1歳半~6歳(幼児期) 6~12歳(児童期) 12~18歳(思春期) 正しい叱り方

講座351 育児の三層構造

投稿日:

講座350「余裕がないと叱ってしまう?」へのコメントをたくさんいただきました。

ありがとうございます。

今回はその中からタミーさんのコメントを紹介させていただき、私の考えを付け加えてみたいと思います。

子供らしさを大事にしたい。
頭では分かっていて、世間体を気にしてしまう自分がいます。
これを克服するのが結構大変だなと身に染みています。(タミー)★7

あるお母さん(Aさん)から伺った話をします。

お子さんが幼稚園でお遊戯の練習をしていた時です。

見学していたお母さん方が我が子の手を取って一緒に指導し始めました。

でも、Aさんだけは、その指導の中に入って行きませんでした。

子どもの手を取って踊らせることに違和感を感じたそうです。

幼児が曲に合わせて踊るのって、楽しく自分から動くのが自然です。

それが子どもらしい姿だと思われたのでしょう。

他のお母さん方は全員、指導の輪の中に入りました。

でも、Aさんだけは我が子の踊る姿を離れて見続けました。

皆さんだったらどうです?

できますか?

多分、多くの方は「世間体」を気にしますよね。

「子どもらしさ」よりも、「その場の状況」に負けてしまうと思うのです。

これは極端な例かも知れませんが、多かれ少なかれ、「子どもらしさ」を大切にするというのは、このような「親自身の考え方」が問われるということではないでしょうか。

お片付けをしない我が子を許せずに叱ってしまうという場面でも、問われていることは同じだと思います。

そして、タミーさんが書かれたように、このことを貫くのは簡単ではないと思います。

しかし、どうでしょう。

多くの親が、「えっ!お片付けをしないだけで叱ってるの?」と驚いたり、

「えっ!親もその指導に入るんですか?変じゃありませんか?」と拒んだり、

世の中の「流れ」が、そのように傾けば、多くの人が「子どもらしさ」を重視し始めるということでもあります。

「2:6:2の法則」というのがあります。

集団は「上位2割:中位6割:下位2割」に分かれるという法則です。

私は、育児者という集団をこの法則に当てはめてみました。

らしさ育児:子どらしさ重視の育児
must育児:
~ねばならない・~すべきを重視する育児
知らなかった育児:
子育ての仕方を持ち合わせていない育児

私の感覚ですが、今の日本の状況はこのようなピラミッドになるように思います。

問題はこの割合が不変なのか?ということです。

私は「割合は変わる」と思っています。

歴史を振り返ればわかります。

江戸後期~明治中期の子育ては保護者のみならず、多くの国民が「子どもらしさ重視」の考え方を持っていました。

そのことは当時来日した複数の外国人が記録しています。

子供たちの主たる運動場は街上(まちなか)である。子供は交通のことなど少しも構わずに、その遊びに没頭する。(ネット―:日本政府に招かれて来日。 秋田県で鉱山や冶金技術の指導にあたり、その後は東京帝国大学の理学部の教員も務めた)『逝きし世の面影』渡辺京二より

この頃の子どもたちは今でいう道路で遊んでいました。

その道路を馬車が通るにも関わらずです。

親は子供たちを自由にとびまわるにまかせているので、通りは子供でごったかえしている。たえず別当が馬の足下で子供を両腕で抱きあげ、そっと彼らを戸口の敷居の上におろす(ブスケ:フランスの弁護士。明治初期の4年間滞日し『日本見聞記』を著した)前掲著

東京帝国大学の教授を務め、大森貝塚を発掘した考古学者エドワード・S・モースは次のように言い切っています。

私は日本が子供の天国であることをくりかえさざるを得ない。世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供のためn深い注意が払われる国はない。ニコニコしている所から判断すると、子供達は朝から晩まで幸福であるらしい。(前掲著)

「2:6:2」は不変の法則ではありません。

当時の日本は「8:2」あるいは限りなく「10:0」に近かったと思われます。

それは言い過ぎでしょと思われるかも知れませんが、世界中を旅して回った旅行家が「子供の天国」と評したのは事実です。

『逝きし世の面影』を著わした渡辺京二氏は、不幸な子供がゼロだったは言い難いと断った上で次のようにまとめています。

彼ら(旅行家たち)が述べているのは、日本では子育てがいちじるしく寛容な方法で行われているということと、社会全体に子どもを愛護し尊重する気風があるという一点にすぎない。

「子どもらしさ」を重視する子育てを、限りなく「10:0」に近づけることは不可能ではないと私は思っています。

ここでいう「らしさ育児」とは次の5つです。

1.赤ちゃんの時には「赤ちゃんらしさ」を大切にし、発揮させ。
2.幼児期には「幼児らしさ」を大切にし、発揮させ。
3.児童期には「子どもらしさ」を大切にし、発揮させ。
4.思春期には「思春期らしさ」を理解し、尊重する。
5.なおその上で、それぞれの「その子らしさ」を大切にし、発揮させる。

私はこの5つを復活させるために『向山家の子育て21の法則』を編纂させていただきました。


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執筆者:


  1. タミー より:

    今まで娘の子どもらしさをストップさせている母である私自身を責めていました。
    私だけの責任ではない。
    社会を以前の日本に変えていくという視点で、前向きな気持ちになれました。

    • 水野 正司 より:

      またまた素敵なコメントをいただきました!
      そうなんです。母親個人の責任にはせず、社会を変えていくアクションを誰かが起こさなければと思っています。

  2. つむちゃんのお母さん より:

    流されないことはとても難しいことだと思います。
    「どう思われても良い」と思うには自分のことを知らないところにいけば簡単です。
    つまり主体は自分。
    子どもが主体にならなければいけません。
    そのため自分の職業が「教員」というのは、そのことを非常に邪魔します。
    教員の子は荒れやすいというのは、もしかしたらそういう事情もあるのかなと考えました。

    私は偶然出会った水野先生のおかげで、子どもを主体で考えられるようになってきましたが、まだまだです。

    • 水野 正司 より:

      学校の先生は親としてしっかりさせる人が多いように思います。
      それが過度にならなければよいのですが。
      もうちょっと気楽に構えていいように思うこともあります。

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