講座196 「よい子」の育て方 ②

講座193で、「よい子には3つの問題点がある」と書き、その一つ目を解説しました。

今回は「よい子」の問題点2つ目について書きます。

 目 次
1.おさらい(定義)
2.おさらい(親のタイプ)
3.「よい子」の問題点②
4.我が子が走って転んだ時
5.脳の中で起こっていること
6.まとめ

1.おさらい(定義)

その前におさらいをしましょう。

どんな子を「よい子」と呼ぶか。

「よい子」にも定義がありました。

①素直に従う
②我慢し、まじめに努力する
③暴力をしない。暴言を吐かない。

「定義する」とは名前を付けることを言います。

①~③のような特徴を持った子に対して「よい子」という名前を付けたわけです。

2.おさらい(親のタイプ)

こうした「よい子」を育てる親のタイプは2つです。

C 過干渉
D 過心配

「よい子」は、よく、「親が言うので…」と言います。

その親というのが過干渉タイプです。

また、「よい子」は、よく、「親が心配するので…」とも言います。

それが心配性(過心配)タイプの親です。

そして、

「親が言うので」「親が心配するので」は、感情(本能)

という解説をしました。

つまり、それが「過ぎる」と、

人間脳(前頭前野)が発達しにくいというのが問題点の①でした。

3.「よい子」の問題点②

これは予想がつくんじゃないでしょうか。

そうです。

「ストレス」です。

このスライドは「ストレスが溜まるとどうなるか」ということを表しています。

2種類あります。

(1)引きこもる

(2)陰で悪いことをする

抑圧されたエネルギーが「自分を傷つける」か「他人を傷つける」かに向かいます。

これが「よい子」の問題点②です。

詳しく考えてみましょう。

4.我が子が走って転んだ時

これは私が講座の中で紹介させていただいている事例です。

3歳くらいの男の子が走って転びました。

後ろを歩いていた母親が絶妙なタイミングで
「痛く ない!」と男の子に向かって叫びました。

こういう場面を見たことがありませんか?

私は時々ありますよ。

大抵、元気のいい、自信満々のお母さんかお父さんなんですよね。

で、

この子はどうするかというと、

顔をゆがめながらも起き上がりました。

本当は痛いんでしょうね。

でも、頑張って立つわけです。

そこでお母さんは、これまた絶妙なタイミングで言うわけです。

「えらい!」

男の子をほめます。

男の子は何事もなかったかのように立ち上がり、
そのまま走って行きました。

さて。

みなさんは、この子を、

よい子だと思いますか?

5.脳の中で起こっていること

一人で立ち上がったのですから「よい子」ですよね。

泣かなかったのですから「よい子」ですよね。

でも、この子の体はどうでしょう?

「痛い」って感じますよね。

この「痛い」って感じるのは感情です。本能です。

それを母親は「痛くない!」と言っているわけです。

したがって子どもは、

本当は痛いけど、お母さんが言うから我慢しようとするわけです。

出ました!

「お母さんが言うから」です。

これも感情です。

生きるため、お母さんに愛されるための本能です。

こうなると、脳の中では次の現象が起きます。

抑 圧

「痛い」「泣きたい」という本当の感情を抑えつけるわけです。

抑えつけてどうなるかというと、

「モヤモヤ」という形でその感情を封印します。

ここが重要なのですが、

消えないんです。

封印するんです。

そして、脳のこの状態を「ストレス」と言います。

ちなみに、「痛くない!」と叫んだ母親を「ストレッサー」と呼びます。

6.まとめ

これで問題点②のスライドが理解できたでしょうか?

(1)引きこもる

これは抑圧が自分の脳を傷つけてしまうケースです。

(2)陰で悪いことをする

これは抑圧されたストレスがストレッサーである母親が不在となる環境で暴走するケースです。

どちらも本人は無意識でやっているはずです。

いつの間にかそうなってしまうのです。

最後に、我が子が転んだ場合の普通の対応を紹介して終わります。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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5件のフィードバック

  1. みゃまゆ より:

    昔の日本には、泣くのは弱虫
    というイメージがあり、特に男の子は泣くんじゃないと言われてきていましたが、きちんと泣けることも大切なんだと知ることができました。
    痛かった 怖かったが自分でちゃんと言える子に育てたいと思いました。

    • 水野 正司 より:

      よくよく考えたら、痛くて泣くのは「普通」ですもんね!
      「普通」の子育てを広めたいと思っています。(^^)/

  2. まき より:

    「痛くない!」と言う親、見たことがあります。
    子どもの感情をきちんと受け止めないと、やり場がなくなってしまいますよね。
    受容・共感が大切だなと改めて思いました。
    ありがとうございます。

  1. 2023年4月30日

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