講座188 第三の学習塾 TOSS-kids

今日は理想の学習塾について書きます。

 目 次
1.進学塾
2.学習塾
3.公文式
4.TOSS-kidsスクール
5.奇跡のシステム

1.進学塾

私が小学生だった頃(1970年代)は塾に通っている同級生があまりいませんでした。

習い事といったら、ピアノ、そろばん、習字くらいだったような気がします。

学習塾に行くのは特別な子で、「いい学校」に行きたい希望がある子みたいな感じです。
(私はもちろん行ったことがありません。涙)

この時代の塾を、仮に「進学塾」と呼ぶことにしましょう。

2.学習塾

それがですね。いつの間にか変わって来ました。

学校の勉強についていけない子が行く

そういうケースが増えて来ました。

それがだいたい「中学生から」とか「5年生から」なんです。

私の目には、

ついて行けなくなってから

というように見えました。

すでに大変な状況になってからなんです。

子どもにしたら、その前からずっと困っていたはずです。

多分、3・4年生くらいから授業について行けなくなっていたはずです。

でもなぜか世間には「高学年になったら塾を考える」みたいな風潮があって、

子ども本人の学習意欲や自己肯定感は既に下がっているケースがよく見られました。

それはともかく、

このように学校の勉強について行けなくなって行く塾を「学習塾」と呼ぶことにします。

そして、

学力低下が常態化した地域では「進学塾の学習塾化」が起きました。

本来教えたい内容が教えられずに、塾の先生方が「教え直し」をする現象です。

「教え直し」の現状は、塾や高校の先生方が実感されているはずです。

3.公文式

学習塾の中で異質なのが「公文」です。

公文式は「学校の勉強」とは別です。

独自の教材を使って、子どもの学年とは無関係に進めて行きます。

5年生の算数でつまずいていたとしたら、その前の4年生や3年生を調べて、

それもダメだったら一年生の内容から始める場合だってあります。

逆に、5年生であっても、6年生や中学校の内容を先取りする子もいます。

「その子に合わせて力をつける」という点を徹底するのが公文です。

言ってみれば、学校の勉強は「無視」されている感じですね。

でも、力はつきます。

学生の時に、マル付けのバイトをしていたので実感しました。

4.TOSS-kidsスクール

先日、静岡に行って来ました。

長年一緒にTOSSという研究団体で「授業」の勉強をして来た(している)仲間と再会して来ました。

その中には教員を退職されて学習塾を経営されている方がお二人いました。

普通の学習塾ではありません。

名前を「TOSS Kids School」と言います。
(簡単に「TOSS-kids」と呼ぶことにします)

私はお二人から「TOSS-kids」の様子を具体的に伺うことができました。

その中から私が「普通じゃない」と感じた部分をお伝えします。

(1)医師が紹介する!

TOSS-kidsには、普通の学習塾と同様に、学校の勉強に困っている子が通っています。

その中には発達障害の子どもたちもいます。

TOSSで学んできた教師が講師ですから、発達障害の子に対応するスキルを持っています。

そうするとどうなるかと言いますと、口コミで評判が伝わり、

発達障害に関わる医師がその子の保護者に「kidsスクールを紹介する」ということが起きます。

「医師が学習塾を紹介する」なんて普通ならあり得ませんよね。

この話を伺った時に私は思いました。

「これは第三の学習塾だ!」

(2)教科書の教え方を知っている!

TOSS-kidsも公文と同じで「無学年方式」です。

学年とは関係なく、わからないところ・できないところまでさかのぼって学習スタートをする。
また、わかる・できる場合は、上学年でもどんどん進めていく。

それが無学年方式です。

しかし、公文と違うのは「学校の勉強に即して教えられる」という点です。

具体的にいうと「教科書の内容に対応できる」ということです。

もっと言うと、「教科書の構造を知っている」という感じでしょうか。

これができるのは「元教師」だけでしょう。

公文の先生方には「見えない」ところが、TOSS-kidsの先生方には「見える」のです。

ですから、無学年方式と言っても、学校の勉強を無視しているわけではありません。

その子が学校でも自信をつけられるように「今」をも大切にしているのです。

(3)宿題がない!

公文式には宿題がありますが、TOSS-kidsには宿題がありません。

それは「子どもの気持ち」を大切にしているからです。

家に帰ってから宿題をする生活を想像してみてください。

多分、学校の宿題もあるでしょう。

ゲームだってしたいかも知れません。

勉強が苦手で、公文やTOSS-kidsをやっているお子さんだと考えてみましょう。

宿題というのは自分でやるものですから子どもに負担がかかります。

学習意欲を減退させる可能性もあります。

本来、勉強とは楽しいはずのものです。

公文式も本来は「できる楽しさ」を大切にしているはずです。

しかし、子どもの生活を考えた時に、宿題はストレスとなる可能性が大きいのです。

勉強が苦手な子にとってはなおさらです。

そこで、TOSS-kidsが「その場で」できるようにさせて、

できた!やった!満足した!

という気持ちのままで帰宅させます。

「勉強楽しい!」とスッキリさせて終わらせるという感じでしょうか。

だから宿題は出さないのです。

(4)「個別自立学習」が成立する!

聞き慣れない言葉だと思います。

保護者の方にここを説明するのが一番難しいですね。

「個別自立学習」というのは、

図書館に行って机に向かってひとり黙々と勉強に集中する

といったイメージでしょうか。

そういう状況が成立しているということです。

家庭教師でイメージしてみましょうか。

家庭教師には2つのタイプがあるんです。

Aタイプ:子どもに付きっ切りで教えるタイプ

Bタイプ:5分アドバイスするだけで残りの55分間は何もしないタイプ

これ、どっちの家庭教師が優秀だと思いますか?

保護者の方はAタイプがいいと思いがちですよね。

また、家庭教師をしている学生さんたちもAタイプが多いはずです。

「何もしないでお金をもらうなんて後ろめたい」

そう思って、びっしりくっついて説明する家庭教師は多いはずです。

でも、それでは「自立」できないんです。

①やるべきことを知っている(自分自身で教材を用意し)

②自分の力で進めていく(ひとりで進めるシステムがある)

この①と②が備わっているのが「個別自立学習」です。

ですから、講師の役目は、

③その子に合わせて自己肯定感を高めるように声をかけること(確認と評価)

といった感じです。

5.奇跡のシステム

(1)医師が紹介する!
(2)教科書の教え方を知っている!
(3)宿題がない!
(4)個別自立学習が成立する!

(1)は要するに「発達凸凹」を持ったお子さんに対応できるということです。

特別支援教育の知識とスキルが必要です。

(2)は「教師」の経験です。

ただ、向山洋一先生の言葉を借りれば、

「算数の教科書を教えられる先生は1000人に1人くらい」

というのが現状です。

教科書の使い方を本気になって勉強した教師であることが条件です。

算数のテストが学級平均で90点を取らせるくらいの力量が必要です。

(3)だって誰でもできるわけではありません。

宿題に頼ってしまう教師には向かないと思います。

勉強の楽しさを知っている人、

勉強の楽しさを大切にする人が向いているでしょう。

(4)には秘密があります。

この「TOSS-kidsスクール」というシステムを設計された方の経歴です。

【設計者の経歴】
進研ゼミ(現ベネッセ)の小学校教材の全システムを設計した責任者
NHKの「クイズ面白ゼミナール」の教科書問題作成委員
セシールの幼児教材(0歳から6歳まで)の設計者
光村教育図書の「あかねこ漢字スキル「あかねこ計算スキル」「うつしまるくん」の設計者
「教育技術の法則化運動(現TOSS)」の設計者

私の師である向山洋一氏です。

その向山先生が全体を設計され、スタートしたのが「TOSS kids school」です。

で、

先日、私は、静岡県内でTOSS-kidsを経営されているお二人の話を伺い、

「普通の学習塾ではない」

ということをじて、戻って来たというわけです。

こういう学習塾もあるのか!

ということをお知らせしたくて書きました。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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