講座75 台所に長靴で!

外遊びから帰宅して台所を見ると…

なんと!我が子が長靴を履いているではないかっ!(写真↓)

さあ!こんな時!

みなさんだったらどうしますか?

 目 次
1.叱る!
2.見守る
3.気づかせる
4.気づかせるスキル①
5.気づかせるスキル②
6.結末

1.叱る!

多分ですね。

私の推測では「8割以上」のお母さんが叱ると思います。

ナ ニ や っ て ん のォ!

家の中ですよ。

台所ですよ。

ジャンバーも着たまま。

「ナ ニ や っ て ん のォ!」

ってなりますよね。

叱り方の程度は人それぞれでしょうけど、

多くの人が「ナ ニ や っ て ん のォ!」って言っちゃいますよね。

そして、わざわざインターネット上で、こうして話題に取り上げると、

ほとんどの方がこう思うでしょう。

ははん。これは「ダメな叱り方」なんだな。

あるいは、

ははん。叱っちゃダメなんだな。

そんなのバレバレですよね。

そして、ネット上の多くの記事も

「こういう対応はいけません」

と解説しますよね。

でも、この子育て講座は違います!

この子のお母さんがリアルでどのように対応されたかを解説します。

絶対参考になると思います。

(ちなみに「ナニやってんのォ!」のはダメですよ。駄目な理由は講座74で解説しました。)

2.見守る

残り2割のお母さんは叱らないと思います。

ではどうするのか。

  見 守 る

いきなり叱るのではなく、

「ナニやっているのかしら?」

と見守るのがいいのでしょうか?

男の子は台に上がっていますよね。

きっと何かをしようとしていたのだと思います。

もしかすると、お母さんのお手伝いをしようとしていたのかも知れません。

それなのに、いきなり叱ったらダメですよね。

でも、待ってください。

「台所に長靴」は間違った行為です。

台所が汚れますよね。

注意もせずに見守るのは果たして良い行為なのでしょうか?

この子は2歳です。

行為の善悪を理解できる年齢です。

親が黙って見ていていいのでしょうか?

このお母さんは約3時間も息子さんと外遊びをして来ました。

帰宅したら家事が待っていたはずです。

いつまでものんびり待ってなんかいられませんよね。

3.気づかせる

そうなんです!

一番いいのは「叱る」でも「見守る」でもなく、これなんです。

気づかせる

自分で気づいて行動を正すのが望ましいのです。

自分で判断するわけですから次から気をつけるはずです。

自分で自分をコントロールする

そういうのを「自律(自分を律する)」と言います。

自律の基礎は「気づく」ことです。

したがって、親の行為は「気づかせる」が最適です。

4.気づかせるスキル①

でも、「気づかせる」ってどうやるの?

そんな疑問があると思います。

何しろ「気づかせるスキル」なんて学校では習いませんから。

そこで、このお母さんが実際にとった行動を紹介しながら「気づかせるスキル」を取り出してみます。

この子のお母さんは長靴を履いている我が子を見つけてこういいました。

「おもしろいねえ」

あり得ますか?

でもこう言ったんです。

そうすると子どもはお母さんに気づきますよね。

いきなり注意するのとは状況が違ってきます。

大切なことなのでもう一度書きます。

いきなり注意するのとは状況が違ってきます。

この子の頭の中では、今、何かが起こっているわけです。

何かに一生懸命取り組んでいるのでしょう。

「叱る」にせよ「注意する」にせよ、「いきなり」では効果が薄いのです。

気づかせるスキル① まず、声をかける

いきなり「おはよう!」って声をかけるより、

「○○君、おはよう!」って言った方が伝わりますよね。

「○○君」じゃなくて「気持ちいいね」でも何でもいいのです。

パターンA:「おはよう!」
パターンB:「気持ちいいね。おはよう!」

この違い、わかりますか?

声をかけられる側になってみると違いがわかるはずです。

つまり、かける言葉は「おもしろいねえ」でも何でもいいのです。

「いきなり本題ではない」というところに意味があるわけです。

これがスキルです。

5.気づかせるスキル②

そうなると次の一言が本題ですね。

いろんな言い方が考えられます。

A:「おもしろいねえ」
  「あれ?」
(長靴に目をやる)

これで気づくかも知れませんよね。

B:「おもしろいねえ」
  「○○君、長靴履いてるよ!」

これなら気づくでしょう。

AでもBでも、どちらもOKです。

Bは「気づかせる」じゃなくて「教える」じゃないの?

そう思われた方もいるでしょうけど、いいのです。

これが「気づく」なのです。

大人だってそうですよね。

「言われて初めて気づいた」ってあるじゃないですか。

気づかせるスキル② 明確に気づかせる

明確でなければ気づけない子だっているのです。

大事なのは「気づかせること」です。

「あれ?」も「履いてるよ!」も「気づかせる」が目的なのです。

そして、ダメなのは、叱ったり、注意したりすることによって「動物脳(感情)」を刺激してしまうことです。

動物脳を刺激すると防衛反応(3F)が働きます。

これをやると、いつまで経っても自律できない子に育ちます。

このお母さんはどう言ったか。

「おもしろいねえ」
「でも、家の中では長靴は履かないよ」

どうですか。

スキルの①と②が見えてきましたか。

6.結末

この親子のその後が気になりますよね。

再現します。

母:「おもしろいねえ」
  「でも、家の中では長靴は履かないよ」

子:「汚れるから?」

母:「そうそう」
  「脱げる?」

子:「脱ぐよ」

ちょっとだけ解説しますよ。

この子は2歳ですが自分から行為の理由を確認しています。

これは賢く育っている証拠です。

急にはこうなりません。

このお母さんが普段から脳の働きを意識して接しているからだと思います。

ちなみに、この子が最後に「脱ぐよ」と言いました。

ここに違和感を感じた方はいませんか?

そうです。ここは「(自分で)脱げるよ」という意味です。

「脱げる(脱ぐことができる)」という表現はちょっと難しいのです。

そして、最後はこうなります。

子:(ソックスと一緒に自分で洗濯機に入れる)
  「脱いだよー」

母:「長靴は?」

子:「洗濯機よ!」

母:「えっー」

子:「えっー」(マネをする)

母:(洗濯機から長靴を救出する

楽しい親子ですね。(^^)/

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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6件のフィードバック

  1. 畠山文 より:

    こういう対応できたらどんなにかいいか❗️ たしかに、習っていないというのもありますが、困ったというネガティブな気持ちは2次感情の怒りを誘発してしまいます(泣)

    いつも、怒ってしまった後、子どもに謝り、なぜ怒ったのか伝え、どうしたらいいのか、子どもと話し合っています。これで良いのか、、、ただ、自分は子どもの頃怒られっぱなしで、何で怒ったのか、知りたかったし、怒ったことを謝って欲しかったので。

    そして、余裕のあるときはいつも質問してます。これで良いの?これはどうするの?と。そうすると、結構問題行動を止めてくれたり、適切な行動を取ってくれます すかさず、ありがとう、助かるよと伝えています。

    これが、今の自分には精一杯かも。でも、子どもと一緒に試行錯誤で成長していきたいです✨

    • 水野 正司 より:

      あやさん、お久しぶりです!
      コメントありがとうございます!
      あやさんのために、近いうちに、ネガティヴを乗り越えるための記事を書きたいと思いました。
      待っていてください!

  2. 浅尾 三吉 より:

     反省しきりです。
     私の学校教員時代のクラスの児童やわが子に対して、これとは真逆という対応をしていました。一番やってはいけない、自分の感情だけの対応です。
     今ならわかります。もう一度、バックしてやり直したいです。
     わが子も、私の孫を産んでくれましたが、まだしこりがあるようです。
     少しずつ緩解しつつありますが、なかなか親子の溝は埋まりません。
     私が向こうの世界に行くときまでには、なんとかしたいともがいています。
     この素晴らしい講座も、他人には紹介しやすいですが、わが子へはうまく伝えにくいところが事実です。
     妻を通してうまく伝えたいと思っています。
     それにしても、いい講座ですね。水野さん素晴らしいです。頑張ってください。子育てに一番必要な場面だと思います。もっと若いときに、気づければもっと素晴らしい現在があったと思います。
     過去は変えられないので、これから、うまいいい道を探って行きます。
    2/6 浅尾

    • 水野 正司 より:

      私も自分の娘たちには大きな顔ができません。なにしろ手を上げていましたから。回数は問題ではありません。一度でもやったら親の負けです。子どもの側は一生記憶に残ります。危機に関する出来事は命に関わりますから脳が保存しているのです。参りますね。私はLINEで懺悔しています。(^^)/

  1. 2021年7月7日

    […] この件についての詳しいことは、講座75にありますのでそちらをご覧ください。 […]

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