H 幼児教育「黄金の5年間」

講座176 イヤイヤ期対応マニュアル

投稿日:2021年11月13日 更新日:

前回のエピソードを覚えていますか? 講座175「イヤイヤ期をハックする」

M君(もうすぐ2歳)が神社でギャン泣きしたエピソードです。

「あっちいきたい!」「パンパンしたい!!」と大暴れ!
できる限り離れた道端でうつ伏せギャン泣きタイムを仏の心で過ごしました:天使の笑顔:

今回はこの時のM君の言動を例にしながら「イヤイヤへの対応はどうあるべきか?」について解説します。

 目 次
1.対応の大前提
2.言葉で受容する
3.枠で囲う
4.葛藤させる
5.まとめ

1.対応の大前提

大前提はこれです。

【大前提】イヤイヤ期は成長にとって有益なものであるということ!

この「心構え」が大前提です。

これがあるのとないのとでは「期間中の対応」が全く違ってしまいます。

この確信がなければ「様々な場面での応用」が利かなくなります。

「なんとなくわかる」ではダメです。

必要なのは「確信」です。

「イヤイヤ期は自我のめざめなんでしょ」

「でも『自我のめざめ』ってナニ?」

そんな曖昧な自覚ではダメです。

自我とはこれです。

【注目】「見て!見て!」「ほめて!」
【要求】「~したい!」「~して!」
【拒否】「ヤダ!」「しない!」

「自分を主張するようになる」ということです。

親にとっては面倒くさいことばかりです。

我が子が「感情のまま」に振舞うわけです。

「理屈の世界」は通用しないんです。

神様はなぜこんな面倒くさい仕組みをつくったのでしょう?

人間以外にもイヤイヤ期はあるのでしょうか?

金沢動物園の獣医さんはスズメの雛にもイヤイヤ期があることをブログに書かれています。

雛は自力でエサを食べることができません。

口をめいっぱい開けてエサをねだるものです。

それがある日突然、

「いらない!」

「イヤで~す!」

と拒否するようになる。

お腹がすいているはずなにに食べない。

まるで人間のイヤイヤ期と同じですよね。

これ、なぜだかわかりますか?

そうです。

巣立ちの時を迎えているんです。

スズメの雛はこのイヤイヤ期を通ることで、自分でエサを探すために巣立つのです。

親鳥からすれば、

「イヤイヤ期が来たか!そろそろ巣立ちの準備でもするか!」

といったところでしょうか。

これが神様がつくった生きものの世界の仕組みなのです。

人間のイヤイヤ期も同じです。

人間のイヤイヤ期も「自分の意志」で生きるための準備期間なのです。

ただ、人間の成長はスズメほど短期間ではありません。

時間がかかります。

個人差も大きくなります。

しかし、次の点でスズメと同じであることを忘れないで下さい。

イヤイヤ期は成長にとって有益なものであるということ!

それが、

「見て!見て!」【注目】とか、

「~したい!」【要求】とか、

「ヤダ!」「しない!」【拒否】

となって現れるわけです。

2.言葉で受容する

心構えが出来たら実際の対応は意外とシンプルです。

まずはこれです。

対応マニュアル① 言葉で受容する

「ヤダ!ヤダ!」の繰り返しだとか、

意味不明のことを言っている時は、

その理由を予想して言葉にしてあげます。

「パンパンしたかったのか?」とか、

「パンパンしたい?」などの

「な・の・ね言葉」(語尾が「な」「の」「ね」で終わる言い方)が便利です。

これは自然と「受容する言葉」になります。

M君のように言葉を発しながらギャン泣きする場合は「言葉の繰り返し」です。

「パンパンしたかったの」とか、

「そっか!パンパンしたかった〜」みたいに、

子どもが発した言葉をそのまま繰り返してあげればいいのです。

これも受容になります。

受容は泣くのを止めるわけではありません。

言葉で気持ちを受け入れるだけです。

3.枠で囲う

M君のパンパンしたい気持ちはわかりました。

でも、ご祈祷してる家族もいるし、このままでは迷惑をかけるかも知れません。

そこでお母さんはその場から離れることを判断しました。

ご祈祷が終わるまで待とう

この判断を対応マニュアルでは「枠」と言います。

枠というのは社会的なルールやマナーなどの道徳的な縛りのことです。

ここでは、七五三の人達の邪魔をしてはならないという枠ですね。

対応マニュアル② 枠で囲う

具体的にはこう言えばいいのです。

「でも今はできないからね」

「枠で囲う」というのは「ならぬものはならぬ」という拒否です。

それを優しく、言葉で、伝えます。(泣くことを止めるわけではありません)

怒って言うのはダメです。

怒ると恐怖を感じて「フリーズ」や「よい子」が生まれます。

優しく言うだけで十分です(内容は厳しいものですからね)。

「パンパンしたかったのかな?」
「でも今はできないからね」

「パンパンしたかったのね」
「でも今はできないからね」

これがいわゆる「余裕の対応」と呼ばれるものの構造です。

どうですか?

できそうですか?

「ならぬものはならぬ」 という宣言が苦手な人は拒否の反対を考えてみてください。

「いいよ。好きなだけパンパンしていいよ」と言ってやらせたらどうなると思いますか?

ギャン泣きすれば認めてもらえる!

そういう誤学習をしてしまいます。

これは、七五三の人達に迷惑をかける上に、

我が子を甘やかしてイヤイヤ期を引き伸ばしてしまう

ということにつながりかねません。

感情の「コントロール力」ではなく、感情の「悪用力」が身につくかも知れません。

感情の「コントロール力」を育てるためには、

親として」、「大人として」の、枠で囲うという判断が必要になるのです。

4.葛藤させる

では、その「囲い方」には何かポイントがあるのでしょうか?

「パンパンしたかったのかな?」
「パンパンしたかったのね」

どちらも過去形です。

つまり、最初からM君の気持ちをわざと過去のものとして受容していたのです。

気持ち」は過去形に、「枠」は現在形で。

過去形で受容した後は、シンプルに、言葉で、現在の状況を設定してあげるわけです。

対応マニュアル③ 安全安心の中で葛藤させる

人間脳は言葉によって機能します。

ですから、「でも今はできない」という言葉で枠を設定するわけです。

これで2つのことを言葉で設定したことになりますよね。

「パンパンしたい!」
「でも今はできない」

これが葛藤の支援です。

ここまでやれば親の務めはほぼ終了です。

ざっくり言えば、あとは放置です。

枠で囲まれることによって、もっと泣き出すこともあると思います。

それも想定内です。

ただ、次のことに気をつけてください。

注意点】大人の葛藤と幼児の葛藤は異なる

大人はどちらも言葉にして(人間脳の中で)葛藤できますよね。

頭の中で「パンパンしたい!」と「今はできない」を天秤にかけて、

「どうしようかな?」って考えることができます。

これが「大人の葛藤」です。

しかし、幼児は人間脳が未発達なので、これが出来ません。

「パンパンしたい!」という感情は、感情のまま動物脳に存在します。

そこへお母さんの「でも今はできない」という枠が入って来ますよね。

この枠は言葉です。感情ではありません。

そして、脳には次の原理があります。

人間脳と動物脳は同時には働かない。

大人にも感情がありますが、大人は感情が発生すると、それを人間脳に送り込んで、

人間脳の中で言葉に変換して考えることができます。

しかし、幼児にはまだこれが出来ません。

幼児の葛藤は動物脳と人間脳の間を行き来する葛藤です。

これ、どういうことかわかりますか?

動物脳と人間脳は同時に働きませんから、まず、「パンパンしたい!」が全面的に出ますよね。

それを人間脳に送り込むには一旦動物脳のスイッチを切る必要があるのです。

どうやったらスイッチが切れるでしょうか?

たとえば、安全な場所に移動して様子を見るという作戦があります。

これを「クールダウン」と言います。

深呼吸させたり、水を飲ませたりするのも効果的です。

どちらにしても時間がかかります。

たとえば、ギャン泣きしている状態を切り替えるために、

お母さんが突然「あれ!」とか言ってびっくりさせる作戦があります。

これは「我に帰らせる」という方法です。

泣いている時というのは本能が優位ですから意識が働いていない場合があります。

幼児は無意識に泣く場合があるのです。

意識を失っていますから、自分が泣いていることをすら自覚していません。

その状態から抜け出させるために「あれ!そう言えば今日はお父さんの誕生日だったね!」とか全然関係ないことを持ち出すのです。

こうやって動物脳のスイッチを切って落ち着いた時に「どうする?」と持ち掛ける技です。

方法はまだあります。

ギャン泣きしている我が子をとにかく抱きしめることです。

「ごめんね。パンパンしたいんだよね。でも今はできないからね」という言葉と同時に、

とにかく抱きしめ続けます。

これは単純に「ハグする」という方法ですね。

これは高まっている感情を落ち着かせるために効果的です。

少し離れた所で様子を見る「クールダウン」とは対照的ですが、

「ハグする」も選択肢のうちの一つです。

こうした「スイッチ切り替え」で興奮が収まった時に、もう一度言葉をかけてあげて下さい。

「パンパンしたかったんだよね?」(うん。)

「でも出来なかったね」(……。)

「でも我慢出来てえらかったよ!」(ハグ!)

「あとでまたパンパンしに行こうね」(うん。)

こんなイメージです。

幼児の葛藤には時間がかかります。

だから面倒です。

でも、正しいやり方で対応できれば気持ちに余裕が生まれるはずです。

そして、うまく落ち着くことが出来たら時には、ほんの少し「コントロール力」が成長しているはずです。

5.まとめ

対応マニュアル① 言葉で受容する

対応マニュアル② 枠で囲う

対応マニュアル③  安全安心の中で 葛藤させる

《例》
「パンパンしたかったのね!」
「でも今は出来ないからね!」
 落ち着いてきた時に整理してあげる

どうですか?

シンプルですよね。

こうしてみるとイヤイヤ期というのは、

葛藤をするための練習期間、

道徳的判断力を身につけるための準備期間、

そう考えることができます。

うまく葛藤させることが出来たら有益ですよね。

イヤイヤを経験するたびにチャリーンです。

うまく我慢出来た時にはたくさんほめてあげてくださいね。

チャリーン!を期待してます!

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