講座400 クラスにいる「ちょっと乱暴な」子

「ちょっと乱暴な」子ってどこにでもいますよね。

小学校4年生の長男を持つお母さんからの報告です。

 目 次
1.新種発見!
2.母の対応・父の対応
3.「小さな困難」に出会ったら

1.新種発見!

長男のクラスに、ちょっと乱暴な子がいる。

叩かれたり、蹴られたり、雑巾を投げられたり、暴言をはかれたり、いろいろある。

それは、長男だけでなく、クラスのいろんな子がされているそうだ。

「先生に言ったら、謝ってはくれるんだけど、先生にもクソババアとか言って、あんまり言うことは聞かんのんよ。」

と言っていた。

長男は、時々、その子がこんなことをした、こんなことを言ったと報告してくれる。

困って辛いというよりは、

新たな生き物を発見した!新種発見!

のような感じで話してくれる。

我が子ながら、興奮ぎみに報告してくれる姿が、なんだか面白い。

2.母の対応・父の対応

先日行った宿泊研修は、その子と同室で、けっこう大変だったらしい。

同室のほとんどの子が、叩かれたり、蹴られたりされたそうだ。

そのうちの1人は、辛かったらしく、次の日に学校を休んだとのこと。

「辛かった?」と聞くと、

「ぼくは大丈夫だよ。」と、ケロッとしていた。

主人と2人で、長男に話した。

①話してくれて嬉しい。

②辛いと思わず、ケロッとして、強くて、カッコいいなぁと思う。

③学校には、いろんな人がいるよね。おうちでは、その人みたいな人、いないもんね。いろんな人と関われる、とってもいい勉強をしてると思う。

こんな感じで話した。

私はさらに、

「辛いと思うことは、悪いことでも恥ずかしいことでもないから、辛いなぁと思ったら、お父さんとか、お母さんとか、先生に話してね。」

と伝えた。

主人は、

「その子が悪いことをしてるってのは、あると思うけど、いいところも見つけてあげてほしい。」

と伝えた。

すると長男は、

「運動はめちゃくちゃ得意なんよ。ドッチボールもうまいから、よく一緒にするし、走るのも速いから、すごいと思うんよ。」

と言っていた。

私なら、乱暴な子が同じクラスにいたら、距離をとって、なるべくかかわらないようにすると思う・・・。

でも、長男は、休み時間に一緒にドッチボールやサッカーをしている。

そこで、思いっきりボールを投げて、当てることもあるそうだ。

その後、暴言をはかれることもあるそうだが、また休み時間になったら、一緒に外で遊ぶらしい。

「えっ、? 本当に我が子?」

と思うくらい、強くて、たくましい。

保育園の時には、石橋をたたいて渡るというか、たたいて渡らないというようなタイプだったのに、

こんなに成長するなんて!

私が出しゃばることで、せっかく子どもは子どもの世界で、いろんなかかわりをしようとしてるのを邪魔しちゃうかもしれないなぁと思った。

もちろん、心配はあるが、

長男の話を聞きながら、社会勉強をしている長男を見守っていきたい。

3.「小さな困難」に出会ったら

素晴らしいお母さん・お父さんですね。

「辛かった?」(話してくれて嬉しい)

受容してくれるお母さん。

辛いと思わず、ケロッとして、強くて、カッコいいなぁと思う。

そして、息子の態度を「強さ」と「カッコよさ」という言葉で確認してあげています。

さらには、

いろんな人と関われる、とってもいい勉強をしてると思う。

その出来事を「勉強」という考え方でポジティブに変換してあげています。

学校が変わった時、社会に出た時などには「辛い出来事」がたくさんあると思います。

それを「勉強」と捉えて乗り越えて行く強さを育んでいらっしゃる。

小さい頃からそうして来ているから「新しい壁」にぶつかった時にでも乗り越えられる。

向山洋一先生は次のように話されています。

小さな困難に出会ったらそれをチャンスと捉え、
その小さな困難を乗り越えさせることで大きな困難も乗り越えられるようになるのです。(水野要約)

このお母さんはまさにこのことを子育ての中で実践されています。

「えっ、? 本当に我が子?」
と思うくらい、強くて、たくましい。

そりゃ、そうなりますよ!

間違いなく「我が子」です。

素晴らしいですね。

そして、そのあとのお父さんのフォローが神様です。

「その子が悪いことをしてるってのは、あると思うけど、いいところも見つけてあげてほしい。」

心から感動します。

言葉が出ません。

この「ちょっと乱暴な」子は、今この年齢での発達が「ちょっと乱暴」なのかも知れません。

5年生になったら変わるかも知れません。

また、もしかしたら性格的に発達の凸凹があるのかも知れません。

「いい所を見つけてあげること」はその凸凹のいい部分を伸ばす支援になります。

お父さんのフォローはまさに「支援」です。

そして、このアドバイスを既に実践している息子さんに感動します。

「運動はめちゃくちゃ得意なんよ。ドッチボールもうまいから、よく一緒にするし、走るのも速いから、すごいと思うんよ。」

「優しさ」という言葉では表現し切れない感動です。

「本当の強さ」というのでしょうか。

素直に、強く、カッコよく育っていらっしゃる息子さんに感動致しました。

まさに「幸せの子育て」です。

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水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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1件の返信

  1. タミー より:

    受容、共感、言い換え。
    改めて大事だと思いました。

    幸せの子育てマップ。
    今どこか今後どうなるか見通しが立ちやすいです。
    まさに地図ですね。

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