講座525 「幼児らしさ」を使い切らせる

私は孫に《おもちゃ》を買い与えるのが好きです。
母親の許可を得ず、勝手に買い与えています。
最大の《ヒットおもちゃ》はこれです。

「はたらく細胞」の「白血球さん」の帽子です。
今回はこのことについて解説します。
2.乳児期のおもちゃ
3.マンガは影響力を持つ
4.ホームラン級の教材
5.「幼児らしさ」を使い切らせる

1.0歳児の教材
私は23歳の時に親になりました。
長女が0歳の時に絵本を買いました。
当時は「ほるぷ」という本屋さんが職場に販売に来ていて、職員室で色んな本を売っていました。
その中に《読み聞かせ定期購読セット》みたいな商品もあって、私はそれを注文していました。
有名な絵本が定期的にドサッと届きます。
たとえば、松谷みよ子の『いないないばあ』とか、ノンタンの『おしっこしーしー』とかです。
そのほかに、街に出た時に本屋さんへ寄って、《おみやげ》として小さな絵本を買って来ていました。
こんな絵本です。
こういうのを1冊ずつバラで、出かける度に買って来ていました。
でも、読んで聞かせてくれたのは妻のほうでした。
私は買うのが専門。
時々は読んでいましたけど…。
あとは、くもんの「童謡カード」ですね。
これも大活躍しました。
忘れてはいけない。もう一つありました。
くもんの『うたの絵本』です。
これらは(ボロボロですが)今でも使われています。
孫に対してです。
ですから、23歳当時から始めた《投資》は、結構有効だったと思います。

2.乳児期のおもちゃ
乳児期には《絵本》や《歌カード》の他に《おもちゃ》も大切ですが、
それについては、以前に書きましたので今回は省略します。
講座334「2~3ヵ月目・モビール」
講座336「2~3ヵ月目・おもちゃに触る」
この他にも色々買っているのですが、先を急ぎます。

3.マンガは影響力を持つ
それでどんどん大きくなって、娘たちは小学生になります。
絵本の次はマンガです。
マンガって大人も読むじゃないですか。
家に置いておくと、子供たちも読んでしまいます(影響を受けます)。
ですから、親が読むマンガは意図的に選びました。
つまり、
子供が勝手に読むことを想定して買う。
絶対と言っていいほど影響されますから。
ゲームも同じだと思います。
大人がやっていれば、子供もやりますよね。
そういう影響力がマンガにもあると思います。
ですから、親が読むマンガは子供も読むと思って買っていました。
逆に言えば、読ませたくないようなものは買わない、家に置かないということです。
しかし、かと言って優良漫画だけを買っていたわけではありません。
《流行しているマンガ》や《コレ子供読むの?》といったマンガも置いていました。
当時、家にあったマンガを思い出しながら書き出してみます。
『スラムダンク』、『ドラゴンボール』、『火の鳥』、『ブラックジャック』、『大市民』、『ガラスの仮面』などなど。
ですから、娘たちもこれらのマンガを自然に読んでいました。
高学年くらいになると『ちはやふる』とかですね。
そういう伝統が世代を超えて、今は孫たちにも影響しています。
つまり、
祖父が読むマンガを孫たちも読む。
という現象が起きています。
ですから、私は今も、孫たちが読むことを意識してマンガを買っています。
『リエゾン』、『シュリンク』、『健康で文化的な最低限度の生活』、『スパイ・ファミリー』などです。
その中の一つに『はたらく細胞』があったわけです。

4.ホームラン級の教材
孫はなぜか、2歳でこれが気に入ってしまいました。
しかも「白血球さん」が好きなのです。
そこでジイジが考えたことが《白血球さんの帽子をプレゼントする》ということです。
これがホームランでした!

鏡を見て大喜びです。
一日中、これをかぶっています。
寝る時もかぶっていたので母親が「それはやめよう」と言って止めました。
コープに買い物をした時にかぶって歩いていたら、すれちがった人に喜ばれました。
風が強い日には、飛ばされないように両手で押さえて歩いています。

大切にしてもらえてジイジはシアワセです。
さて、本題はここからです。

5.「幼児らしさ」を使い切らせる
私がこの帽子を買ってあげたのは、《多分なりきるだろう》と予想したからです。
大好きな「白血球さん」です。
その帽子をかぶったらどうなるか?
きっと「白血球さん」になるだろうと予想したわけです。
そしたらやっぱりそうでした!
すっかり役になりきっています。
もしかしたら、朝から晩まで頭の中は「白血球さん」になっているかもしれません。
私が遊びに行くと、すぐに二人で《ごっこ遊び》が始まります。
その時に、この帽子が役立つのです。
クルッと回して逆にかぶると血小板の「後ろ前ちゃん」になります。
その時の動画です。
絵本と同じようにコミックもお母さんが読み聞かせしているので、それぞれの役のセリフを覚えています。
しかも、母親はごっこ遊びの相手役までこなしています。
お母さんもすごいですね。
この帽子を戻せば「白血球さん」です。
「白血球さん」の時は声も男っぽくなります。
言葉づかいも「男っぽく」なります。
こうやって何時間でも「ごっこ遊び」をしています。
私は通常1時間半だけ付き合っています。
1時間半、ずっと熱中状態です。
これってすごいことだと思います。
幼児はこんなに熱中が持続するのですね。


幼児期の課題は「幼児らしさを使い切る」です。
その上で児童期が安定します。
では、「幼児らしさ」とは何か。
それは「遊ぶこと」です。
しかも「めいっぱい」です。
従って、幼児期の天敵は《遊べないこと》です。
《遊べない状態》とは、「不安」と「退屈」です。
これが幼児期の天敵です。
「不安」と「退屈」さえなければ、幼児は本来の力を発揮してめいっぱい遊びます。
「安心」の中での「熱中体験」です。
そのことが人間のレジリエンスを強くします。
以上のような方程式があるので、私は孫に「白血球さん」の帽子を買い与えました。
モノがあると創造力と想像力が発揮されるじゃないですか。
退屈を作らないためには《楽しそうなモノ》があるということが手っ取り早い方法になります。
モノ(教材)の力です。
絵本、歌カード、マンガ、ぬいぐるみ、赤ちゃん玩具など、
発達の時期に合わせた《モノ(教材)》があると、子供は「生きる力」を発揮します。
そして、こうした子育ては世代を超えて受け継がれていきます。
私は今そのことを確かめながら生活しています。
