0~1歳半(乳児期) 産後ケア 父親学

講座284  フランスに「イクメン」がいない理由

投稿日:2022年7月4日 更新日:

フランスには「イクメン」に当たる言葉がないそうです。

どうしてなのか分かりますか?

そうです。

男性が育児をするのは「当たり前」だからです。

今回はフランスと日本の育児事情を解説します。

 目 次
1.男性の出産休暇
2.11日間の「父親休暇」
3.「育児の大変さ」を理解するとどうなるか

1.男性の出産休暇

フランスには男性にも「産休」があります。

給料は会社負担で、会社が拒むと罰金が科せられます。

取得率はなんと100%!

期間は3日間ですが、これは出産のための入院期間がフランスでは3日間だからだそうです。

男性はこの3日間で病院から育児の仕方をみっちり習います。

沐浴、おむつ交換、授乳のコツなど。

一緒に寝泊まりすることもできるそうです。

そして、奥さんが退院するまでに「母親と同じくらいの育児力」を身につける!

これだけでもスゴイことなのですが、このあとがもっとスゴイのです!

2.11日間の「父親休暇」

この3日間の「男の産休」が終わると11日間の「父親休暇」が取れます。

取得率は70%。

取得しない30%のほとんどは家で仕事をしている自営業の方だそうです。

つまり、会社勤めの男性のほとんどが使っているということ!

なぜなら、この期間の給料は国が負担してくれるからです。

そして、これも雇用主が拒むと罰則!

こうしてフランスでは多くの男性が奥さんと一緒に退院して24時間一緒に自宅で育児をします。

「イクメン」という概念が要らないはずです。

ところで皆さん、この「父親休暇」がもたらす最大の効果は何だと思いますか?

それは、多くの父親が次のことを実感できるということです。

育児は大変。だから助けるのは当たり前。

私には4人の子どもがいますが、育児休業は使ったことがありません。

出産後、妻が退院して自宅に戻った時も普通に出勤していました。

ですから、日中の様子をわかっていなかった。

妻の24時間を想像してあげられなかった。

外出できない閉塞感。

食事を作るのも赤ちゃんが寝ている間だけ。

でも、一緒に寝落ちしてしまうこともある。

慢性的な睡眠不足。

「精神的な大変さ」と「肉体的な大変さ」。

そういう大変さを十分に理解してあげられませんでした。

しかし、フランスの男性は11日間の父親休暇によって「実感」できる。

大変さを理解しているので、11日間が終わったあとも積極的に育児参加する。

料理もするし、お散歩にも連れて行く。

それが「普通」の光景だといいます。

3.「育児の大変さ」を理解するとどうなるか

男性が「育児の大変さ」を理解するとどうなるか。

出生率に影響すると私は思います。

フランスの出生率は先進国トップです。

日本との差は歴然です。

人口を維持するための出生率は2.08ですから、フランスの人口減少は小さい。

日本の1.30は江戸時代に戻る勢いです。

日本の男性は「育児の大変さ」を理解するどころか、女性から逃げてるのが現状?

一体、何してんの?

働き過ぎなんでしょうね。

フランス人男性の倍も働いてますよ。

働き疲れて帰宅後はゲーム?

ゲームをやってもいいけど、それじゃあ時間が無くなりますよね。

社会の仕組から変える必要があると思います。

フランス人男性の平均労働時間が少ないのは、働く女性が多いからだと思います。

フランスは女性の就業率が世界トップです。

・男性の育児参加が当たり前

・男性が「育児の大変さ」を理解する

・女性の就業率が高まる

・男性の労働時間が減る

・出生率が高い

これらはすべて関係していると思うのです。

循環している。

日本はこれらが正反対。

日本の場合は悪循環。

それをどこで断つか?

私は「高校生に赤ちゃんの育て方を教える」というところに着眼着手したわけです。


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執筆者:


  1. つむちゃんのお母さん より:

    正直な話、我が家に限る……かもしれませんが旦那は本当に忙しい時間帯、寝てるか仕事でいないかです
    朝は仕事ギリギリまで寝ている。夕方は仕事で大抵いない。
    1番大変な時間は、バタバタする朝と夕方なんです。そういうのも考えて勤務表作ってくれないかなぁと思います。(介護なので時間バラバラなんです。)
    家庭を持つ若いパパとママが余裕を持って子育てが出来る世の中や社会を作ることも大切だと思います。

    • 水野 正司 より:

      子どもがいる職員は半日勤務で残りの給料は国が負担するくらいの制度が欲しいね。
      健康保険と介護保険は大幅に変える必要がある。

  2. みほ より:

    フランスの
    「雇用主が拒むと罰則」
    っていいですね。

    日本もここまでしないと、広まらない気がします。
    勤勉な日本人は
    「制度を作ったので、取れる人は取ってくださいね」
    の現状だと、周りの目を気にして、育休をとりにくいだろうなと思います。

    • 水野 正司 より:

      日本は「努力義務」を作ったら「制度がありますよ」で終了!
      そのくせ申請とかは「自己責任です」と言って突き放す傾向がありますね。
      先日、NHKのクローズアップ現代で「特定妊婦」の放送がありましたが、
      「できちゃったのなら自己責任」が社会の現状です。
      しかも、その責任は女性の側に来て、男性は逃げちゃう。
      これも教育の結果ですね。

  3. […] 詳しくは、講座284「フランスに『イクメン』がいない理由」をお読みください。 […]

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