講座288 子育て講座:Q&A②

先月に続き7月17日(日)に北見市で子育て講座をさせていただきました。

主催は「北見スマイルこそだてネットワーク」(代表・杉本一恵さん)です。

今回のテーマは次の2つです。

1、発達障害、理解してますか?
2、幼児教育のスキル

全部は出来ませんでした。

例によって、ゆる~く、楽し~く、やらせていただきました。

最後はいつものQAコーナーです。

いただいたQをいくつか紹介させていただき、その時には話せなかった部分も加えて整理してみます。

 目 次
Q1.文字を読むのはもう少し待っててもいいでしょうか?
Q2.子どもの要求を受け入れる基準を知りたいです!

Q1.文字を読むのはもう少し待っててもいいでしょうか?

4歳、年中さんの女の子です。

もう、ひらがなで自分の名前は書けます。

書くのは好きなようですが、それに比べて文字を読むことには興味が少ないそうです。

これはですね。

この「文字」というのは多分「ひらがな」だと思うのです。

①ひらがな
②漢字
③数字

この3つの中で、一番つまんないのが「ひらがな」なんです。

大人は「ひらがな」が一番やさしいだろうと考えますよね。

でも違うんです。

一番難しくて、一番つまんないんです。

だって、「ぬ」という平仮名に意味がありますか?

「ぬ」ってナンダ?

具体的にイメージできませんよね。

それに比べて漢字は意味があるんです。

「苺」(いちご)

イチゴなら子どもでも知ってますよね。

ですから、「苺」という漢字を見せたときに、「これがイチゴっていう漢字だと」って教えると、幼児は苺という漢字を覚えてしまいます。

意味があるからです。

イメージできるからです。

数字も意味がありますよね。

ですから、平仮名より数字の方が理解しやすいのです。

それに対して平仮名は記号ですから、「これが『ぬ』だよ」って言われても「ハテナ」ですよね。

「『ぬ』ってなんだ?」

そこで大人は仕方なく、「『ぬ』は『ぬりえ』の『ぬ』だよ」と説明します。

説明が必要になるんです。

みなさん、説明されるのって好きですか?

説明されるのって、あんまり楽しくないんです。

「遊び」とはかけ離れています。

以前に、

幼児期の勉強は子どもにとっては遊びである。

という解説をしたと思うのですが、

「説明」は遊びになりにくいのです。

「漢字輪郭カード」という教材をご存知ですか?

こういうカードがあるんです。

カードを見せた時に、見せると同時に「いちご」って言ってあげます。

説明はしません。

次々といくつかの種類のカードをめくります。

こうした「遊び」を何度かやっていると、大人が言わなくても、子どもから「いちご!」と言えるようになります。

これも数回やるだけで、今度は漢字だけのカードを見せます。

子どもは読めちゃうんです。

で、「スゴイ!」ってほめられてうれしくなるじゃないですか。

これが幼児期の能力に合わせた「遊び」なんです。

そして、教材には「遊び方」もあるんです。

子どもが「できた!」「楽しい!」って思える遊び(学習)が必要なんです。

一般的な教材は次のようなものですよね。

こうした「ひらがな表」「ひらがなカード」「ひらがな積み木」がありますよね。

これはこれで大切な教材です。

でも、漢字輪郭カードと比べると情報量が多いのがわかりますか?

「いちごのい」という読解が求められていますよね。

その求め方が苦痛にならないように注意する必要があります。

無理はさせない。

無理をさせるくらいなら、積み木としてただ遊んでいるだけの方がいいんです。

使うときに「できる!」「知ってる!」「楽しい!」という気持ちが大切なんです。

「漢字輪郭カード」の使い方(教育技術研究所)

Q2.子どもの要求を受け入れる基準を知りたいです!

子どもって、大人の思い通りにはならないですよね。

「あれしたい!」「これしたい!」「これはヤダ!」

成長するにつれて要求も多くなります。

その時に、親は迷います。

「これをさせていいんだろうか?」

「果たして許していいものか?」

これはですね。

子育てに関心の強い親ほど悩みます。

なぜなら知識があるからです。

いろんな情報を得て、勉強してますから、余計に悩むのです。

「このお菓子は体に悪いものが入っている」

「夜8時には布団に入らせなきゃいけない」

勉強してますから許すべきかどうか迷います。

そして、一度判断したら、その判断を貫き通したくなりますよね。

「この前はイイって言ったのに、今日はダメって言った!」

というのは避けたくなります。

親の威信を守りたくなるものです。

だからこの質問があるのだと思うのです。

子どもの要求を受け入れる基準を知りたいです

でも基準なんてありません。

あるとすれば、それは、

親の「気持ち」です。

子ども:「このお菓子買って!」

親:「ダメ!買いません!」

想像してみましょう。

母親A:「ダメ!買いません!」(明るく言う)

母親B:「ダメ!買いません!」(怒って言う)

同じ言葉でも、その時の「気持ち」によって言い方は違って来ますよね。

Aは「ダメ!買いません!」をめっちゃ明るく笑顔で言ったとします。

半分ふざけた感じですね。

全然怖くない。明るい感じです。

「買いませーん!」って笑いながら言う感じです。

この時の母親Aは気持ちに余裕があるわけですよね。

感情的になっていませんから。

で、その気持ちに従って明るく対応したわけです。

でも、私たちっていつでも明るいわけじゃないですよね。

余裕のない時もあります。

感情的にもなりますよね。

それは仕方ありません。人間ですから。

人間の行動はその時の自分の「気持ち」が基準になってしまうのです。

そういうものなのです。

でも、勉強されているお母さんなら、怒ったらダメだって知ってるはずです。

なるべく怒らずに対応したいと思います。

ですから「正しい方向」は次の2つです。

(1)自分が(親自身が)なるべく機嫌よく過ごす。
(2)対応するための方法(選択肢)をたくさん持つ。

子ども:「このお菓子買って!」

親:「あっ!」

全然関係ない対応でとぼけて見せるっていう方法もありますよね。

子どもは大した欲しかったわけではなく、ちょっと言ってみただけという場合もあります。

その時に「あっ!」と言って、「えっ?何?」「お母さんどうしたの?」と思わせてはぐらかす。

そういうお母さんって実在しそうですよね。

よく「6秒待てば冷静になれる」なんてありますが、

一時的な衝動を切り替えさせるためにはいくつかの方法があります。

今のはその一つです。

「あっ!」って言った後に、「え?何?もう一回言って!」って促してもいいでしょう。

「そうなの!これ欲しいの!」とまずは気持ちを受けとめるという方法もあります。

その後の展開は様々です。

もしかしたら「やっぱりいらない」と言うかも知れませんし、

「うん。すごく欲しいの。どうしてかって言うとね…」と深い理由があるかも知れません。

「このお菓子買って!」というたったこんな場面に対する方法だって一つじゃありません。

子育ての方法って、たくさんあって正解はないんです。

でも、「正解はない」なんて言いながら、世の中は「正解」に縛られています。

こういう時は「ダメ!」って言って叱るのが「しつけ」なんだって思っている大人って多いと思います。

ネットやテレビではそういう場面が当たり前のパターンであって、

「受容する」とか「考えさせる」とは「びっくりさせる」なんて規格外ですよね。

でも、現実場面ってそんな単純ではありません。

場面によって、子どもによって、親によって違って来ます。

ですから「正解」はない。

そして、「正解はない」と言っておきながら縛られている。

そういう状況なんだと思います。

だから私はこのブログで「正しい方向」「全体構造」を提示することに力を入れています。

そして、その「正しい方向」には明確な基準があります。

「親によし!子によし!世の中によし!」であるかどうか。

一つとか二つじゃダメなんです。

この「三方よし」がそろっているかどうか。

私の場合はそれが基準です。

ですから「親によし」は外せないんです。

親が無理して対応するのはよくないんです。

基準で自分を縛るのではなく、選択肢を増やして自由度を増す。

そのために子育ての知識を増やす。

そういう感じです。

大人の勉強も楽しくなきゃダメだと思います。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    平仮名はイメージしにくい。
    説明が必要。
    勉強になりました。
    2歳の娘、数字に興味がありますが、ちょっと遅いかもしれません。
    学習する言葉の順番や早さではなく、娘の関心を大事にしたいと思えました。

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