講座475 何のために勉強するの?
何のために勉強するのか?
何のために生きているのか?
そういうことを思春期に考えたことはありませんか?
子どもに聞かれたら何て答えますか?
答えは用意してますか?
今回はこのことについてレクチャー致します。
2.「これまでの仕事」と「これからの仕事」
3.どんな仕事が生き残るか?
4. 何のために勉強するのか?
1.小学生が就きたい職業ランキング
2021年度版の「小学生が就きたい職業ランキング 」(6年生対象・「クラレ」アンケート)です。
これは「小学生の希望」ですよね。
この希望に対して、私が独断と偏見で、将来的にダイジョウブなのかどうかを解説してみたいと思います。
男の子の1位:スポーツ選手
これは生き残りますね。
人間同士が繰り広げるドラマは今後も需要があります。
ただ、選手になれるのは限られた人だけですから、どの種目で、どのくらい本気で目指すかが問われます。
水泳の池江璃花子選手なんかは水中出産で生まれてますからね。
生まれた瞬間からトレーニングです。
女の子の1位:看護師
これも残りますね。
人間は人間に手当てをしてもらいたいですからね。
高齢化もありますし、需要が進むでしょう。
今はコロナ禍のせいで大変なことになっていますが、これが落ち着けば人気は不動でしょう。
男の子の2位:研究者
研究者が2位って凄いですね。いいですね。がんばって勉強して欲しいです。
ただ、日本の学問・研究は残念ながら遅れているので、海外留学は必須でしょう。
英語の勉強もやっておいた方がいいと思います。
親は我が子に投資するつもりで育てる必要があると思います。
女の子の2位:教員(男子の3位)
これは△ですね。
オンライン授業が進めばYouTuberみたいな限られた人が授業をすればいいわけで、授業をする先生はほとんど要らなくなるでしょう。
しかし、「学校に行って友達と交流したい」というニーズは残ると思います。
また、その交流に教育的な価値もありますよね。
ですから授業以外の教育を担当する教員は今後も残ると思います。
男の子の4位:ユーチューバー
2019年の時のようにシロウトが稼ぐことは無理ゲーだと思います。
今はかつてのテレビと同様にタレントの職業になっています。
6年生にとっては2年前のヒカキンのような活躍が頭に焼き付いているのでしょう。
だとしたら、その時のヒカキンのように誰もやっていないことをクリエイトしていく能力を身につけるべきです。
お子さんにはそうやって語ってあげてください。
女の子の3位:保育士
これはもう毎年ベスト10に入っていますね。
私の「赤ちゃん学」の授業の感想にも、将来は保育士になりたいということを書いてくれる生徒さんが少なくありません。
保育も人間同士がいいですよね。
子どもの数は減りますが、女性の就労が必要になるので、まだまだ必要な職業だと思います。
そして、質の高い保育が求められるようになるので、やりがいは出て来るでしょうね。
ちゃんと勉強しておきましょう。
2.「これまでの仕事」と「これからの仕事」
こんな感じで将来について考えて行くと、私の判定はこんな感じです。
何をもって○なのか、×なのかということに客観的な根拠はありません。
「こんな見方もある」というイメージです。
たとえば、薬剤師なんかは多分自動化されるでしょうし、
美容師だと癒しを求める人が今後も安定して存在するだろうという、そんなイメージです。
うちの近所の個人美容院なんかはこんな田舎でも人気があって1カ月待ちです。
そういう肌感覚も含めて判定してみました。
ここで、「これまでの仕事」と「これからの仕事」を簡単に整理しておきましょう。
「これまでの仕事」は、人間が五感と頭と身体を使って仕事をしてきました。
「これからの仕事」は、その代わりをIoTやAIやロボットという機械がやってくれます。
もうかなりそうなっていますよね。
そうすると、「これから」はこうなるのです。
さっきの表とどこが変わったかわかりますか?
人間の代わりを機械がやってくれます。
「五感」「頭」「身体」が機械になりました。
「データを集める」「処理・判断する」「実行する」は機械がやってくれるのです。
そうすると、人間はそれらを活用する実行者になります。
常に機械の上でなければならないのです。
この意味、わかりますか?
たとえば、昔は「データを集める」を人間が仕事としてやっていました。
それを今後は機械がやってくれるわけですから、
「なんのためにデータを集めるか」
「どんなデータを集めるのか」
といった目的や創造が人間の役割になります。
この変化にともなって、未来の仕事も変化して行くというわけです。
3.どんな仕事が生き残るか?
そういう世の中ですから、残る仕事の枠組みは次の3つだと思います。
1.困っている問題を解決する仕事
2.人間同士がうらやましい仕事
3.自分じゃなきゃ出来ない仕事
1の「困っている問題を解決する仕事」というのは、その時の社会情勢にもよりますが、
今だと研究者や看護師などの医療分野で活躍する職業がまさにそうですよね。
2の「人間同士がうらやましい仕事」の背景には格差があります。
安い料金で済ませたいなら機械がやってくれます。
贅沢をして人間にやってもらいたいならお金が必要です。
そういう格差社会になるので、人間同士がうらやましい分野の仕事は残ります。
ロボットに髪を切ってもらえばいいなら安く済みますし、
人間に切ってもらいたいならちゃんとした理髪店に行くという感じです。
3は「仕事を生き甲斐にする」ということです。
これはいつの時代も「最高の幸せ」として残ります。
こうやって整理するとこんな画像になります。
この3つの観点から「将来の職業」を考えるわけですが、
相手が小学生であれば「親子で一緒に考える」という場も必要でしょうし、
キャリア教育として学校の先生が授業で扱ってもいいだろうと思います。
4. 何のために勉強するのか?
ここでやっと今回のテーマに戻ります。
我が子に「何のために勉強するの?」と聞かれた時の対応ですね。
私が持っている答えはこれです。
それはね。三つあるよ。
どれがいいかは自分で決めてごらん。
いい?三つ言うよ。
➀世の中の役に立つため
②困ってる人を助けるため
③自分にしかできないことをするため
そんで、逆に子どもに聞きますね。
「どの『ため』に勉強したい?」
これが私のキャリア教育です。
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