講座398 スーパーの床で「イヤイヤ」が始まったら!
先日「ママ先生の会」にてQA講座をやらせていただきました。
その時に次のような質問をいただきました。
買い物途中に「イヤイヤ」が始まったらどうしたらよいでしょうか?
イヤイヤ期についてはこのブログでたくさん書いて来たのですが、
このように直球で質問をいただいたことがなかったなあと思い、私は少しあわてました。
ちゃんと答えられなかったかも知れないと思い、少し反省しました。
その時の回答をふまえて、もう一度整理してみます。
2.買い物客の視線
3.場所を変えて話す
4.子どもの視界から消える
5.出来事をストーリーにしてあげる
6.戦わずに別空間へ引き込む
7.まとめ
1.対応の技術は二つ
「イヤイヤ」への対応技術は二つです。
(1)クールダウン
(2)ほっとダウン
詳しくはこちらご覧ください。
講座58 イヤイヤ期の正体 講座175 イヤイヤ期をハックする 講座176 イヤイヤ期対応マニュアル
今回は「その場でどうするか?」という具体的な対応場面についてだけ書きます。
2.買い物客の視線
その場所はスーパーのお菓子売り場だとします。
子どもは床の上で泣き叫んでいます。
お母さんはどうすべきか?
まず、他の買い物客の視線が気になりますよね。
何もしないわけにもいきませんし、怒鳴ったら怖い母親だと思われそうです。
多分、声をかけることになるでしょうね。
声をかけるということは「ほっとダウン」です。
「帰りたくないの?」
「お菓子買いたいのかな?」
そういう感じでしょうか。
①感情を言葉にしてあげる
これが基本ですね。
子どもは泣き叫んでいますからスイッチは感情脳がONです。
言葉では届かないのが前提ですから、優しい言葉を何度か繰り返すとか見つめ合うなどで感情脳をOFFにさせなければなりません。
それでうまく行けば、あとは事情を話して理解してもらうように努めましょう。
でも、これはうまく行く場合の話です。
3.場所を変えて話す
泣き叫んで感情脳がOFFにならない場合もあります。
その時はクールダウンを使うしかないでしょう。
クールダウンの基本は「環境を変える」です。
②お菓子売り場から離れて、少し静かな場所に連れて行って、落ち着かせてから言葉をかける。
これでうまく行けばいいですね。
4.子どもの視界から消える
でも、床で泣き叫び続けて移動できない場合も考えられます。
腕をつかんで無理矢理その場から引きずり出すには勇気が要ります。
その場合はどうしたらいいでしょう?
クールダウンの基本は「環境を変える」でした。
子どもがその場を離れずに泣き叫ぶ場合は、親がその場から離れましょう。
ずっとそばにいると恥ずかしいですしね。
③子どもの視界から消える。
子どもにとってはこれは「環境が変わった」ことになります。
さっきまでそばにいたお母さんがいなくなったわけです。
そばにいたから安心して泣けたのかもしれません。
でも、いなくなったら不安になるでしょう。
お母さんがいなくなったことに気づいた子どもは泣き叫ぶことをやめるかもしれません。
子どもの様子が見える場所で観察します(見えない場所だと放置したことになるのでダメです)。
この時に子どものとる行動は次の三つです。
A)歩いてお母さんを探し始める
B)母親がいない不安で泣き始める
C)気づかずに泣き続ける
探し始めた子はスイッチが切り替わっていますから、どこか適度な場所で出会ってハグしてあげましょう。
「ごめん、ごめん。探してたの?」(ギュ)
ここで言葉をかけるチャンスです。
「帰りたくないの?」
「お菓子買いたいのかな?」
話ができる状態であれば、買うか買わないかを話し合って決めます。
問題は「買う/買わない」ではなく、泣き叫んで感情脳がONになってしまったことです。
それが切り替えられたことをストーリーにしてほめてあげましょう。
そうすればその日の夜の睡眠中に脳が記憶るかも知れません。
5.出来事をストーリーにしてあげる
B)母親がいない不安で泣き始める
これはこちらからすぐに駆け付けてあげましょう。
「ごめん、ごめん。探してたの?」(ギュ)
これだったらまわりの人からも悪く思われませんよね。
泣き叫びがOFFになっていますから、あとはさっきと同じです。
「帰りたくなかったの?」
「お菓子買いたいのかな?」
質問に答えられるようになっているはずです。
それは人間脳がONになっている状態ですから、その状態をキープさせたまま話し合います。
ここでも泣き止んだことをほめてあげましょう。
家に帰ってから夕食の時にでも、一連の出来事をストーリーにしてあげると経験化されるかもしれません。
6.戦わずに別空間へ引き込む
C)気づかずに泣き続ける
これには2パターンあります。
本当に気づいていない/気づいているけどわざと泣き続ける
いつまでも隠れて観察していたら周囲に怪しまれます。
ここは出て行きましょう。
私だったら次のようにします。
子どもの超近くで、
「(わざと聞こえる声で)あ、これ買おうかな」
「○○君、好きだったか?」
「でも前に買ったばかりだから今日はどうしようかな?」
④戦わずに別空間へ引き込む(構わないようにして構う)。
泣いていることには構わず、わざと自分の世界で買い物を続けます。
「あれ?○○君はこの味、好きだったかな?」
とか言って、わざと聞こえるようにして行動します。
そうすると、泣き止んで会話に入り込んで来る可能性があります。
これで感情脳はスイッチOFFになります。
しぶとく泣き続ける子は強情な子です。
意地が強く、一度こうと決めたらそれを守り通す子です。
そのプライドとは闘わずに、その子のそばで、まったく別な空間を作ってあげるわけです。
7.まとめ
ということで、スーパーの床でのイヤイヤ対応について考えてみました。
まとめます。
「イヤイヤ」への対応技術は二つです。
(1)クールダウン
(2)ほっとダウン
クールダウンは落ち着かせる工夫です。
ほっとダウンは感情を言葉にして受けとめる工夫です。
どちらも目的は興奮している感情脳をOFFにすることです。
①感情を言葉にしてあげる
②お菓子売り場から離れて、少し静かな場所に連れて行って、落ち着かせてから言葉をかける。
③子どもの視界から消える。
④戦わずに別空間へ引き込む(構わないようにして構う)。
具体的な方法を4つ提示しました。
そして、毎回泣き叫ばれると疲れますから、この出来事を「経験」として記憶させる方法も紹介しました。
・泣き止んだことをほめてあげる
・一連の出来事をストーリーにしてあげる
その出来事を聞いたお父さんが、夜に布団の中で昔話風に「語り聞かせ」をしてあげると最高ですね。
色んなパターンまで示して下さり、助かります!
落ち着いてから、振り返って話すことはしていましたが、寝る前に昔話風には全くできていませんでした。教えて下さりありがとうございます!