講座168 草をむしる体験
タイトルは「草をむしる体験」ですが、体験の中身は何でもいいのです。
動画は3つの場面に分かれます。
(1)草をむしったら手にくっついた場面
「アー、くっついてー」みたいな言葉を発していますね。
これは多分、言葉の意味を理解して使っているのだと思います。
ただ、発音がまだ不十分なだけです。
言葉は理解が先で、発するのは後です。
この子は、その前段階の理解がかなりできていると思われます。
次々と自然に、ひとりでも、言葉を発していますよね。
(2)鍵を手にした場面
「なんだこれ?パパの鍵じゃん!」
そんな風に聞こえてきます。
多分、自分の頭の中では言葉が明確に発せられているのだと思います。
頭の中ではそうであっても、口ではうまく言えないだけでしょう。
だから乳幼児との会話は、このことを頭に置いて、「子どもは理解している」と思って対応することが大切です。
(3)足の裏に意識を向けた場面
「あれ?ここ、なんか変だぞ!」
そんな感じですね。
ここで重要なのは口調が(1)(2)とは違っているところです。
少し不満そうな、不愉快そうな口調になりました。
そして、それを言葉で表現しようとしています。
感情を言語で表現する態度が育っていますね。
この「不満」や「不愉快」はイヤイヤ期になるとたくさん出てきます。
イヤイヤ期になってもまだ言語では明確にその感情を伝えられないものです。
感情が先に発達して言語は不十分だからです。
それに、この感情というのが意識ではなく無意識(本人も自覚していない)場合が多いのです。
しかし、この場面を見ると、間違いなく言葉の理解力は発達しています。
やがて自分の感情を言葉で理解できる日がやってくるはずです。