講座127 イライラ沼・イライラ妖怪
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Bさんからの報告。
歯医者にて…。
隣の女の子。ずーっと泣いていて治療ができないでいる。
お母さん:「約束してたよね?ゲームなしだよ。おやつもなし」
お母さん:「もう今日治療するしかないんだよ」
お母さん:「もう大きな病院に行くしかないよ、行くのね」
看護師さんは、お母さんに、
「待合室の隣に部屋がありますから、そこでしばらく休んで、落ち着いてからまた来てもらえたら」
と言った。
でも、なんだかんだ話していて、結局難しいみたい。
お母さん:「そっちの病院にも聞いてみます」
看護師:「できなくて残念だけど、はがゆくてくやしくて泣いてるのもあるよね」
女の子はさらに泣く。しゃくりあげている。
結局治療ができなかった。
待合室にて。
お母さんが女の子を抱っこしていた。
かなり身体が大きい!小学校高学年くらい?!
女の子はずーっと泣いてる。
「やだ、やりたい」と言っている。
お母さん:「この前もできなかったでしょ」
そう言いつつ、お母さんは窓口に呼ばれて次の予約をとる。
「仕事があるので…」と言って予約の日を決めかねていた。
仕事に育児に、お母さんも大変なんだなと思った。
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2.時間のない母親こそ正しい方向に
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1.間違った対応の連続
この事例からわかる通り、働いているお母さんには「時間の制限」があります。
そうすると、子育てのことでイライラしてしまう危険性が高まります。
イライラしないためには「子育てスキル」を有効に使わねばなりません。
「約束してたよね?ゲームなしだよ。おやつもなし」
「もう今日治療するしかないんだよ」
「もう大きな病院に行くしかないよ、行くのね」
これが逆効果だというのは、みなさんもうわかりますよね。
これは「脅し」です。
子どもの不安を強めているだけです。
それに対して、看護師さんは、
「待合室の隣に部屋がありますから、そこでしばらく休んで、落ち着いてからまた来てもらえたら」
と言っています。
これは「クールダウン」というスキルですね。
看護師さんの対応の方が正しいと思います。
しかし、母親は何だかんだと頑張ります。
看護師さんは女の子に言葉をかけます。
「できなくて残念だけど、はがゆくてくやしくて泣いてるのもあるよね」
女の子の気持ちを代弁してあげているのです。
これは「ほっとダウン」というスキルです(詳しくは第2章で)。
ここも看護師さんの対応が正しい方向です。
事実、このあと女の子は「やだ、やりたい」と自分から訴えています。
それなのに母親は「この前もできなかったでしょ」で否定します。
せっかく頑張って「やりたい」と言ったのに受け止めてもらえなかったのです。
ここは受けとめるべきところでした。
実際にこの日は出来なくとも、その気持ち受けとめれば次に強くなれます。
「この前もできなかったでしょ」は逆効果です。
このように、このお母さんは間違った対応を連続させているわけです。
それは多分「時間の制限」があってイライラしているからでしょう。
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2.時間のない母親こそ正しい方向に
子育ての仕方に100%正しい答えはありません。
子どもは100人いれば100人みんな違います。
一人として同じ人間はいません。
しかし、大まかに言って「こうすればいい」「こうしちゃいけない」という意味での「正しい方法」「間違った方法」というのはあります。
子どもには一人一人に個性がありますし、生活環境や生活経験も様々です。
それに加えて、今その時の状況というのも様々です。
ひとつとして「同じ状況」というのはこの世にありません。
子育てをする親にとっては毎日が手探りです。
森の中をさまよっているような感じでしょう。
出口が見えません。
しかし、正しい方向に歩いていれば、いつかは出口が見つかります。
逆に、間違った方向に行くと、なかなか出口が見つかりません。
時間はかかりますが、方法・方向さえ間違えていなければ、その歩みは無駄ではありません。
この看護師さんは時間がかかってもいいから、遠回りでもいいから、正しい道に進ませようとしました。
それに対して、お母さんは急いでいるのに間違った道に行かせようとしています。
あせる気持ちはわかりますが、時間を無駄にしたくないのなら、正しい方法を選ぶべきです。
「理不尽な叱り方」は間違った方法です。
「間違った叱り方」です。
子どもに成長を期待したいならば「間違った叱り方」をすべきではありません。不幸になります。
本来は、叱らないで育てるのが一番です。
叱る必要があるというの場面は一年に一回あるかないかでしょう。
そう考えると、日常のほとんどは「間違った叱り方」です。
前進ではなく後退します。
時間のない方々こそ「間違った叱り方」をすべきではありません。
日常のイライラはその間違った方向へと足をとる沼です。妖怪です。
足を取られないように気をつけてください。
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どうか、このお母さんが、誰かに、あなたは頑張っているよ、と労って貰えることを願います。
そして、お母さんの心に余裕のある時に、お母さんが娘さんを励ましたり、頑張りを伝える時間があることを願います。
イライラ沼、イライラ妖怪は手強いですね。そんな時、上記のような看護師さん、本当に助かります。子供は皆で育てるの意識で、私も何かできそうな場面があれば、協力したいなと思いました(^.^)
まあ、今は、助けられる事の方が多いですが。
一緒にやりましょう!