講座55 父親の出番は3つ!
子育てにおける「父親の出番」について書いてみます。
「はやぶさ2」のカプセルが無事に地球に帰還しましたね。
JAXAプロジェクトマネージャーの津田雄一さんが宇宙に興味を持ったのは、小学校低学年のときだったそうです。
私は小学校一、二年生の時に父親の仕事の関係でアメリカに住んでいたことがあります。その間、いろんな場所に連れて行ってくれたんですけど、その中一つがフロリダ州にあるケネディ宇宙センターでした。(『致知』1月号)
どこが大事か、わかりましたか?
「いろんな場所」というのが大事なんです。
【父親の出番①】
小さい時に「いろいろな」体験をさせること
「テントで寝たことがある」でもいいし、
「寝っ転がって星空を見たことがある」でもいいし、
「洗車したことがある」でもいいし、
「電車に乗ったことがある」でもいいし…。
「いろいろな体験」をさせるのが父親の出番の一つ目です。
理由は単純です。
子どもの可能性を引き出すから!
どんな体験がその子にヒットするかはわかりません。
だから「いろいろな」なのです。
津田さんの場合は「宇宙」がヒットしたのですね。
それが「はやぶさ2」の成功につながったわけです。
そして、この「いろいろな体験」は小さい時がいいのです。
この理由も単純です。
大きくなったら一緒にいる時間がなくなるから。
小学校3・4年生になったら「友だち」との時間が増えますし、
5・6年生になると「勉強」や「習い事」で忙しくなりますし、
中学生になったら「部活」や「自分の趣味」で忙しくなります。
何より、思春期になると価値観が「家族」から「友だち」に変わります。
ですから、「小さいうち」がチャンスなのです。
連れ出しやすい「黄金の時期」なのです。
【父親の出番②】
2~5歳の時に体を使って一緒に遊ぶこと
歩けるようになってから小学校に上がる前の時期です。
この時期は何がいいかと言いますと、
体が小さい・軽い
ですから、「持ち上げたり」「お腹の上に乗せたり」「相撲をとったり」など、いろいろな運動が可能な時期なんです。どんなお父さんでも、子どもより体力があります!(^^)/
また、「遊びの発達段階」からも好都合なのです。
子どもが親の手を離れて「子ども同士」で遊ぶようになるまでには、その間に「○○遊び」や「○○遊び」の時期が必要なのです。
「感覚遊び」や「模倣遊び」
簡単に言うと「運動神経を発達させる遊び」です。
立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がる、歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這はう、よける、すべる、持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引くなど
これは文部科学省の『幼児期運動指針ガイドブック』 に載っている「動き」です。こうした「動き」の必要性については、山梨大学の中村和彦教授が「運動神経が良くなる36の動作」として早くから提唱しています。
こうした動きを「遊び」の中で経験させることが「幼児期」に大切になります。それが子どもの運動神経を発達させることになるからです。
そして、遊びの中で経験するためには次の3つが必要になります。
「相手」「モノ」「お手本」
父親は、この中の「相手」や「お手本」に適した人物です。
もちろん、母親や兄・姉でも構わないのですが、何でもお母さんだとお母さんが大変ですし、子どもだと出来ないこともありますから「出番」として父親は最適というわけです。
私はよく娘たちを布団の上で「逆さづり」にして遊びました。
これは「逆さ感覚」ですね。
【父親の出番③】
思春期に叱ってあげること
これについては講座33「叱り方ランキング6位」で扱いましたので省略します。「出番」が必ず来るかどうかはわかりませんが「心づもり」は必要だと思います。
【父親の出番①】
小さい時に「いろいろな」体験をさせること
【父親の出番②】
2~5歳の時に体を使って一緒に遊ぶこと
【父親の出番③】
思春期に叱ってあげること
以上、「父親の出番は3つ!」でした。