講座352 夜泣きのピーク!対処法
夜泣きのピークは何ヵ月頃か知ってますか?
赤ちゃんが泣く原因には様々ありますし、個人差もあるので特定は難しいです。
でも、大雑把に把握していると見通しが持てます。
今回は、夜泣きのピークとその対処法について解説します。
2.脳細胞の刈り込み時期
3.夜泣きの仕組み
4.夜泣きの先に来ること
5.授乳との関係
1.夜泣きのピーク
夜泣きのピークは9ヵ月前後と言われています。
このグラフが分かりやすいです。
では、どうして9ヵ月前後なのかご存知ですか?
その理由は脳の発達過程にあります。
上のグラフは脳内のニューロン(神経細胞)が減って行く過程を表したものです。
人間の脳細胞は使わないと減って行きます。
生まれてからどんどんどんどん減って行き、1歳を過ぎる頃には9割近くが無くなってしまいます。
これを脳細胞の「刈り込み」と言います。
この「刈り込み」の最終段階が「9ヵ月前後」です。
その頃に赤ちゃんはこんなことをします。
身の回りの様々な環境を調べて、必要な脳細胞を残そうとします。
これから自分が生きてく環境をチェックして、大きくなった時に使う感覚は残そうとするわけです。
ですから大忙しです。
一番左の写真は、口で梱包テープの感覚を調べています。
人間の脳細胞は表皮細胞とつながっていますが、表皮の中でも特に重要なのが唇や指先です。
赤ちゃんは唇や指先を使って様々な刺激を獲得し、必要な脳細胞を残そうとするわけです。
2.脳細胞の刈り込み時期
つまり、9ヵ月前後は「刈り込み」が最も忙しい段階ということです。
刈り込み自体は新生児期から始まっていますが、9ヵ月前後は「最後のチャンス」「学習の追い込み時期」のようにも見えます。
この時期を逃したら脳細胞がなくなっちゃうんだよ~
という感じです。
ですから、日中の集中できる時間帯は大忙しです。
ハイハイやつかまり立ちができるようになっていますから、あちこちに好奇心を働かせます。
時に、「見えない部分」や「ダメって言われるような部分」に興味を示します。
だって、まだ触ったことがないわけですから。
好奇心
満足感
この時期にこの2つをたくさん働かせることが「赤ちゃんらしさ」です。
3.夜泣きの仕組み
夜泣きの話に戻ります。
9ヵ月前後になぜ夜泣きが多いのか。
それは、日中にたくさんの感覚を働かせて脳が疲れているからだと言われています。
たくさん勉強したからです。
たくさん刺激をもらったからです。
そして、それらの刺激(学習内容)はレム睡眠の時に整理されます。
この頃のレム睡眠(夢を見る時間)は夜中に6回前後あります。
日中にたくさん勉強をした分、眠っている時の脳は大忙しです。
その「大忙し」になる時間帯がレム睡眠の時であり、レム睡眠というのは覚醒ギリギリのところで起こるので夜泣きにつながりやすわけです。
夜泣きの仕組みはそのような理解でよいと思います。
4.夜泣きの先に来ること
しかし、この夜泣きはいつまでも続くわけではありません。
「刈り込み」は1歳を過ぎると徐々に少なくなるからです。
1歳以降の学習は次のようになります。
脳の中に残った脳細胞を使って、ネットワークを作る時期に移行します。
「遊び」や「様々な体験」によって前頭前野を発達させる時期です。
そのピークが1歳~8歳です。
1歳以降はレム睡眠の回数が減るだけでなく、睡眠の質が覚醒ラインから下がり始めます。
つまり、目覚めにくくなるわけです。
幼児期や児童期の体験・学習は夜、眠っているうちに(知らないうちに)行われます。
でも(だから)、適切な時刻に、適切な量の睡眠をとることが大切なわけです。
5.授乳との関係
生後9ヵ月前後。
この時期には離乳食が始まっていて、夜間の授乳回数が減って来ると思います。
しかし、赤ちゃんはおっぱいが大好きです。
夜泣きをされると、授乳によって寝かしつけようとすることも多いはずです。
このことについて、日本で唯一の「夜泣き外来」を開業している菊池清ドクターは次のように言います。
この時期になっても、他に病気らしいものがないのに、夜間授乳の回数が多くて子どもの睡眠を妨げているならば、夜間断乳することをおすすめします。(『夜泣きが止まる本』菊池清)
卒乳ではなく夜間の断乳です。
離乳食には個人差があり、三食完全離乳食が出来ない赤ちゃんもいます。
特に9ヵ月前後は、食べることよりも知的好奇心が優先されるので、他のことに気持ちが移ります。
授乳を主としながら、「食べ散らかしありの離乳食」「食べてるのか?遊んでるのか?わからないくらいの離乳食」で対応する場合も多いはずです。
・刈り込み支援
・夜泣き
・夜間断乳
・離乳食
この四つを総合的に考えて、赤ちゃんと一緒に、脳の「最後の追い込み」を乗り切って下さい。
最後に、菊池ドクターからの提案を紹介して終わります。
夜間断乳をうまく成功させる秘訣は、母親一人で頑張らないことです。子どもにとって、母親は授乳してくれる人です。夜間の子どもへの対応を父親(または祖父母)にするだけで、子どもは授乳できないことを悟り、夜間断乳が比較的容易にできます。(『夜泣きが止まる本』菊池清)
我が家は丁度夜泣きピークです。
理由が分かると気が楽になりますが、なかなかに体力的精神的にきついです。
2人目の時は仕事が休みなのが救いですが、1人目の時には仕事復帰している最中でしたので本当に辛かったです。
そう考えると、最低育休は1歳になるまでは頂きたいものだなと思いました。
そうですね。
寝不足になりますし、ストレスも溜まります。
育休を取れることが理想ですね。
それと周囲の理解&社会の理解が大切ですね。
運動します!
なんとタイムリーで驚きました。9か月前後がピークと知り、まさに!と思いました。
現在8か月ですが夜間授乳もこんなものかなと何度も起きることに慣れてしまっていましたが、最近は頻度もあがりそのたびに授乳で寝かしていたので、オムツはパンパン、お胸も体もカラカラ状態でさすがに…と思って、「ねんトレ」を勉強。授乳と寝つきを切り離すことを昨夜から挑戦し始めたところです。どうなることかと思いましたが、ギャン泣きするもおっぱいなしで寝落ちした時は感動でした。子どもの自分で寝る力をつけられる時期なのだなと感じました。
夜中4回起きた中で2回、おっぱいなしで寝かしつけることに成功。4回、という回数も普段と比べるとうんと減りました。
我が家のねんトレはさておき、夜泣きと刈込みが関係していることに驚きましたし、赤ちゃんの「今」の大事さに背筋が伸びる思いでした。
タイムリーでよかったです!
急がす徐々に頑張ってください。
理由が分かるとお母さんも頑張れますよね!
私はこれまで、泣いたら授乳、の方が早く静かになるし楽…と思ってやってきましたが、いざゆるやか夜間断乳を取り組むと、2晩目、その前の晩より泣き方も弱まり、授乳もわずか1回で! 完全な夜間断乳とまではいかなくても、夜中の授乳を減らす取り組みをしてこちらの方が楽…もう少し早めに始めたら良かった、と思うほど夜間授乳が減ると、思っていた以上に楽になりました。さらに、それまで上の子下の子に挟まれて寝ていたので、授乳で起き上がる動きで上の子のレム睡眠時に目覚めさせてしまい2人ともが泣き叫ぶこともしばしばでしたが、上の子が寝入ったら、離れて寝るようにしたら、連動して起きることもなくなって、ダブルでいい事がありました。
これまで親子でくっついて寝るのが当たり前だったので寂しい気持ちもありましたが、上の子がよく眠れることや「レム睡眠時目が少し覚めても一人で寝入る力」を伸ばせている気がして前向きに捉えられています。
実感からのコメントありがとうございます!
「自分で寝入る力」はなるほどです!
こんなところにも、自立が始まっているのですね。
少し寂しいけど。