講座320 QA⑧落ち着きのない子どもは普通学級に行かない方がいいのか?

Q8 落ち着きのない子どもは普通学級に行かない方がいいのでしょうか?

私はこの質問を受けてショックを受けました。

即答できませんでした。

今回、ブログの上で、あらためてこの質問に向き合いたいと思います。

1.それは偏見です

この質問の背後には次の価値観が隠れています。

落ち着きのない子どもは普通学級に行かない方がいいのではないか

程度はわかりませんが、質問者さんの心の中には、この価値観があって私に確認を求められたのだと思います。

どうして落ち着きのない子は通常学級に行かない方がいいという考え方が出て来るのでしょうか?

ここからは推測になります。

それは多分、クラスの中で迷惑がかかることを心配されているからなのではないでしょうか。

授業中に立ち歩くとか、騒いでしまうとか、そういう心配です。

「行かない方がいい」という言い方は、そういう意味なのではないかと思うのです。

そして、同時に、「本当は行かせたいんだけど」という意味も含まれているような気がします。

【消極的選択】通常学級に行かせたいけど(迷惑がかかるので)発達障害の子は行かない方がいい

このような選択は学校現場で時々見られます。

そして、このような考え方をするのは教師よりも保護者に多いような気がします。

教師はむしろ逆です。

【積極的選択】本人の発達のために特別支援学級を選択しましょう。

学校は、周りに迷惑かどうかではなく、本人(子ども)にとって何が最善かという考え方をします。

「手のかかる子は特別支援に」という考え方は過去の話です。

今は「どんな支援が最適か」という視点で環境を選択する時代です。

しかし、

特別支援学級は大変な子が行く所

そういう偏見がまだ残っているのも事実でしょう。

このことについて、少し詳しくお話ししたいと思います。

2.スペシャルの意味

特別支援学級は大変な子が行く所

これは学校教育を知らない人の認識なんです。

個別最適

本来は、その子に合った教育を提供するのが学校教育の役目です。

特別支援教育は、学校教育本来の目的を達成しやすい優れたシステムなんです。

特別支援教育を施す場所は四つあります。

希望すればどこでも選べるというわけではありませんが、「行かなければならない」のではなく、「選べる」という考え方が基本になります。

また、通常学級にも特別支援教育があることを忘れないでおいてください。

日本の学校教育制度はまだまだ発展途上ですが、今ある制度を正しく理解し、最大限に活用することことが子どもの利益につながります。

ですから、「行かなければならない」ではなく、「選ぶ」という姿勢が必要です。

その上で判断材料になるのが、その子の実態です。

「落ち着きがない」というだけでは、特別支援教育の対象にはなりません。

検査をして、客観的に判断をした上で、どのような支援が最適かを考えることになります。

今では医療や福祉との連携も進み、意図的計画的な支援が用意されるようになって来ました。

「特別」という言葉からは偏見が薄れ、「贅沢」というニュアンスさえ感じられらるように変わりつつあります。

講座304「ギフテッド(天才の育て方)」でも解説しましたが、たとえ発達障害を抱えていても、その子の個性は社会の財産なのです。

その能力を潰さないこと、発揮させることが特別支援教育の目的です。

昭和の昔に見られたような偏見は、早く世の中から無くしてしまいたいと思っています。

3.壁を壊す

しかし、今書いたようなことは特別支援教育の建前かもしれません。

実際には壁があります。

世の中にある偏見はその壁の一つでしょう。

もう一つの壁は教員の質です。

特別支援教育に携わる教師にはそれこそ特別なスキルが必要です。

通常学級を担当する教員よりも優れた能力を持った者が任務にあたるべきです。

しかし、杉山登志郎氏が指摘したように、

「通常学級を持たせられない教師を特別支援教育の担当に回す」というまったく逆の人事を行う学校があります。

私から言わせれば、通常学級を持たせられない教師には、なおのこと特別支援学級は持たせられないとなるのですが、学校現場が抱える問題は他にもたくさんあるために手が回らないのです。

このように、特別支援教育の本当の目的を実現するためには壁があります。

制度を変えたからと言って、すぐに世の中は変わらないものです。

ただし、繰り返しますが、今ある制度を正しく理解し、最大限に活用することことが子どもの利益につながります。

理解者、活用者が一人ずつ増えることによって、壁は崩れて行きます。

これも世の中の真理です。

現に、今、学校現場では特別支援教育について勉強する先生方が増えて来ています。

数年前までは、発達障害に対する理解はまだまだ少しだけでした。

今は過渡期だと思います。

優れた先生もあちこちに存在します。

通常学級がいいか、特別支援学級がいいかなど、迷った時は、その学校にどんな先生がいるか、見学はできるのかなど、現状を調べて、その子に適した環境を検討してあげてください。

身近に相談できる人を見つけて下さい。

以上が私からの回答です。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. 畠山文 より:

    支援級はスペシャルに同意です。支援級や発達障害について知ることで、支援級はスペシャルだと私は思うようになりました。しかし、義母が娘を支援級に通わせることに対して難色を示したことで、偏見を改めて感じました。

    私は特別に先生が付いてくれて贅沢。そんな気持ちで義母に伝えたのですが(笑)

    • 水野 正司 より:

      特別支援学級は贅沢。
      教室を二つ持って、先生も二人います。
      話を聞いてくれる機会も通常級の何倍もあります。
      先を見越した長期的な計画も立ててくれます。
      最高ですね。

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