなります。

(2)課題を解決するための力を大切に育てること

(3)自分から学ぶように育てること

この「課題」というのは子どもの年齢によって違ってきます。

人生の中で直面する課題です。

学校の授業では先生が出す課題もあるでしょう。

授業の中で自分で課題を見つけて解決しなければならないこともあります。

友達関係や恋愛といった課題も出て来ます。

進学や就職という課題にもぶつかります。

そして、子どもたちが生きている現在の世の中には次のような課題があります。

・AIの急速な進化(シンギュラリティ問題)
・温暖化・気候変動
・人口減少・少子高齢化
・いつ何が起こっても不思議ではない国際情勢

こうした人類や国民の課題は、大人になる子どもたちにとってこそ大問題です。

課題を解決する力は、日常生活と社会生活の両方で必要になって来ます。

しかも、昔と今とは決定的に違う点があります。

私たちが子どもの頃は《ある一定の知識》があれば生きて行けました。

高校入試は知識を見るペーパーテストでしたから受験勉強という《暗記》で乗り越えられました。

大学入試も受験勉強でした。

そして、教員になるための採用試験も《暗記》で乗り越えました。

でも今(これから)は、そんな学力では乗り越えられません。

時代が急速に変化しています。

そして、これからも変化し続けると思われます。

《予測不可能な時代》というマイナスな言葉もありますが、

《変ってゆく時代・変えられる時代》と考えた方がよいと私は思います。

そして、その時代に必要なのが暗記中心だった昔の学力と異なる新しい学力です。

それが(2)と(3)です。

この二つをシンプルに表すとこうなります。

(2)問題を解決するための力=学び方

(3)自分から学ぶ態度=学ぶ意欲

変化する世の中ですから固定された知識だけでは解決できないことが出て来ます。

変化に対応するには、情報を適切に読み解き、理解し、活用するスキルが必要です。

スマホやインターネットやAIなどを使って、目的の情報を取得したり、収集した情報を整理、活用したりするスキルが大切になって来ます。

これが「学び方」です。

そして、もうひとつが、そういうことに意欲的に取り組めるかどうかです。

簡単に言えば《勉強が好き》《勉強するのが楽しい》と思えることです。

どうですか?

我が子は、本やノートや鉛筆や紙やメモ帳や辞書や図鑑やネットやタブレットやzoomを使ってますか?

そして、勉強するのが好きですか?

勉強嫌いになっていませんか?

勉強が嫌いになっているとしたら、その多くは学校の責任です。

なぜなら、学校教育法・第三十条には、問題を解決するための力を大切に育てることと、自ら学ぶ意欲を養うことが義務教育だと書いてあるからです。

3.まとめ

我が子が《ちゃんと育っているかどうか》を確かめる方法はありますか?

あります。

【小学校共通事項】
①我が子は教科書をスラスラ読めるかどうか
②漢字のテストで90点以上をとっているかどうか
③算数のノートに筆算がていねいにたくさん書かれているかどうか

【小学校高学年~高校生まで】
①2桁のわり算の筆算が出来ているかどうか
②小学校4年生の国語の教科書に出てくるような文章をスラスラ読めるかどうか
③小学校4年生までに習う漢字を書けるかどうか

【小学生~高校生まで】
①本やノートや鉛筆や紙やメモ帳や辞書や図鑑やネットやタブレットやzoomなどを使いこなせるかどうか
②勉強が好きかどうか

図にするとこんな感じです。

ちなみにこれをやるのは学校です。

ですから学校は、楽しく学び方を育て、勉強が楽しいと思わせること!

それだけです。

それだけで十分です。

ですから家庭では、「勉強しなさい!」なんて決して言わないでください。

勉強はさせるものではないのです。

本来、学ぶことは楽しいことです。

乳幼児は勉強が大好きです。

その好奇心を大切に育むのが私達大人の役割だと思います。

そして、「学び方」と「学習意欲」は学校がやります。

もし、今の学校がそうなっていないなら、私たち大人がそうなるように連携していきましょう。

今回は「人格」にまで触れられませんでした。

それはまたいつか書こうと思います。

最後に私が尊敬する堀田龍也先生の記事を紹介して終わります。

「教育委員会対象セミナー・熊本」堀田龍也氏講演報告(教育家庭新聞)2023年11月7日

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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