講座95 学校の先生の「普通の一日」【解説編③】話す・使う・出す・観る
2.教室を「使う」
3.宿題を「出す」
4.子どもたちを「観る」
1.子どもたちの前で「話す」
当たり前ですが教師は子どもたちの前で話さなければなりません。
「話す」という行為は教師にとって大切な仕事です。仕事の中心です。
ですから教師は「話し方」を意識しています。
アナウンサーと同じです。
話し方を意識して、相手に伝わるように、
授業に効果的であるようにスキルを磨く必要があります。
では、一時間目「総合」のラストの場面から、教師の話し方に注目して再生してみましょう。
(中略)
どうでしたか?
普通の職業の人とは「ちょっと違う話し方」だと思いませんでしたか?
一体、何が違うのでしょう。
(1)リズム
(2)テンポ
(3)抑揚
(4)間
(5)「っぽさ」
こういったところが、実は意識的に鍛えられているんです。
トレーニングを積んでいるというのでしょうか。
スキルを磨いて来た証拠というのでしょうか。
ダラダラしてませんよね。
適度な緊張感と心地よいリズムがあります。
そういうことがわかる話し方なんです。
そして、ここが重要なのですが、
練習するには手本が要る。
意識的に練習するにはお手本となる話し方が必要です。
そのお手本が、玉川大学のの谷教授だと推測されます。(出典:TOSSオリジナル教材)
(中略)
どうですか?
共通するものを感じませんでしたか?
それが、これです。
(1)リズム
(2)テンポ
(3)抑揚
(4)間
(5)「っぽさ」
最後の「っぽさ」といのは「プロっぽさ」というのでしょうか。
「カッコよさ」というのでしょうか。
そういう雰囲気です。
ここまでの感じさせるためには特別な練習が必要だったはずです。
シャドーイング
シャドーイングとは、台本を読むのではなく、聞こえてきた話し方を聞こえてきたまま声に出す練習方法です。
アナウンサーや英会話のレッスンに用いられます。
耳で聞いて「完コピ」です。
イメージして「完コピ」です。
なり切って「完コピ」です。
そうすることによって、アナウンサーなら「アナウンサーっぽい話し方」、
英会話なら「ネイティブっぽい話し方」ができるようになるわけです。
2.教室を「使う」
多くの授業は「教室」で行われます。
現代において、「教室=ICT環境」です。
この教室では天井にプロジェクターが設置されています。当然ですね。
黒板にはスクリーンが設置できます。当然ですね。
教師はパソコンを使っていました。普通です。
しかし、これだけではまだ足りません。
文科省の「GIGAスクール構想」では、
(1)クラウド活用
(2)高速大容量通信環境
(3)1人1台学習者用端末
という「三本の矢」が目標です。
この春にはみなさんの近くの学校も「一人一台」になっていますよね。
この「総合」の授業における宿題は、
「全員必ずやって来なさい」という旧来型の宿題ではありません。
調べたい子が、調べたい時に、調べたいことを調べるという宿題です。
中には家に帰る前に学校で積極的に調べてしまう子もいます。
それも「あり」です。
昔の教師なら、「宿題なんだから帰ってからやりなさい!」と怒っていたことでしょう。
そんな風に、宿題の在り方も今は変わってきています。
4.子どもたちを「観る」
1時間目が終わった直後の風景です。
先生は職員室に戻りません。
教室で子どもたちの様子を観ています(疲れているようでもあります)。
実はこういったことも教師の仕事です。
教室にいることで、空気が崩れ過ぎないようにしているのかも知れません。
観察することで、集団を次の授業につなげているのかも知れません。
本当の意味での「休憩」は無いわけです。