講座70 離乳食で能力を引き出す!

中村陽香先生(歯科医)の離乳食講座の報告です。
レポーターは千葉県のMさん!

3人目の子にして初めて離乳食のことを勉強した。
これまで適当に離乳食をやり過ごしてきてしまったが、子どもの「体づくり」に直結していくことが分かった。

1.離乳食には練習が必要!

離乳食とは、「補完食」とも言われることもある。。
母乳やミルクを補うための食事。

自分で食べていくための練習期間!

哺乳は本能でできる。
でも、上手に食べていくためには練習が必要。

2.離乳食は誰の仕事?

離乳食とは誰の仕事でしょうか?

上の二人を育てていたときには、離乳食は母親が作って「食べさせなくちゃ!」と思っていた。しかし、本来は自分で食べる練習。

①何を食べるか
②どうやって食べるか
赤ちゃん自身が決める

離乳食は離乳期の食事。「自分で食べる」を応援する時期。

3.必要がない?

赤ちゃんを主人公にしている離乳食は、

①ドロドロから始める必要がない
②おかゆから始める必要がない
③スプーンで始める必要はない

赤ちゃんは、高い能力をもっている。
それをどのように引き出していくことができるかが親の仕事。
離乳食を与えるときに、
ただ口を開けて待つだけの子にしたくない!!!!

4.脳と舌の発達

食べるという行動は脳から始まる。

①食べ物を認識する(認知)
②口へとりこむ(捕食)
③かむ(咀嚼)
④飲む

①と②は、「認知」の練習。
赤ちゃんは、何でも口で入れる時期がある。
危険なものでなければ、口に入れさせるようにする。

③と④は、「舌」の練習。
べろの動きは練習によって発達する。
授乳のときには「前後」に動く。
離乳食の練習の時には「上下」そして、次第に「左右」に動くようになる。

5.個人差がある

離乳食の本の中には月齢に対して離乳食の内容や頻度が書かれている。
しかし、あまり意識しなくてよい。
子どもの発達には個人差がある。

発達には「順番」があるので目の前の子どもに合わせていけばいい。

発達には順番がある。
「ずりバイ」、「ハイハイ」の次に「お座り」。
「ハイハイ」をしている中でつっぱって「お座り」をするようになる。
無理やり座らせない。

6.離乳食を始める前段階

まず「体づくり」から始める。

①いろいろな物をなめさせる(自分で口に運ぶ)
②食べ物に触れさせる(アグアグ・カミカミを継続)
③いっしょに食卓を囲む(椅子やひざ)
④食べているところを見せる

なめさせる物は「おもちゃ」である必要はない。
「野菜」でもいい。
噛み切れない・飲み込めないものにする。
ブロッコリーの芯、ゴボウ、白菜の芯、人参など。

人間は真似をする生き物なので、食事はみんなでするなどのことを見て真似させるようにする。

7.離乳食を始める時期

①「欲しそう」にしているとき
②首が座っている
 左右に寝返りできる
③支えたら座れる(上体が安定していること)
④スプーンで下唇を刺激したときに、「あーん」と口が開く
 ×舌が出てくるときは、まだ始めない。授乳の反射が残っている。

8.最大のポイント

哺乳は、口が開いたままする。
食事は、口を閉じて食べる。

これが最大のポイント!

唇を鍛えることが大切!!!!
「お口ぽかん」は禁止。
口が開いていることがあれば、口を閉じるようにする。

スプーンは下唇に置いて待ち、まっすぐ引き抜く。

私はこれが全く出来ていなかった。
スプーンに入ったものを全部食べさせようとしていたので、上の歯茎にこそいでいた。そうならないためには、薄いスプーンを使った方がいい。

9.抱き方・普段の姿勢

「お口ポカン」にならないためには、抱き方と普段の姿勢が大切。

抱っこしたときに、頭が後ろにいくと、口が開いてしまう。

我が子三人を見ているときにも、口呼吸になっていないかどうかを確認するようにした。また、15分以上同じ姿勢で抱っこしないことが大切。
同じ姿勢だと赤ちゃんの体が固まってしまう。

私は子どもが2人、3人と増えていく中で、抱っこ紐で抱っこすることが多かった。抱っこ紐に入れておんぶしていると、2,3時間寝てくれるので、自分の時間を確保することができて楽だった。
しかし、それが子どもの身体に負担があるなんて考えてもみなかった。

10.タテ飲み

授乳は、離乳食を始めるときには「タテ飲み」にする。
食事のときにも、身体を立てるので、それに合わせるようにする。

食事の時の姿勢は、

①足がついていること
②背中がぐらぐらしている姿勢はよくないので、クッションやタオルをはさんでおくこと。

11.何からあげるの?

離乳食を何からあげる?

離乳食の形状は、飲み込めたらOK!

育児書には、どれを読んだって
 ①おかゆ
 ②にんじん
 ③かぼちゃ
のような流れが書いてある。
何の疑いもせずに、このように上の二人は離乳食を与えてきた。

しかし、中村先生は衝撃的な言葉をおっしゃった。

最初は「野菜」から!

旬で安全なもの!苦味のあるものこそ早めに始める!
最初は何でも受け入れられるので、ブロックが外れやすい。

1週間~1か月後に炭水化物を始める。

その後に、タンパク質。

12.離乳食は作らない!?

離乳食は作らない。

家族のご飯のついでに、ちょっと手をかけてあげる。(つぶす、皮をむくなど)
すりこぎ、茶ごしなどを活用するといい。

野菜パウダーがおススメ。
水でとけば食べさせられる。

おかゆ作りは、電子レンジで作れるものもある。
お魚は、お刺身用がおススメ。

13.離乳食の量

食べたい量は赤ちゃんが決める。

野菜>炭水化物>タンパク質
炭水化物ばかりあげていると、太ってくる。

排泄物の様子がいつもと違っていたら前日に与えたものが合わなかった可能性がある。

14.「手づかみ」はいつから?

①始めから
②本人がつかみたいと思った時

手を出してきたら、それは喜ぶべきこと。

私の三番目の子は4カ月の頃から「手づかみ」を始めた。
持たせたのは野菜スティック。
最初は、口に入れることが出来なかった。
私が手に持った野菜をあげると、吸っていたが、長時間はできなかった。
また、自分で持たせてみようと思ったが、手で持つことも難しかった。

しかし、今では、食事に対する意欲がすごい。

「ご飯の準備してくるね」と言うと「期待した顔」で待っている。

今日はスティック野菜として、ブロッコリーをあげた。
顔の前に野菜を見せると、片方の手を出して取りに来る。

まだ歯はないが、必死にかみ切りながら食べている。
口に入れると、もぐもぐしながら食べている。

食べ続けてくると、切れてしまい、小さくなる。
小さくなったものも手で持って口に運んでみるが、指しか口に入らずに「あれ?」という顔を見せる。

「手にはブロッコリーがあるのに、どうして味がしないのかな?」
そんな表情をしながら、指を見て何度も口に運んでいた。

何度も何度も挑戦する姿が見える。
生きる意欲を育てていることを実感する。

手づかみ食べは、食べる意欲を育てる!
生きる意欲を育てる!

手づかみ食べは、手と口を使う
手と口を使うことは、脳をたくさん使うこと。
脳を育てていることにもなる。
かしこい子への第一歩。

離乳食は「自分で食べる練習」。
赤ちゃんの能力を引き出す機会。
失敗も大事にしながら、自分で唇を閉じる練習をさせること。

 まとめ
1.離乳食には練習が必要!
2.離乳食は誰の仕事?
3.必要がない?
4.脳と舌の発達
5.個人差がある
6.離乳食を始める前段階
7.離乳食を始める時期br>8.最大のポイント
9.抱き方・普段の姿勢
10.タテ飲み
11.何からあげるの?
12.離乳食は作らない!?
13.離乳食の量
14.「手づかみ」はいつから?

協力:Facebookページ歯医者さんの離乳食・幼児食教室『やさいっ子』

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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