講座24「悪い子」に育つ6つの方法
本来、子どもはみんないい子です。
悪い子なんていません。
江戸時代の子どもも、令和の子どもも、昭和の子どもも、
生まれたときはみんな同じです。
最初から悪い子なんていません。
でも、環境によっては「悪い子」に育ちます。
それは「悪い子」に育つ方法があるからです。
どんな方法かを話す前に、どんな子が「悪い子」なのか復習しましょう。
臨床心理学では「悪い子」というのが決まっていました。
次の3つが「悪い子」です。(Perry & Pollard, 1998)
①暴力を奮う子(Fight)
②逃亡する子(Flight)
③固まる子(Freeze)
この3つのうちのどれかに当てはまれば「悪い子」です。
その理由はシンプルです。
この3つは、どれも自分を守るための行動です。
「防衛反応」と言います。(大河原美以, 2018)
この防衛反応は本能です。生きるための反応です。動物的な脳が働いています。
このことについて、覚えておきたい大事なポイントがあります。
人間脳と動物脳は同時に働かない。
防衛反応、つまり、動物脳が働いているときは、人間脳が働いていません。
自分を守ることに専念するのです。
人間脳というのは、あれこれと「考える脳」です。それが働かない。
ということは、考えて行動をコントロールすることができないということです。
もっと簡単にいうと、
感情コントロールができない
ということです。
今回のお話の最初に「悪い子なんていません」と言いましたが、
それは嘘ではありません。そう信じています。
人間は、生まれたときは、みんないい子だったと思います。
そして、それは、大人になってからも変わらないと思います。
みんな「いい人」のはずです。
ただ、自分の感情をコントロールできないと、
時として、間違ったことをしてしまう場合があります。
その「間違った行動」こそ、
自分の感情をコントロールできなかった結果
だと思うのです。
つまり、「自分の感情をコントロールできなかった結果」が、
「悪い子」という結果につながってしまうのです。
もう一つ大事なことがあります。それは、
防衛反応が習慣化すると人間脳が育たない
ということです。
暴力に訴えること、逃げること、固まること。
こうした行動が習慣化すると、
考えて行動すること、ふりかえって考えることが苦手になります。
ついつい「自分を守ること」に走ってしまうようになります。
したがって、子育ての大事なポイントは、
防衛反応を起こさないように育てる
ということに尽きます。
ということで、最後に、
「悪い子」に育つ6つの方法をお伝えして終わります。
(1)凄味を効かせる
(2)暴力的
(3)急がせる
(4)話が長い
(5)嫌味を言う
(6)同じことばかり言う
今回の講座の内容は次の本を参考にしました。
参考図書:大河原美以著『子どもの感情コントロールと心理臨床』