講座131 叱り方、それダメ!12位~10位
「ダメな叱り方」シリーズ、今回は12位~10位までの発表です!
第12位
急がせる!
「早くしなさい!」「おいて行くからね!」
みたいな叱り方ですね。
これがダメな理由は、はっきりしています。
動物脳を刺激するから
ヒトの脳は大きく2つに分けることができます。
中心にあるのが「動物脳」、その上に乗っかっているのが「人間脳」です。
動物脳は、脳幹や偏桃体といって、「本能」や「感情」を司る部位です。
一方、人間脳は、前頭前野といって、
「ものを考える」「感情をコントロールする」といった働きをする部位です。
「早くしなさい!」「おいて行くからね!」という叱り方は、
子どもの感情を刺激します。
二つの脳のうちの、動物脳を刺激します。
ここで大事なことがあります。
人間脳と動物脳は同時には働かない。
つまり、感情を刺激する言葉は、
動物脳を刺激するので、人間脳を働かせない。
感情ばかりが動くので、
焦る!
考えられない!
といった状況を発生させます。
さらに、今の状況を経験として冷静に考えることができないので、
次回も同じようなことで叱られることになります。
つまり、
またやっちゃう!(また叱られる)
これが「急がせる!」の仕組みです。
ダメな叱り方というか、ムダな叱り方、ですね!
ということで、そこで12位に入れました。
第11位
話が長い
「学校の勉強はちゃんとやらなきゃだめなの!今、努力しておけば、将来のために習慣が身に着くのよ。このことは口をすっぱくして言わなきゃ身に着かないのよ。わかる?とても大切なの。一度見に着けば高校生になり、大学生になった、社会人になった時にも役に立つのよ!わかった!」
まあ、こんな感じですね。
実際はもっと長いケースがよくあります。
これも脳の仕組みから言って「ダメ」です。
話が長いと、どんな感情が湧きますか?
もういい!
聞きたくない!
考えたくない!
ってなりますよね。
この状態は、感情が「フリーズ」という働きを起こしているのです。
このときも人間脳は働きません。
ま、簡単に言えば、「話が入っていかない」という状態ですね。
第10位
何で!どうして!
「何でそういうことすんの!」
「どういうこと!」(怒)
そういう言い方をされたことはありませんか?
これも感情を刺激する言葉です。
もうわかりますよね。
脳の仕組みはシンプルです。
「そんなこと言われても!」という感情が湧き起きて、
わかんない!
もういい!
とキレてしまいます。
特に、年齢が低いうちは、
うまく言えない!
という背景があるので、配慮が必要です。
人間は言葉を使って考えます。
年齢が低いうちは、当然この能力も十分ではありません。
ただでさえ、考えるために人間脳を働かせなければならないのに、
動物脳を刺激されてしまうと、
その「考える」ということができなくなってしまうのです。
子どもがキレる背景には必ず事情があるのです。
まとめ
※この講座では次の著書を参考にしました。
ダニエル・J・シーゲル『子どもの脳を伸ばす「しつけ」』
「動物脳を刺激する」なるほど。
支援学級の子どもと接していて,あれは動物脳が刺激されていたのかな?という場面が思い浮かびます。叱り方10位~12位、日常でよく使っている言葉ばかりです。
発達障害のお子さんは前頭前夜の発達が不十分なので自己コントロールが苦手です。それは本人のせいではなく、脳の問題ですから、その発達を支援することと、悪化を防ぐことが大切になります。