講座393 「大人に言われたくない言葉」ランキング10

日本テレビ「news every.」と認定NPO法人カタリバが854人の小中高校生に共同で調査しました。(「0テレNEWS」社会2023年5月3日

大人に言われたくない言葉

今回はその結果(10位から1位まで)を私の解説付きで紹介いたします。

 目 次
第10位
第9位
第8位
第7位
第6位
第5位
第4位
第3位
第2位
第1位

第10位

「忙しいから」
「あとで」
「待って」

ありますね。

使っちゃいますよね。

子どもの気持ちも、親の気持ちも分かります。

私はほぼ使わないんですけど、それには理由があります。

「ジャネーの法則」を意識しているから

「ジャネーの法則」というのは、大人と子どもでは時間感覚が異なるということを具体的に数値で示した理論です。

この理論に従うとこうなります。

子どもの時間感覚は大人の約6倍

私の「5秒間」は孫にとっての「30秒間」です。

私が「ちょっと待って」と言ったとしたら、孫にとっては「30秒間待ちなさい」と同じです。

そもそも感じ方が違うわけですから、

子どもの方を待たせない(大人は待ってもいい)

というのが合理的で、お互いがハッピーになるわけです。

だから子どもは「大人に言われたくない」わけですね。

第9位

「男なんだから」
「女なんだから」

これも私は言わないですねえ。

うちは私以外は女ばかりですしね。

なんでしょうね。

大人の都合で使うことが多いのではないでしょうか?

そして、子どもの側がこの言葉を選んだのは、昨今のジェンダー思想が影響しているように思います。

私は中高生男子を対象にYouTubeで性教育動画を配信していますが、その中に次のスライドがあります。

いわゆるLGBTと言われるマイノリティはいつの時代にも(江戸時代であっても)7~8%存在すると言われています。

これは生まれながらの性質ですので本人を責めても仕方ありません。

むしろ、非難や叱責は、その子の脳を傷つけることになりますから害が大きいです。

「男なんだから」「女なんだから」という言葉を使う場合もあるでしょうけども、

そのことを頭に置いた上で使わないと教育的虐待になりかねないと思います。

第8位

「私の時は○○だった」

親の自慢話だったり、「昔はこうだった」みたいなお説教ですね。

親が40歳で子どもが15歳だとしたら、25年(四半世紀)も時代が違うわけです。

比べるのは乱暴です。

25年前だとスマホが無い時代です。
(日本でスマホが初めて発売されたのが2008年)

もう全然環境が違うわけです。

この言葉はお説教に使うのではなく、ビックリする話として子どもに話てあげたらいいと思います。

第7位

「○○はやったの?」

「宿題やったの?」とか、

「明日の準備したの?」とかでしょうね。

言わないですね。

私は一度も言ったことがないと思います。

なんででしょうね?

優しくないからでしょうか?

逆に聞きたいですね。

どうして子どもにこの言葉を使うのでしょう?

わからないので飛ばします。

第6位

(ゲームやスマホをしている時に)「やめなさい」「まだやってるの」

これも言ったことないですね。

言わないです。

言う必要がなかったということもあります。

ですから「言わない」のですが、もし言うのだったら次のように言いましょうということを私の子育て講座でお話ししています。

第5位

「勉強しなさい」

出ましたね。

これこそ一度も言ったことがありませんし、両親から言われたこともありません。

勉強って言われてやるものじゃないですよね。

朝ドラ「らんまん」の槙野万太郎みたいに、楽しいからやるものだと思います。

ですからこの言葉は絶対に使ってはいけない言葉です。

私の師匠である向山洋一先生も同じです。

この本に書いてあります。

向山洋一氏は親御さんから「勉強しなさい」と言われたことがない。
それよりも、(      )を教わっている。
『向山家の子育て21の法則』69ページ

カッコの中はヒミツです。

ぜひ本の中で確かめてください。(^^)/

第4位

「○○ちゃんは出来るのになんでできないの?」

「人と比べる」という言葉ですね。

これはですね。

比べる以前に問題があります。

比べるのもダメですが、「なんで?」って聞くのもダメです。

大人がわからないのですから子どもだってわからないんじゃないでしょうか?

その理由がわかったとして、本人を傷つけることになるのではないでしょうか?

今年の2月に子育て講演会があって「ダメな叱り方ランキング」を発表しました。

その中に「他の子と比べる」というのが入っていませんでした。

それで、参加者の方から質問を受けました。

「どうしてこの中に『他の子と比べる』というのが入っていないのですか?」

その質問に対して私は次のように答えました。

「否定」と「なんで?」と根本的に同じなので取り上げませんでした。

他の子と比べるのは「否定」であり「(相手を苦しめる)なんで?」と本質的に同じだからです。

ちなみに、その時に提示したスライドはこれです。

1位~3位は講座の中心ですのでヒミツです。(^^)/

第3位

「早くしなさい!」

あるあるですね。

これは私の講座の「第12位」です。

これはもう脳の仕組みからしてダメな言葉です。

多くの人がダメだと知っていると思いますので省略します。

第2位

「もう勝手にしなさい」

今回の調査結果で一番勉強になった言葉です。

「そう言えばこれがあったか!」という感じです。

久しく耳にしていなかったのですが、まだ使われていたのですね。

この調査は2023年の4月26日~5月1日にかけておこなわれたものですから、つい最近です。

今でも使われているのですね。

そこにびっくりしました。

多分、この言葉を口にする前に親子のやり取りがあったのだと思います。

多分、そこからダメな対応が始まっていたのでしょう。

そして、この言葉で終止符を打ったわけです。

子どもにしたら、親の「その前の対応」が問題だったわけです。

「その前の対応」に問題があったにもかかわらず「勝手にしなさい」で終止符を打たれた。

勝手なのは親ですね。

だから第2位なのだと理解しました。

第1位

「こんなこともできないの?」

これでしたか!

この言葉には苦い思い出があります。

私が40代で小学校の教員をしていた時です。

地域の中の小学校と中学校で一緒に何かやりましょうという研究会がありました。

「小中連携」という事業です。

確か予算もついていたと思います。

私は小学校側の研究部長でしたので次のことを提案しました。

小学校と中学校で「こんなこともできないのか?」という言葉を使わないことにしましょう!

そうすれば、この地域の子どもたちは6歳~15歳までの9年間を「(学校で)こんなこともできないのか?」を言われずに育つ。

その活動を家庭にも伝えることができる。

そういう提案をしたました。

ところがこれが反対に遭いました。

反対したのは中学校の教頭先生です。

理由が驚きでした。

「この言葉が使えなかったら、私たちの授業や生徒指導が成り立たなくなる!」

と言うのです。

びっくりしました。

そんなに頻繁に使っているのか、と。

そして、この言葉に頼っているのか、と。

結局、連携はできずに脚下されて終わりました。

そういう経験があったので、今回の調査結果を見てすぐに思い出した次第です。

どこかの学校で実現させてくださらないでしょうか。

そしたらメディアに私がプレスリリースします!

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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2件のフィードバック

  1. タミー より:

    分かっていても使ってしまい、後で反省することが多々あります。
    教えていくスタンスで、今日もがんばります!

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