講座334 2~3ヵ月目・モビール

前回の復習をしましょう。

1.注視するのは「人の顔」
2.どんな顔で見つめてあげるか
3.勉強ができる子になる!(好奇心と集中)
4.思いやりのある子なる!(人との二項関係)
5.寝返りがまだ出来ない

今回も「注視」についての続きです。

 目 次
1.モビール
2.退屈と刺激
3.ポジティブな養育行動

1.モビール

タミーさんからコメントをいただきました。

娘を天井を見つめているだけにしていたと反省しました。
集中力は、この時につくのですね。
生まれてすぐから、笑顔で見つめ合う時間を大切にしようと思いました。
勉強になりました。(タミー)★5

でも、お母さんが四六時中見てあげることは出来ませんよね。

そこで活躍するのがこれです。

モビール

さっそく見て下さい。

この時はもう3ヵ月を過ぎていましたが、もっと早くから吊り下げていました。

このモビールはお母さんの手作りです。

使っている折り紙は小学生の時から貯めていた「宝物」だったそうです(ウチは節約一家ですから)。

もう言うまでもありません。

これも「注視」です。

「人」ではありませんから「物との二項関係」です。

赤ちゃんはなぜかモビールを注視します。

ゆらゆら揺れるので好奇心が湧くのでしょうか。

動きがゆったりしているので集中して見ていらますよね。

これならお母さんが離れていても大丈夫です。

2.退屈と刺激

赤ちゃんも含めて、小さい子どもの最大の敵は「退屈」です。

遊び盛りの幼児や小学生は「退屈」を超嫌がります。

ちょっとでも暇があれば「ヒマだあー」と叫びます。

何にもできないまま長距離で移動するのもヒマですよね。

先生の授業にちょっとでも間があればよそ見をします。

子どもは刺激を求めているのです。

成長するためです。

脳を発達させるためです。

赤ちゃんも同じです。

ずうーっと同じ部屋で天井を見ているだけだと刺激が少ないですよね。

しかも、まだ視力は弱いです。

ぼんやりとした世界にたった一人です。

今、「世界」と「一人」と書きましたが、実はその「世界」も「一人」も認識していません。

赤ちゃんはまだ「世界」も「自分」も知らないのです。

最初に認識するのは「お母さん」という刺激です。

次に、「お母さん」の他にも別な人がいるという刺激や、

人の他に「物」という刺激を認識していきます。

赤ちゃんはそうやって「世界」を広げている最中なんです。

もっと言うと、この「世界」というのは「客観的な世界」です。

モビールを見ても、「ああ、きれいだなあ」とか、「なんだろうこれは?」なんて思いません。

感動や疑問は主観です。

自分が確立してから生まれる世界です(主観的世界)。

赤ちゃんが自分を認識するのは1歳前後(6ヵ月~1歳半の間)だと言われています。

ですから、その前にたくさんの刺激をもらって世界を広げるのが0歳前半の子育てです。

かまう

「かまってあげる」ということですね。

でも四六時中かまってあげることができないので「物(おもちゃ)」を活用します。

その第一歩が天井からぶら下げる「モビール」というわけです。

3.ポジティブな養育行動

最後に、「母親の子育てが子どもの学ぶ意欲,成績に及ぼす影響」という研究を紹介して終わります。

これは幼稚園児の母親に対する研究結果をまとめた図ですが、その態度は乳児期の子育てから始まっているのではないかと考えられますので参考になると思います。

簡単に言いますと、どんな子育てをすると「学ぶ意欲の高い子」になるかという話です。

そして、当然のことですが、この「学ぶ意欲が高い子」は教科でも運動でも成績が良くなります。

子どもの学ぶ意欲が高くなるのは「ポジティブな養育行動」です。

では、「ポジティブな養育行動」はどこから生まれるか?

1.固定的な発達観を持たないこと
2.母親自身に自尊感情があること
3.子育てに不安や負担を感じないこと

この図を紐解くとこうなります。

この中の「1」だけを解説します。

固定的な発達観を持たないこと

「固定的な発達観」というのは、「親が子育てを工夫しても子どもの能力は変わらないだろう」といった考え方のことです。

極端に言いますよ。

「赤ちゃんの時に色々な工夫をする」という考え方(発達観)がない母親のことです。

もっと大雑把に言いますと、「勉強させるのはもっと大きくなってからでいいだろう」みたいな考え方です。

赤ちゃん時代の発達観を持っていないということです。

ですから積極的な養育行動をしないわけです。

この研究は幼稚園児を対象にしていますが、乳児期こそ同様の傾向が強く出るものと思われます。

そういう母親の元では「子どもの学ぶ意欲」が低くなるという研究結果です。

なぜ、モビールを吊るすのか

それは発達観を持っているからです。

「子どもは発達するもの」

「乳児期は特に著しい」

「退屈は敵」

「刺激は大切」

「かまうことは大切」

そういうのが発達観です。

その対極にあるのが、能力の発達に関心を向けない「固定的な発達観」です。

おわかりいただけましたでしょうか。

現在、子育ての仕方は学校で習いません。

大多数が核家族となり、子育ての仕方を見る機会も減りました。

かつては「見よう見まね」で、畳語を使ったり、実況中継をしたり、モビールを吊るしたりしてきた部分がありますが、そういう機会が減っているのです。

どこかで誰かがつないでいかなければと思っています。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    折り紙の手作りモビールは、家族愛が詰まって良いなと思いました。
    お金を出さなくても手軽にモビールを用意できることを知ることができました。
    折り紙の先に鈴をつけてみるのは、いかがでしょうか。
    我が家にも小さな鈴がないか気にして見てみようと思います。

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