講座51 スティックのりで「ていねいさ」を育てる!
昨日、あるお母さんから、
「2歳の息子とクリスマスツリーを作りました!」
という連絡が届きました。(写真付き↓)
写真右側のツリーですね。
何気ない写真ですが、ここには、
我が子に「ていねいさ」を身につけさせる情報
が詰まっています!
今日はその解説をします。
2.学校の先生の教え方
3.「つ」のつくうちは…
4.「飾る」効果
5.スティックのりにこだわる
1.「はがれないように」が大切!
このお母さんは、
「はがれないように」するのが大切!
と言います。
「えっ?そんなの当たり前じゃない?」
と思っていましたが、
これが結構「深い」のです。
2.学校の先生の教え方
学校ではどうでしょう。
ある先生は小学校一年生の指導で次のようにしているそうです。
糊下紙(端までぬるためにノリがはみ出してもいいように敷く紙)を教室に全員分用意しておく。
すばらしいですね。
一年生だからというのもありますが、実は、このようなスキルを身につけないまま高学年に進んでしまう子はたくさんいます。
何が問題かというと、「雑さ」に慣れてしまうのです。
工作の「糊付け」だけの問題ではありません。
「ていねいさ」というのは、生活や仕事の様々な場面で必要となります。
私の師匠である向山洋一先生は著書の中で「伸びる子の四つのタイプ」を紹介しています。
(1)最後までやり通す子
(2)ていねいにやる子
(3)新しいことに挑戦する子
(4)まじめに努力する子
『かしこい子を育てる秘訣12』(騒人社)
子育ても教員生活も終えた私は「その通りだなあ」と実感します。
全部じゃなくていいのです。
四つの中の一つを持っている子が伸びるのです。
そして、「伸びる子」を育てている後ろには「伸ばしてくれる親」「伸ばしてくれる教師」の存在があります。
「糊下紙」を全員分用意してくれた先生は、クラス全員の「ていねいさ」を大切に育んでくれているのだと思います。
3.「つ」のつくうちは…
では、最初に紹介した「2歳の子」のお母さんはどうだってのでしょう。
「はがれないように」するのが大切!
と言ってましたよね。
私も画板に紙を敷いて糊付けをするのを見せました。
さすがです!
やはり、「糊下紙」を使っていました。
しかも、やるのを「見せた」とあります。
「つ」のつくうちはお手本の時代
そういう言葉があります。
「一つ(1歳)」「二つ(2歳)」…「九つ(9歳)」までは「お手本」が必要だという教えです。
このお母さんは2歳の息子さんに糊付けをやって見せて、それから本人にやらせたわけですね。
4.「飾る」効果
そして、その作品を飾りました。
この「飾る」には効果があります。
時々、見て、思い出す、満足するという効果です。
ですから、最初が肝腎です。
雑に作ったら、「汚いな」「自分のは下手だな」という逆効果になります。
最初にお手本をやってもらった子と、雑に貼って、雑な作品を見続けてしまう子では、大きな差がついてしまうわけです。
5.スティックのりにこだわる
最後に自分のことを書きます。
私は「スティックのり」にこだわります。
いつも使っているのは、トンボの「ピット・ハイパワーG」です。
クラスの子全員にこれの小さいサイズを使わせていました。
なぜ「ピット・ハイパワーG」がいいのかと言いますと、硬いからです。
塗る時に、べとべとしないのです。
低学年の子やDCDのお子さんの場合、力加減ができずに手がべとべとしてしまう場合があります。
それを防ぐためにこれなんですね。
細かい話でしたが、今日は「糊付け」について書いてみました。