講座465 8月のコメント紹介(2022/08)
8月は次の方々からコメントをいただきました!
川口祥子さん
タミーさん
つむちゃんのお母さんさん
さつきママさん
8月は記事が少なくてごめんなさい。
講座143 食事で変わる脳の発達
辻先生の動画がうまくまとめられていてわかりやすかったです。母乳育児はやっぱり良いと思いますが、気持ちの問題があり伝え方が難しいと思っていましたが、学生の時にこのように、勉強する機会があるのはとても良い事だと思います。又、牛乳等の乳製品も妊娠中含めて全ての年代でモー毒とも言われている内容を多く見かけますが、どうなのでしょうか? 発達障害やうつ等の治療に乳製品を摂らないという食事指導をされるクリニックも増えているようです。気になります。(川口祥子)★
2021年の8月10日に公開した記事についてコメントをいただきました。
京都女子大学の辻 雅弘先生の講義を私なりに解説した記事です。
簡単に言いますと、
「食事」や「生まれたときの体重」でIQや行動が変わる
という話です。
この記事の結論は、
母乳以外にも、生まれた後の食事で発達は変わる
ということです。(詳しくは講座143をご覧ください)
川口さんは乳製品について気にされていましたが、私は毎日乳製品を摂っていますよ。
子どもたちは牛乳大好きでした。
何しろ北海道・別海町は生乳生産量日本一ですから!
ちなみに長女は結婚して酪農業をやっています。
発達障害も鬱病も腸内環境を整えることが重要ですから乳製品は必須だと思います。
ただ、そんなに量は要らないでしょう。
食事はバランスが大切だと思います。
厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」を載せておきます。
講座291 「赤ちゃんらしさ」って何?
我が息子は5ヶ月。
最近私が部屋から出て離れると、悲しそうに泣くようになりました。
私はその泣きに、「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」など言葉をかけています。
そうすると、不思議と泣きやみ、一人で遊びだします。
言葉は分かっていないとは思うのですが、感じているのでしょうね。(つむちゃんのお母さん)★7
このコメントの中には大切なことが詰まっています。
これだけで記事が一つかけるくらいです。
「赤ちゃんらしさ」を大切にする方法は、
できる範囲で無視しないで、やれる範囲で対応してあげる。
でした。
「できる範囲で」ということですから、できない時があってもいいわけです。
じゃあ、できない時はどうするか?
「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」など言葉をかけています。
これですね。
そうすると、不思議と泣きやみ、一人で遊びだします。
あるんですよね。こういうことが。
これはどうしてだと思いますか?
5ヵ月の赤ちゃんは言葉を理解できるのでしょうか?
通常、赤ちゃんが言葉を理解するのは10カ月頃だと言われています。
でも、それ以前の赤ちゃんでも「通じてるんじゃない?」と思う時ってありますよね。
子育てをしている時の私はずっと「通じてる」と思っていました。
でも、本当は通じてないんですよね。
文法的な理解力はありませんからね。
それじゃあ、「通じてるんじゃない?」と思う時があるのはどうしてなんでしょう?
言葉は分かっていないとは思うのですが、感じているのでしょうね。
それが、つむちゃんのお母さんが言う「感じている」なのだと思います。
「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」と言った時の空気のようなものを感じているのだと思います。
では、その「空気なようなもの」って何でしょう?
自己感
赤ちゃんはまだ「自分」というものがわかっていません。
でも、大人である私たちは赤ちゃんを一人の人間として認識しています。
つまり、ズレているんですね。
「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」という言葉は、赤ちゃんを一人の人間として認識しているから発した言葉です。
でも、本人である赤ちゃんは自分を認識していません。
ポカンとしているかも知れません。
でも、ですよ。
日頃からこういう言葉をかけられ続けていると、自己感が生まれるのです。
「あ、なんか話しかけられてる」
「これってオレのこと?」
そんな感じで徐々に「自分」という存在に気づいていくのです。
この自己感が生まれ始めるのはだいたい2ヵ月頃だと言われています。
6ヵ月くらいには基礎が形成されて、10カ月頃には出来上がる。
つまり、10カ月頃になると「自分に話しかけられている」という認識が明確になるから言葉を理解できるわけです。
だから、それまでは「理解している」ではなく「感じている」なんです。
これを難しい言葉で「前言語的自己感」と言います。(D.N.スターン『乳児の対人世界・理論編』)
ですから、「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」という言葉かけは意味があるのです。
実は大人の勘違いではあるのですが、赤ちゃんの発達にとっては意味があるのです。
これをアメリカの乳幼児精神医学者であるD.N.スターンは次のように説明しています。
誤解があるにせよ、乳児の能力のちょっと先に働きかけた時、乳児は期待通りに反応できる時もある。その結果、大人は喜び、乳児はそこに成立した交流を感じ取り、私は誰で、あなたは誰といった新しい感覚を持つようになる。自己感はこうして相互促進的に発達して行く。(前掲著・水野要約)
話を戻します。
「赤ちゃんらしさ」を大切にする方法は、
できる範囲で無視しないで、やれる範囲で対応してあげる。
でした。
「できる範囲で」ということですから、できない時があってもいいわけです。
じゃあ、できない時はどうするか?
「洗濯干したらくるからね」「トイレだからね」など言葉をかけています。
これですね。
そうすると、不思議と泣きやみ、一人で遊びだします。
これは「交流」が成立しているのです。
前言語的に空気を感じたのでしょう。
こういったことを日頃からくり返していると、赤ちゃんの自己感は発達し、交流の成功確率は増え、お母さんの「やれる範囲での対応」も幅が広がっていきます。
声かけの大切さがよく分かりました!泣いてもすぐに対応できないことがよくあったのですが、解説を読んで安心しました。(さつきママ)★★★
Facebookメッセンジャーからですが同じような感想をいただいてます。
先生の、赤ちゃんらしさ、幼児らしさ、子どもらしさ の投稿を拝見して、改めて自分自身がイライラしてしまうことも本当は「らしさ」なんだよなぁ~と感じているところです。(Tomiko Nishimori)
そうなんです。
対応できない時があっていいんです。
それが「人間らしさ」なんです。
今回の一連の「らしさシリーズ」の裏のテーマは「完璧を求めない」です。
人間ですからね。
できない時があって当然です。
やれる範囲で対応してあげる。
これはとても大切な考え方だと思います。
これは、
本当は対応してあげたいんだけど今はできない。
ということです。
対応することの大切さを知っているわけです。
知らないで無視するのとは全く異なります。
今はできないからこそ、「洗濯干したらくるからね」などといった対応も生まれます。
よく、「子育てに正解はない」と言われますが、
私は正解はあると思っています。
正しい解は知っておいた方がいい。
ただ、知っているのと、その通りやるのは別です。
その時によって、やれる時もあれば、やれない時もあります。
「それやりたいなあ」と思う時もあれば、「やりたくないな」と思う時もあります。
それが人間です。
子育てや教育など、人が人に関わる行為においては「人間らしさ」を大切にしたいと思っています。
深い解説をありがとうございました。息子はまた最近成長しまして、舌をんべんべだして口をたくさん動かして、まるで話すように私に語りかけてきます。もしかしたら言葉を話そうとしているのではないか!?と思っています。
最近、お口の動きを良く見せようと、抱っこした時に顔と顔を向かい合わせて、ゆっくり口を大袈裟に大きく動かして、名前を呼んだり、かわいいと言ってあげます。
そうすると、すごく嬉しそうにするんです。
話しかけているのが分かっているのだなぁと思いました。
はやくお話しできるようになりたい!そんな日が来るのを楽しみにしています。
■お口の動きを良く見せようと、抱っこした時に顔と顔を向かい合わせて、ゆっくり口を大袈裟に大きく動かして、名前を呼んだり、かわいいと言ってあげます。
すごくいいですね!
目的(「話しかけている」ということを伝えるため)を認識されているところも素晴らしいです!
親の思い違いということもあるかも知れませんが、その思い違いが赤ちゃんの能力を引き出すわけなんです。
それが「相互促進的な発達」です。