講座223 「お母さん」の語源
1.「お母さん」の語源は?
何番だと思いますか?
ヒントです。
昔、日本の子どもは母親のことを「かか」と言いました。
旦那さんは奥さんのことを「かみさん」と呼びました。
何番だと思いますか?
もう一つヒントです。
その「かか」の語源は「かっか」だと言われています。
そして、「かみさん」の語源は「日身さん」だと言われています。
もうヒントはありません。
「お母さん」の語源は何番だと思いますか?
お母さん ← かか ← かっか
この「かっか」という言葉は「赤々と燃えている」という意味です。
そうなんです。
「お日さま」「太陽」が「お母さん」の語源なのだそうです。
旦那さんが奥さんのことを「かみさん(日身さん)」と呼んだのも、
「お日さま自身」「太陽そのもの」という意味を込めて「かみさん」と呼んだそうです。
ということで、正解は①太陽です。
でも、日本人にとって太陽は神様そのものですから②の神様も正解にしたいところです。
ただ、語源ということで今回は「お母さん」の「か」という音の意味が太陽なので、
正解は①とさせてください。
2.「お父さん」の語源は?
おまけの問題です。
選択肢はありません。
でもヒントはあります。
ちょっと昔のお母さんの呼び方を思い出してください。
「お母さん」は「かか」でしたよね。
同じように考えると、「お父さん」は何でしょう?
それは「とと」です。
「とと様」とか「かか様」とかって聞いたことありませんか?
この「とと」の語源というのがまたあるのです。
何だと思いますか?
これは難しいです。
それは「とうと」だそうです。
そして、この「とうと」の元になっている漢字があるのです。
これは気がつく人がいると思います。
10人に1人くらいは気がつくんじゃないでしょうか。
これなんですね。
「尊い(とうとい)人」という意味で「とうと」→「とと」→「お父さん」というわけです。
昔のお父さんは、妻からも子どもからも尊敬されていたというわけですが、
今のお父さんはどうでしょうか?
聞くのは怖いですね。
3.「日身さん」と「尊い人」はどちらが先か?
この話は境野勝悟さんの『日本のこころの教育』という講演記録の中に出て来ます。
最後に大事な部分を紹介させていただきます。
この「日身さん」と「尊い人」には順序があるという話です。
ざっくり言うと、奥さんと旦那さん、夫婦の関係です。
とても重要なところですので、じっくり読んでください。
奥さんに対して、最初に、旦那の方から言い出したのです。
「お前はいつも明るく優しく、私たち家族にとって太陽のような存在だ!」
そういうような事を奥さんに言ったわけです。
そこで、(ここが重要です!)
奥さんが旦那さんに対して、
「まあ、そのように言っていただけるなんて、あなたは尊い人です」と返したわけです。
この順序が大事なのです。
男が先に女性に感謝していたわけです。
そうやって出来上がったのが「お母さん」「お父さん」という言葉なんです。
私は父親講座の時にこの話を紹介させていただいております。
世のお父さん方へ
日本の家族制度は男が威張っていたという印象がありますが、
決して、そんなことはありません。
それは威厳を示さなければならない時であって、
本来はこのように女性を大切にするのが日本の男性の伝統なのです。