講座372 ブルーライトについて考える

今回は講座367「スマホ/ゲーム障害のABC」の続編です。

 目 次
1.ブルーライトの基礎知識
2.ブルーライトを発するデジタル機器
3.どんな影響があるのか?
4.まとめ

1.ブルーライトの基礎知識

これがブルーライトです。

波長380~500nm(ナノメートル)の青色光のことです。

紫外線や赤外線は目に見えません。

それは角膜や水晶体で吸収されてしまうからです。

吸収されずに網膜まで届く波長の電磁波が「光(可視光線)」です。

つまり、ブルーライトは「紫外線に最も近い光」ということになります。

そして、光エネルギーは波長と反比例の関係にあるので、紫外線や放射線など図の右側に行くほどエネルギーが強くなります。

ブルーライトは可視光線の中で最もエネルギーが強い光

医療の世界ではブルーライトのことを「高エネルギー可視光線(high-energy visible light, HEV light)と呼んでいます。

「可視光線の中で」というのがポイントです。

網膜まで到達する光の中で最もエネルギーが強い光

ということです。

ただ、それが人体にどのような悪影響を与えるのかについては意見が分かれています。

ここでは「エネルギーが強い」ということだけをおさえておきましょう。

2.ブルーライトを発するデジタル機器

では、どんな機器がブルーライトを発するのでしょう。

すぐに思いつくのはパソコンやスマホですね。

ほかに思いつきますか?

機器の中でも何が一番影響あるのでしょうか?

これはブルーライト研究会が発表しているブルーライトの放出量を表すグラフです。

このグラフによると、スマホ>ゲーム>PC>テレビの順になっています。

しかし、どういう測り方をしたのかが不明だったので別なサイトでも調べてみました。

「JINS PC」というメガネ屋さんが計測したグラフではこうなっています。

やっぱりスマホが一番高いですね。

でも、どうやら「ブルーライトの量」の測り方には距離も関係しているようです。

ブルーライトの量は距離の二乗に反比例する

「スマホ>ゲーム>PC>テレビ」というのは目との距離も関係しているようです。

ちなみに、きうした計測では「同じ画面の大きさで考えた場合」を前提にしているようなので、画面が大きくなれば目に入るブルーライトの量が増えるのは当然のことのようです。

画面の大きさも無視できない

あと、グラフには出ていませんが、照明器具や日光もブルーライトを発しています。

ただ、照明器具や日光を見つめることってありませんよね。

見ても一瞬ですよね。

ところがデジタル機器は長い時間見つめてしまいます。

したがって「時間」が重要になって来るのは言うまでもありません。

3.どんな影響があるのか?

さて、ここでブルーライトが人体に及ぼす影響について解説します。

が、結論を言えば「はっきりとしたことはわかっていない」というのが現状です。

スマートフォンの普及率は2010年に4%程度。 2015年に5割、2019年に8割、2021年に9割超えて、2022年は94%となっています。(出典: ウィキペディア)

普及したのは最近のことなのでネット上では様々な情報が飛び交っています。

「スマホを禁止したら成績が上がった」という研究もありますし、

「網膜の中心部にある黄斑がダメージを受けて加齢黄斑変性になる」という警告もあります。

ここに大阪市の総合教育会議の資料を載せておきます。

「スマートフォンの使用に関する科学的知見の情報提供を」というタイトルの資料です。

これを見るだけでも「いろいろ言われているんだな」ということが分かると思います。

4.まとめ

ということで、ここでは、はっきりとわかっていることだけをまとめます。

(1)ブルーライトはエネルギーが強い

(2)使用時間が長いほどその影響を受ける

(3)距離が近いほどその影響を受ける

(4)画面が大きいほどその影響を受ける

(5)次のような影響を受けるという意見がある

最後に、私はどんな工夫をしているかを書きます。

①パソコンやスマホの輝度をなるべく下げています。(対策紹介「ドスパラ」

②デスクワークはなるべく午前中だけにしています。

③なるべく週に3回は運動をするようにしています。

④ブルーライトカットめがねを使っています。

⑤なるべく姿勢よくしています。

⑥寝室でのスマホ使用はなるべくしないようにしています。

⑦室内照明はなるべく暖色にしています。

⑧講座で使うスライドの背景をなるべく黒色にしています。

「なるべく」が多いですね。

でも一応、気をつけているということが伝わると思います。

この記事に投げ銭!

水野 正司

子育て応援クリエイター:「人によし!」「自分によし!」「世の中によし!」の【win-win-win】になる活動を創造しています。

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11件のフィードバック

  1. 関口芳弘 より:

    細かいことで恐縮です。
    「紫外線や赤外線は目に見えません。それは角膜や水晶体で吸収されてしまうからです。」とありますが、見えない理由はヒトは紫外線や赤外線に反応する視神経を持っていないからです。
    なぜヒトは、紫外線や赤外線を見る視神経を持たないように進化したのかと言えば、そもそも大気が紫外線や赤外線をあまり透過しないからです。
    これを「大気の窓」といいます。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B0%97%E3%81%AE%E7%AA%93

    • 水野 正司 より:

      大気のおかげだったんですね!
      勉強になりました!

      • 関口芳弘 より:

        直射日光を直視することはもちろん、強い紫外線源、強い赤外線源を近距離で見れば、光は角膜や水晶体で吸収され、熱に代わり、角膜や水晶体を変性させます。タンパク質でできているので、熱に弱いのです。

  2. 関口芳弘 より:

    ブルーライトのエネルギーも、それほど高いものではありません。赤い光のほぼ2倍にすぎないのです。
    スマホ画面や液晶画面から出るブルーライトより、日中の青空からやってくるブルーライトの方が遙かに大画面wwですから、大量です。
    それでも目がやられることはありません。

    • 水野 正司 より:

      ということは、そんなに気にしなくてもよい?
      むしろ姿勢が悪いとか別な要因でしょうか?

      • 関口芳弘 より:

        ホルモンバランスが狂うのがよくないのです。
        夜になってもスマホなどから青い光が目に入る。
        すると脳はまだ日中だと誤認し、睡眠を促すホルモンを出さない。

        • 水野 正司 より:

          メラトニンは朝の光を浴びることでセットされて夜に分泌されると認識しています。
          でも、ひょっとしたら、夜にブルーライトを浴びることで、その分泌が邪魔されるということでしょうか?

          • 関口芳弘 より:

            そうです。メラトニン。https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/topics/152.html#:~:text=%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%81%AE%E5%88%BA%E6%BF%80%E3%81%AF,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

          • 水野 正司 より:

            「分泌が抑制されて眠れなくなる」
            やっぱり!

          • 関口芳弘 より:

            スマホやタブレットは、注視しますし、視野の広い部分で見るので、影響が大きいです。
            家庭学習をタブレットでやらせるのは、よろしくないと思います。せいぜい16時頃までかな。

          • 水野 正司 より:

            副交感神経が優位になる時間帯にはブルーライトにリスクありってことですね。

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